16217676156_5eb8bfb41b_b4月に移住してから、少しづつではありますが6歳の長男が積極的になってきたなあ、と感じます。

シャイで人見知りで、自分から他人に声もかけれなかった長男ですが、少し変化が観られます。もちろん年齢的な、成長もあるとは思いますが、もしかしたら海外に住んでいるからかな?と思っています。

でも実際、海外に住むだけで、そんなに影響を与えるのでしょうか…?

どうも海外にいることならではの2つの要素が影響を与えているようだと思いつきました。海外移住や、海外子育てを考えている人は、ぜひ参考にしてみください。

 

■唯一の遊び相手は、4歳のインド人

うちの長男の最近の悩みは、一緒に遊べる友達がいないこと。4月に移住してきて、学校も家から少し離れていて、言葉もまだ完璧ではないので、一緒に遊べる友達がいないのです。

というのも、かなり人見知りで、シャイなので公園などに行っても、なかなか知らない子と遊ぶことができないのです。

が、同じマンションの1階に住んでいるのがインド人の4歳の男の子。子どものくせに?一度しゃべりだしたら、止まらないインド人ならではのエンドレスマシンガントークが大得意の人懐っこい、かわいい男の子です。

インターナショナル校に通う、4歳インド人少年はオランダ語より英語が得意。なので、彼との会話はちょっとだけオランダ語が混じった英語です。

明るくて人懐っこいので、言葉が喋れないからとか、恥ずかしいから、とかそんな感情は一切なし。もう遊びたいモード大全開で、こちらに向かってきます。

こうした子がいると、(そしてこんな感じの子がめちゃめちゃ多い)うちの子もドンドン遊びに行くので、自然と積極的になれているようです。これが1つ目の要因。つまり(外人の)友達付き合いが日本とはちょっと違うのかな?という点です。

 

■「迷惑をかけないで!」より「人に役に立つように!」

そして、2つ目。海外における子育ての大きな指針に「できるだけ困っている人や、他人に役に立つ人間になりなさい」というのが、挙げられると感じています。

もちろん、日本にいても、そうした気持ちは皆さん持っていると思いますし、実際に子どもに教えているパパさん、ママさんも多いと思います。

これは実は、2年前にアジアの学校や幼稚園を見てまわった時も感じたのですが、世界中の親が積極的に「人の役に立つように!」ということを言い聞かせている気がしています。

一方、日本では前述の通り、こうした教えもする一方で、より重点を置いているのは「人に迷惑をかけないように」ということのような気がします。実際に、自分も子どもの時から、親や先生、周りの人から、ずっと言われてきましたし(その割には、周りに迷惑をかけまくっている、というのは置いておいて)、自分も日本では子どもに対して、結構言っていた気がします。

もちろん、両方共メリットデメリットがあるように感じますが、海外では「人に迷惑をかけないように」という子育ての方針は、ほとんど聞きません。

より積極的に、「人の役に立つように」「どうしたら人の役に立てるのか」「困っている人を助けるにはどうしたら良いか」ということを学校でもテーマにしていますし、親も子どもに、ことあるごとに言っている印象です。つまり社会全体が、これを求めている気さえします。

東洋経済オンラインで話題のムーギー・キムさん、ミセス・パンプキンの共著『一流の育て方』(2016 ダイヤモンド社)には以下のような記述がありました。

<「他人に迷惑をかけてはいけない」とうるさく言ってしつけたため、子どもがすっかり萎縮してしまって困っているという親御さんからの相談を、何度も受けてきました。迷惑をかけない心がけを子どもに教えることが大切なのは当然ですが、呪文のように言い聞かせて、そのやる気まで奪うのは、本末転倒です。「迷惑をかけない」だけを目指していては、過度に慎重になり、主体性が育ちません。>

まあ、考えようによっては、自分のように、親から口酸っぱく「迷惑をかけない!」言われていても、周りに迷惑をかけまくってしまうのですから、いっそのこと、逆にそれは諦めて、「人の役に立ちなさい!」と言われた方が、多少はまともになったのでは?と思ったりしますが、何気に、この点、海外と日本の大きな違いのような気がしています。

学校の先生や周りからも、それを言われるし、授業のテーマにもなったりしているし、うちでも「どうやったら人の役に立てると思う?」ということを積極的に話しています。

で、その結果(かどうかは分からないけど)、うちの長男が少しづつ積極的になってきたなあ、と感じているのです。

 

もちろん、4歳インド人のエンドレスマシンガントークに付き合っていたり、(適度に無視したり)年齢的な成長度合いもあるかと思いますが、こうした社会から期待される役割像の違いも大きいような気がしています。

「海外子育て」というと、英語はどうなのか?とかが注目されがちですが、あえて、こうした小さな(でも実は大きな)違いもある、ということをお伝えしようかと思って取り上げてみました。

最後にミセス・パンプキンさんの言葉を引用します。

<迷惑をかけることを心配して何もしないよリは、迷惑をかける覚悟まで持って動くべきときもあります。>

<「迷惑を迷惑と思わない人」が周囲に集まるよう、志を抱き、誠実に生きて、よい人脈をつくることを心がけるよう教える方が正しい>

さすがにミセス・パンプキさん、良いこと言いますね。子どもに言う、というより自分に言われているようでもあり、いささか反省をしています。。。もう遅いけど。

Philippe Put