今年も、日本でも、もう夏休みに入ったところが多いのではないでしょうか。オランダでも、エリアによっての多少の差があるものの、7月の前半から中旬にかけて、続々と夏休みになりました。

ちなみに、あくまでも個人的な感覚でもあるのですが、オランダでは「子どもの夏休み」=「大人も夏休み」というイメージがあり、「バカンスはどっか行くの?」というのが、この時期の最大のトピックです。

まあ、自宅兼オフィス勤務のフリーランスということもあり、まさに「子どもが休み」だと、どうしようもなく「大人も休み」になっています。汗。

 

■夏休みが短くなる!?

さて、先日『<静岡・吉田町>夏休み “最短16連休” で子どもたちは大激怒「町長の野郎~!」』というニュースを目にした方も多いのではないでしょうか。

来年の夏休みから「教師の長時間労働を減らすために」、授業日数を増やして、1日の労働時間を短くするための策だといいます。

これについては、こちらでオランダとの違いについて記事を書きましたので、よろしければご覧ください。citrus『「夏休み大幅短縮」は子どものためになる? 「子どもが世界一幸せな国」オランダから考えてみた』

で、一方で、こんな記事もありました。Gigazine『子どもは夏休みに退屈な方が健全に成長できる』

こちらの記事によると、

<「親としての役目とは、子どもたちが社会の中で自分の居場所を見つけられるような準備をさせることです。『大人になる』ということは、『自分自身のスケジュールをコントロールして、幸せに感じられるような余暇の時間で埋め尽くせるようになる』、ということなのです」>

と書かれており、また

<「退屈は、真の創造性をもたらし得る『内在的な刺激』を発達させるのに不可欠なものである」>

とも書かれています。

サマースクールや旅行や、行事や、イベントなどで子どもを退屈させないために、一生懸命になっている親としては渡りに船?の情報かもしれませんね。

 

■スクールの語源は「暇」?

ところで、学校を表す「School」の語源が、実は「暇」であるということはご存知でしょうか?

こちらは、河合隼雄先生の『子どもと学校』(岩波新書 1992)に書かれています。

<学校を意味するラテン語エコールは、もともと「暇」という意味をもっていた。学問というものは暇なときにするものだ、というよりは、暇こそが真の学問を生み出す、と考えるといいだろう。>

確かに、大人でも日々忙しすぎると、創造的なことができなくなりますよね。暇が実は大事だというのです。

さらには、こんなことも書かれています。

<創造的退行とは創造活動に従事している人が、ときに幼児的になったり空想にふけったり、ぼんやりとしたりしているときに、すばらしい着想や考えを持つ>

ここでいう創造的退行とは、他人から見るといわゆる「ぼーっとしている状態」を指します。

<エジソンが子どもの頃に「怠け者」思われていたことなどは、こうしたことを端的に示しているだろう。子どもの頃から、彼は「創造の遊び」の世界にはいり、それは外から見ると「お勉強」ではないという意味で、「怠け者」と判断されたのである。>

エジソンではないにしても、この辺りは、自分も(一応)クリエイターとしては非常に思いあたるフシがあります。そして、何か考えるとき、企画をするときは、必ず時間を置く(寝かせる)ようにしています。集中したら、一度全く別のことへ思考を解放した方(離れた方)が、鋭くなることが多いからです。

 

ということで、子どもの「暇」は、親にとっても朗報で、子どもも創造力を伸ばせるとしたら、もしかしたら一石二鳥かもしれませんね。

うちの場合は子どもは暇になると、すぐに兄弟喧嘩を始めるのでうるさくてたまりません。

いずれにせよ、親も毎日が夏休み状態になってしまうので、早く学校始まってくれないかなーとか思っています。とか、言うと「家族との時間を作るためにオランダに移住したくせに」とか言われそうですが。。。ここは、子どもを持つ親の思いは、国が変わっても同じです、ということにしておいてもらえれば、と…。