5267116152_b3d3fb43b7_bオランダの現地校に通ってる我が家の長男は、まだまだ自分に自信がありません。また自分が、たとえ良いと思っていたとしてても人と違うことをするのも極度に嫌がるし、何でも心配で、とにかく変化にはとことん弱いタイプです。

そうです。彼は空気を読むことには長けており、誰かがやったことは良しとして、とりあえず従ってみる、という従順というか、なんとも残念な性格というか…。

ちなみに、彼の両親(つまり我々)は、二人とも、どっちかというと正反対のタイプで、自分が良いと思ったことは周りを一切気にせずやってしまう、という日本ではなかなか馴染めないタイプです。笑。(ということもあり、オランダの住み心地はかなり良いです。)

こうした内向的な、というか自信なさ気な不安気な性格も大人になると変わっていくのかな? と思ったりして今のところ特に何もせず見守っています。

もっとも、自分と真反対な親を見ているので、その反動なのかもしれませんが…。そして、彼にとっての反動と言うと、やっぱり現地校に通う周りの友達の影響もあるのかな?という気もしています。

やはり、移民や難民も多い長男の学校の子どもたちは自己主張も強く、まとまりは全くありません。ま、子どもらしい、といえば子どもらしいのですが、はっきり言ってめちゃくちゃです。

 

■理由がないとやらない

いわゆる「学級崩壊」的な、めちゃくちゃではないのですが、悪く言うと自分勝手というか、ゴーイングマイウエー的なノリが非常に強いように見えます。良く言うと自己が確立しているというか、小ちゃい子でも、かなり自分の主張をします。

というか、そもそも子どもは、赤ちゃんの時から、本来は自己主張がハッキリしていますよね。眠いと言っては泣き、お腹が空けば泣き。

なので、そういう意味では子どもらしい、素直な子どもが多い、とも言えます。

いわゆる日本的な「空気を読む」感がゼロ、というか。。。

で、彼らの行動を見ていると、何でも納得しないとやらない、というか言うことを聞かないんですよね。

何でこれを学ぶのか? 何のために、この勉強をするのか? といったことが納得できないとやらないんですよね。

これと同じ話を、先日「1 more Baby応援団」のオランダ視察に際して話を聞かせてもらった、サッカー元日本代表で今は、オランダのVVVフェンローという1部リーグのプロチームでコーチをしている藤田俊哉さんが話していました。

<「たとえば走るトレーニングがあったとします。日本だと『いいから走れ』と指示することもあると思うんですけど、オランダで同じことを言うと『なんで走るの? 理由はなに?』と聞かれます。だから、どんなトレーニングをするときも、自分の中で意図や目的を明確にしていますね」>

1 more Baby応援団のFB投稿より引用

 

■「教えてもらうことを覚える」のに慣れていないか?

なので、こうした自己主張の強い、ある意味扱いにくい子どもたちは、自分が習ったり学習することの意味を納得して理解した上でないと、単純に暗記させたり正解を導くだけのような勉強にも、ついてこないのではないか?と思います。

だからからなのか? 例えばオランダ語の授業であっても、月ごとにテーマを決めて、そのシーンで実際に使う言葉から習っているようで、かなり実践的です。ということもあって、長男の語学習得ペースが早いのか? はたまた幸か不幸か、言われたことは素直にやるタイプの長男は吸収が早いのか。。。

学校での子どもたちの様子を見ていると、とにかく自分たちが納得できるか? ということころが大事なので、納得できさえすれば、逆にしっかりやる、という特徴も見えます。

ここで慶応大学環境情報学部教授の今井むつみさんの著書『学びとは何か-<探求人になるために>』(2016 岩波新書)に書かれていたことを引用します。

これは、とにかく子どもに「知識さえ与えれば良い」と考え、親が、できるだけ多くの知識を効率良く得ることが子どもにとって良いことだと考えている場合、子どもがどうなるか?ということを言っています。

<子どもがじっくりと好きなように選んだり考えたりするよりも、ことばで記述された、たくさんの「知識の断片」を覚えさせることのほうが大事だと思ってしまう。かくして子どもは小いころから「教えてもらうことを覚える」のに慣れ、それが当たり前だと思ってしまい、生来実践していた「自ら発見する」ことをしなくなってしまうのである。>

ここでは、決して暗記すること自体を否定しているのではないのですが、(暗記によって得た知識によって、より深い知識を得たり、探究心を持つことができるようになるので)納得して習得した知識の方が、より探究心を引き起こす、と書かれています。

探究の芽は日々の生活にあるとされ、その意味でも、子どもの

<遊びは探究の宝庫>

であるとも書かれています。

いずれにせよ、この「教えてもらうことを覚える」のに慣れてしまっていないか?というのは、日本だと大人であってもちょっとドキッとするのではないでしょうか?

 

ということで、我が家の長男は「教えてもらいたがり」というか、自分から新しいことを始めようとしないタイプなので、あまり教えないようにしています。

それをしてみて実感するのは、ちょっと後押しをしてあげる感じの教え方、というかコーチ的なスタイルって、本当に難しいですね。こちらの学校を見ていても思うのですが、先生の「教え方」によって子どもの成長が全く違うのも実感しています。

「教えすぎ」って、我が子のことを思う優秀なママさんほど、ついついやってしまいませんか? 自分もこのさじ加減を研究中です。この辺りの良い塩梅を、どなたか是非教えて欲しいなあ。。。と。

「教えすぎな大人」と「教わったことを覚えることが得意な子ども」。

う〜ん……。どうなんでしょうねえ。。。