毒親とは、『毒になる親の略で、毒と比喩されるような悪影響を子供に及ぼす親、子どもが厄介と感じるような親を指す俗的概念である。1989年にスーザン・フォワード(英: Susan Forward)が作った言葉である。』というのがwikiからの引用。

子どもに悪影響を与えるという意味では、タイガーマザーとか、ヘリコプターペアレントとかとかと言われる種類もあるようです。

で、この毒親が、コロナによって減るかも減るかもしれない!という面白いニュースがありました。

今回は、そちらをご紹介したいと思います。

 

コロナによって毒親が減る?

それはオランダの子ども向けニュース番組「Jeudgjournaal」にあった、こんなニュースでした。

ちょっと意訳しながらご紹介します。

コロナにより保護者のサッカー観戦が禁止になったところ、子どもたちのプレースタイルが変わった!

これによりますと、いまだにコロナ禍にあるオランダでは、他人と1.5m距離を取る、室内では30人以上が集まってはいけない、などなどのルールがあるのですが、「子どもたちのスポーツ(サッカーやホッケーなど)の見学をしてはいけない」というルールもあります。

それまでは、自分も毎週末の子どものサッカーの試合観戦が楽しみでした。そこでチームメイトの親と話したり、みんなで応援したり、時に練習を手伝ったりしながら、クラブコミュニティに所属している感じを満喫すると同時に、子どもの応援をするといったスタイルです。

それが、コロナ禍においては、その観戦ができなくなってしまったのです。

ということで、どうなったか?というと、結果として子どもたちがのびのびとプレーできるようになった!というのです。

それまでは、コーチの言うことと親の言うことが違う、親が自分の思い通りにプレーさせようと、「あっちいけ!こっちいけ!」と細かく指示を出す。さらには相手チームにヤジを飛ばす…、などなど、つい我が子の試合観戦に熱くなった親が、「声援」を通り越して、子どもにとってはプレッシャーを感じたり、戸惑うような指示を与えたり、と「害」となるような行動が多発していた、というのです。

実際には、今は対外試合は行われていませんので、試合で熱くなるというシチュエーションはないと思われますが、それでも熱心な親はクラブ内の紅白戦などでも、大きな声援を送っていましたので、それらがなくなったのです。

さて、このニュースを読んだ時に、自分も当てはまるなあと思ったのですが、子どものためを思って親がやっていることが、意外にも子どもにとっては迷惑な行為で、場合によっては子どもの成長の可能性を削いでいる行動になっているのだな、と自覚をしました。

つまり、これって知らず知らずのうちに、「毒親」になっていたわけで、「子どものためを思って」という、いわば独りよがりは、典型的な「毒親」そのものではないか?と思ったのです(汗)。

 

子どもの可能性を摘んでいないか?

さて、これをサッカー観戦以外に当てはめて考えてみると、多くの親が「子どものために」と思ってやっていることが、意外にも「毒親」の行為そのものになっている可能性があるな?と思いました。

「子どものためを思って、塾に行かせる」「子どものためを思ってバイオリンをやらせる」「子どものためを思って英語をやらせる」これらは、ごく普通に、おそらくほとんどの親御さんがやっていることだと思います。そして、当然「子どものために」「子どもの将来のために」と思っているでしょう。確かにそうなのですが、もしかして、その子にとっては苦痛で仕方ないことで、だんだんエスカレートすると「塾のテストで100点取らないとご飯を食べさせてもらえない」とか「英語のテストが悪いと親の機嫌が悪くなる」などという、肉体的にも精神的にも苦痛とプレッシャーを与えることになっているかもしれないのです。

また逆のパターンもあって、子ども自身はチャレンジしてみたいな?と思うことがあっても、「親がやったことないから(経験がないから)やらせてあげない」「親の知らない教育方法はやらせない」「親が海外にいったことがないから、留学はさせない」などというパターンもあるかもしれません。

もっと言うと「子どものためを思って先回りして、すべての危険を排除してからでないと遊びに行かせない」とか、「子どもが怪我しないように、外では遊ばせない」などなど、こういう過保護状態も、子どもの可能性を削っていることがあり、「毒親」となってしまっている場合があるかもしれません。

そして、超過保護傾向にある日本では、知らず知らずに子どもの可能性を削っている傾向が強いのではないかと思います。(参考:『超過保護になってない?「見守る」ことの大切さと難しさ』)

まあ、厳密に言うと「毒親」というのは、「子どもの可能性を潰す」というより、「害を与える」ということらしいので、微妙に違うとは思いますが。

ただ、先のニュースでは親が見学に来れなくなったことで、子どもが自由にのびのびプレーするようになったというのは象徴的な出来事だなあと思いました。

日本と比べると、子どもたちが自由にのびのびとしていると感じるオランダでさえ、こうなのか…と思ったりもしましたが、うちの次男も、このニュースを見た後に「親がくると、うるさいから嫌なんだよね…。あちいけ!とか、こちいけ!とか言うし」と言ってましたw

コロナのもたらした意外な効果かもしれません。

そうそう、ここで少し前に話題になったデンマークのサッカー協会の子どもの指導法をシェアしておきます。サッカー意外にも当てはまりますよね。

 

デンマークサッカー協会 少年指導10ヵ条
  1. 子どもたちはあなたのモノではない。

  2. 子どもたちはサッカーに夢中だ。

  3. 子どもたちはあなたとともにサッカー人生を歩んでいる。

  4. 子どもたちから求められることはあってもあなたから求めてはいけない。

  5. あなたの欲望を子どもたちを介して満たしてはならない。

  6. アドバイスはしてもあなたの考えを押し付けてはいけない。

  7. 子どもの体を守ること。しかし子どもたちの魂まで踏み込んではいけない。

  8. コーチは子どもの心になること。しかし子どもたちに大人のサッカーをさせてはいけない。

  9. コーチが子どもたちのサッカー人生をサポートすることは大切だ。しかし、自分で考えさせることが必要だ。

  10. コーチは子どもを教え導くことはできる。しかし、勝つことが大切か否かを決めるのは子どもたち自身だ。

 

と、そうそう、このニュース「ミライ+コロナ」というサイトでもシェアしています。「子育て」関連だけではありませんが、コロナ後の社会の変化が感じられるニュースが集まっています。よろしければ、こちらもどうぞ。

※ミライ+コロナとは『ミライ+コロナとは、新型コロナウイルスとともに生きる未来を考えるプロジェクト』です。