子どもの自己肯定感はこう高める?「校長先生が生徒を個別に褒める」国の幸せな学校生活
すっかり真冬のオランダでは、今日、まさにシンタクロースがプレゼントを各家庭に配る日!ということで、空前の盛り上がりです。
今日は、学校にもシンタがやってきたので、朝から学校をあげての大歓迎パーティ。シンタは子どもたちにお菓子やプレゼントも配りまくる。そして高学年の子どもたちはプレゼント交換会を行い(これも、まためちゃくちゃ面白いので、これについては後日記事にします)、なぜか午前中で学校は終了。ほんとに一体なぜ?って感じなんですが、そこについては一切の疑問も持たずに、子どもたちはウキウキワクワクモード。うちの長男は、今度学校で行われるクリスマスディナーに着ていくためのスーツの買い出しに行っています。(だいたい、スーツなんて親も持っていないのに…w)ちなみに、なぜか次男は明日も学校休み。
日本的なイメージではクリスマスイブ当日をイメージしてもらえると、全体的に浮き足立った感じが分かるのではないでしょうか? もう、あんな感じです。
さて、そんな今日、校長先生に我が家の長男がべた褒めされました。
個別に生徒を見ている
さて、我が家はイエナプランという教育方法の学校に通っています。細かい教育方法は、あまりここでは書いたことはないのですが、最近だと日本でもそのやり方を導入した小学校が出来てきています。長野にある大日向小学校がその例で、もう少しすると日本の自治体でも導入するところが出てくるようです。(そういえば、大日向小学校では生徒募集してますので、ご興味ある方はリンク先をご覧ください。)
大日向小学校には、オランダにも研修に来たことがある先生もおり、(元気ですか〜??w)環境含めて、とても良いようです。
でもオランダでイエナプランがメジャーか?というと、実はそんなこともなく、あくまでも数ある学校、教育法のうちの一つという位置付け。ですからオランダ人でも「イエナプラン?なにそれ?」っていう人も普通にいます。
また、そのイエナプラン自体も学校によって結構違いがあって、「一部モンテッソーリを取り入れています」とか、「一部だけイエナプラン的なことをしてます」なんてことも結構あります。こっちでは美味しいとこどりで、各学校独自に進化している感じでしょうか。
なので、個人的にも、あまりイエナプランの手法とか、教育方法自体にはこだわりはなく、あくまでもその学校が子どもにとって合っているか? 子どもにとって良い学校であればいいのでは?と思っています。もちろん、イエナプランの教育方法はいいとは思っていますが。そして学校選びの際には、市内にある3校のイエナプランは全て見比べましたが。
で、今いる学校の何が一番良いか?というと、先生が生徒のことをかなり良く見ている、ということです。
これは日本の学校と比べた感覚で言うと、「あの先生は、ほんとに良く生徒を見てくれている」と言われるレベルの先生がいるとすると、長男の通うイエナプランの先生は、みんなそのレベルです。
どの先生も、素晴らしくよく生徒のことを見てくれています。本人の性格はもちろん、誰と仲が良いか?どの子が面倒見が良いか?などなど、勉強的なことはもちろんのこと、そういったキャラクターや、交友関係などなどまで、お見通しです。
イエナプランのクラスルームは家族的な雰囲気を大事にしているため、いじめなどがあった場合も比較的早く解決策が取られます。
そして、驚くのは、それが担任の先生だけではないのです。そもそも担任の先生も、複数担任制で、2,3人いるところもありますが、そこの連携もバッチリ。かなりシームレスです。その上で教育カリキュラムを決めるような組織のコーディネーターや、担任の先生ではない先生、そして校長先生までバッチリ個人を把握しています。把握していると言うか、よーく見ています。よーく知っています。ちなみに全校生徒は、500人くらいでしょうか。(2校舎)
自己肯定感が高まりまくる?
そして、すべての先生は生徒に対してものすごいポジティブです。オランダ人の基本的性格にもよるかもしれませんが、とにかく生徒に対してポジティブなのです。全体的に感じる「オランダ人の自己肯定感の高さ」は、親はもちろんのこと、先生のこういうスーパーポジティブさから来るのかもしれません。
今朝もシンタクロース周りのイベントがあって学校に行ったのですが、校長先生がふらりと近寄ってきて、「〇〇(長男の名前)、素晴らしい才能だ。あんな才能は、この学校始まって以来だよ。」と言ってきました。これ、サッカーのことなんですが、長男が学校代表のサッカーチームに選ばれたからなのです。実は校長先生はそのチームの監督をやっているのです。これはその校長先生の趣味みたいなものなんですが、そこで上の学年に混ざって学校の代表選手に選ばれたのです。(シンタよりもサッカーに興味のある校長ですw)
とはいえ、まさか「この学校始まって以来」っていうのは言い過ぎだろう…wと思うのですが、その後もべた褒めコメントのオンパレード。「あいつは、フランキーデヨング(アヤックスにいて、バルセロナに移籍した、今オランダ人が大好きな選手)みたいだ」「周りを見ている、あの姿勢が良い」などなど。
とにかく、べた褒め。自分は、当然日本人ですし、さすがにやや引き気味でしたが…。
うちの学校に見学に来たことがある人はご存知だと思うんですが、校長先生は結構ワイルド系というか、ガテン系というか、かなりいかつい見た目をしているんですが、どっこい、かなり細かく生徒を見ている上に、めちゃくちゃ生徒を褒めるのです。
これだけの人数がいる学校の校長先生だと、どうしても個別の生徒のことは見えなくなるのではないか?と思うのですが、この先生の場合はそんなことはないようです。
この辺が、イエナプランだからということもあるかと思いますが、日本とは違って先生の仕事が「生徒に向き合うこと」だけに限定されているオランダの教育システムそのものから来ることかもしれません。
でもオランダでは先生の給与待遇が悪くて、今は、なり手がいなかったり、過労で先生が休んでしまったりで、先日はアムステルダムの小学校が「先生がいない」という理由で、休校になりました。先生のデモも毎年行われたりで、先生不足や待遇改善は大きな問題になっているのです。
実はオランダはその他の多くのヨーロッパの国と同じく、基本的に教育費はかかりません。大学までは基本的にはタダです。国が教育には多くのお金をかけているのです。とはいえ、これ(日本の教育への公的支出、34か国中最下位)を見るとOECDの平均よりちょっと上、ほぼ平均に近いです。
で、これを見ちゃうとやっぱり気になるのは、日本の低さですねかね…。日本では「もうこれ以上ムリ!」というくらい、先生も頑張っているので現場だけで対応できる範囲を超えていると思います。
今では少しづつ日本の教育現場は変わっていっているし、みなさんが変えるためにすごい努力をしているのも少し知っているのですが、それでも尚、子どもの成長スピードを考えると遅いと言わざるをえませんよね。(N高は恐ろしく早いですが)
ともあれ、子どもの自己肯定感を高めまくる、オランダの先生の生徒への向き合い方、ちょっと参考にしてみてください。
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