16511264340_7bfd218bba2ヶ月以上に及ぶシンガポール滞在も、ぼちぼち終了。結局、長男はこちらの幼稚園には、まだまだ馴染めなかったのですが、文句を言いつつも、休まず毎日通って、友達もできて、英語も中国語もちょっと出てくるようになりました。

親の思いつきで、本人は望んでもいないシンガポールに連れて来られて、あげくに幼稚園まで入れられて大変だったでしょう。

 

■「イクメン」と特別視されない

”大変だった”、と言えば、幼稚園の送り迎え。毎朝夕の往復1時間、炎天下の中、1日2回を続けたので太ることなく健康で過すことができました。結構、キツかったのですが、幼稚園の先生や他の子からも声がかかるようになり、現地の幼稚園の雰囲気を知ることができました。また同じ送り迎えのパパやママとも少し交流することができました。

そして以前も書きましたが、この送り迎えや幼稚園の行事には、意外にもパパの参加率が高いのです。パパが送り迎えすることは、全く特別なことではないのです。なので、毎日汗だくで幼稚園に連れて行っても「あのパパはイクメンだから…」という認識のされ方はしません。

 

■全体的にパパの子育て関与度が高い

実はこれ、送り迎えだけに限った話ではありません。全体的に、こちらでパパの子育てへの関与率が高い、と感じるのです。もちろん、日本でも積極的に関わるパパもいますよね。ただ自分の経験で言うと、ママと比べて絶対数が少ないので、どうしてもママの影に隠れてしまうこと。ママ友への遠慮や壁も多少あるでしょう。全体として見ると、やはりちょっと影が薄いですよね。

もちろん、関与したい気持ちがあっても物理的に関われない、というパパも多いでしょう。

それと、日本では例えば、医者や区役所などに子どもを連れて行ったり、子どもの用件で行くと、だいたい「はい、じゃあこれはママに渡してください」的な、”ママの代わりで来た普段は全く子育てしてないので何にも分かっていないパパ”、扱いされます。

ま、これは自分だけかもしれませんが。笑。少なくとも、こちらシンガポールで、幼稚園の先生や病院の先生と接していても、そういうことはないのです。

そして、たまたま今の幼稚園や、周りにいるパパがそうなのかもしれませんが、教育にも積極的に関わっているパパが多い気がします。ちなみに、その周りと言うのは日本人だけではありません。

 

■「子どもとどれだけ関われるか?」というのも仕事を選ぶ一つの指標

「子どもと一緒にいられるので、この仕事を選んだ」そういう話を同じマンションに住む、スウェーデン人パパのニコラスから聞きました。「世界にはそういう仕事の選び方があるのか」と、ちょっとびっくりしました。スウェーデンの子育て環境を少し見てみましたが、日本とは大違いで、全体的に子育てしやすい環境です。もちろん、その分の税金は高いです。

ニコラスはスウェーデンの会社に勤めていますので、ここシンガポールでもスウェーデンの子育て環境が保障されているのだと思います。そういうパパと話していると、「イクメン…って…なんだろう…」と思わずにはいられません。

さらに他にも、自分の実力で、自分で働く環境を作って、子どもと接する時間を作っている人もいます。

彼らを見ていると、「自分は何のために働いているのか?」ということを考えさせられます。本当に、世界にはいろいろな働き方、生き方がありますね。仕事や子育ては、生き方そのものなのです。

 

先日も、一緒に家族ランチさせてもらった田村こうたろうさん。教育の話や子育ての話をさせてもらって、毎回とても勉強になるのですが、フェイスブックでおもしろいコメントがあったので引用して終わります。

「日本常識は世界の非常識」がさらに深刻化 その1

シンガポールのうちのインターナショナルプレスクールには「イクメン」はいません。正確には「イクメン」だらけでそんな言葉がないのです。送り迎えも父兄会も男だらけ。とにかく子供の教育に熱心です。

「ワークライフバランス?なんじゃそりゃ?」とグローバルエリートたち。「自分のタイムコストが管理できんやつが稼げるわけないやろ」と。「何のために働き、自分のコスト意識持っているか」どうかだけでしょ

ちなみに、私、自分で自分のことを「イクメン」と言ったことはありませんので。念のため。

 

Richard Leeming