あなたの子どもの「就活」どうしますか?「オール・ホーム」という考え方
もし、あなたが今、就職活動をしているとしたら、どうしますか? または、子どもの就職活動を親としては、どう考えますか?
というのは、少し前に書いた「lifehacker」のこちらの記事『19年間勤めた博報堂を辞めて、私がオランダに移住した理由』を読んだという、学生さんから相談を受ける機会が立て続けにありました。メールやSNSを通じての相談も多かったのですが、中には、わざわざ、自分が今住んでいるオランダまで、世界中から会いに来てくれる学生さんもいるのです。
普段、子育てについて書いているつもりですが、考えてみれば、就職活動は子育ての最終局面的な意味もあるのかな?と思ったりもしましたが、先のlifehackerの記事は、子育てというより、「会社を辞めて海外に移住した理由(=子育てなんですが)」がメインでしたので、普段、自分が想定している読者とはちょっと違ったのかもしれません。
ちなみに、普段は「美人子育てママ」をターゲットとして書いてまして、決して「子育てオサーン」とか「イクメン」ターゲットではありません。
で、それは置いておいて、その就職活動の相談を受けているうちに、ちょっと困ったことになりました。
■行きたい会社がない…!?
世の中では、「新卒の一斉就職活動はナンセンス」「世界でそんなことしてるの日本だけ」「就活が大学生活の目標になっており、学業に専念できない」……、などなどの声が多く聞かれ、「就活=悪」的なイメージが持たれているように思います。
実際、自分も最近の「就活」は、なんてナンセンスなんだ、そんなこと止めたらいいのに、と思っていました。いや、今でも思っています。
でも、やっぱり当事者の大学生や、その親御さんになると、「そうは言っても…」という気持ちにもなりますよね。そもそも自分も、しっかり、「就職活動」経験しております。
で、大半の学生は、やっぱり悩みながらも就職活動を行うのかな?と思うのですが、相談に乗っていて思ったのは、今、自分が就職活動をしたとしたら、「行きたい会社がない」という状態になる気がしました。
例えば、あの大前研一さんとユニクロの柳生正さんとの対談本『この国を出よ』(2010年 小学館)には
<日本の学生は新卒で就職しない限り、まともな会社には入れないと悲壮感を漂わせて就職活動をしています。しかし、大企業に入社できたからといって、将来が保証される時代は終わりました。むしろやっとの思いで入社した大企業もろとも奈落の底に落ちてしまうことが、現実にあり得る時代なのです。>
と書かれております。
これは先のlifehackerの自分の記事でも触れましたが、実際に代理店時代に、担当していたクライアントさんが、外資に買収された! 倒産した! 合併してなくなった! という経験があります。それも、1度や2度ではありません。
こうした経験も踏まえると、やはり、今の時代に、人生をかけて就職活動をしてまで入りたい会社が見つからない、と思ったのです。
■未来は激変する
とはいえ、「行きたい会社がない」理由は、上記が本命の理由ではなく、近視眼的に考えてはいけない、と思っているからです。
どういうことかと言うと、例えば、ざっくり40年働くとして、この少子高齢化の中、終身雇用が維持されると仮定すると、今年入社した新社会人は2056年まで同じ会社に勤めることになります。
これって、現実的でしょうか? 逆に今から40年前に遡ると、1970年代です。その頃に、今の社会の現状を予測できた人がいたでしょうか? 今後はIT化、人工知能なども発達しますし、いわゆるグローバル化も進みます。今まで以上に時代が進化します。そのスピードが上がるはずです。
別に、終身雇用前提で会社選びをしなくても良いのですが、言いたいことは、「未来は想像以上に激変していく」ということです。ですから、その前提に立って会社選びや、将来の道を選ぶべきで、そうすると、今ある会社にはあまり魅力を感じないと思ったのです。
個人的には、こうした前提で会社を辞めて、海外に移住し、子育てをしているつもりです。もちろん、正解かどうか?なんて分からないし、人によって捉え方も違うと思うので、それがいい!というつもりはありません。
そんなことを考えると、就活生に対するアドバイスが全くできない自分がいました。
ただ、こういうことを考えられるようになったのは、就職活動をして会社勤めを経験し、そこで多くの貴重な体験をしたからだ、ということも言えるので、なんか逆説的なところがあります。
ある意味、子育てと同じで、とりあえず良いと思うことをやってみて、後はなるようになる、ということかな?と(←結局、何のアドバイスにもなっていない)思いました。
ただ、一つだけ思うのは、今の時代は日本だけに可能性を求める必要はないのではないか?ということです。というより、日本にいることは可能性を狭めていると思った方が良いのではないか?と思います。
先に挙げた『この国を出よ』の中で、グローバル企業の例として「ノキア」が挙がっています。(すでに、この事例が古い…汗)
ノキアは、初めから世界中をホーム(グランド)と考えて国境を感じさせない「オール・ホーム」という発想でグローバルを市場と捉えていた、と書かれています。ユニクロも現状、そうなりつつありますが、就職活動もそうなった方がいいのでは?と思います。別に日本にこだわらないで、世界中を探して、自分にあったところを見つけた方がいいのでは?と思います。
そういえば、自分が今住んでいるオランダのスタートアップシーンでは、はじめから国外に出ることを奨励しています。人口が少ない上に、オランダ語というマイナーな言語では、スケールアップしないことが目に見えているからです。もちろん、陸続きのヨーロッパ大陸に位置しており、EUという経済圏にあり、大方の国民が英語も問題なく使えることも大きいでしょう。
このように世界中を「オール・ホーム」と考えて、就職活動や、仕事、子育て、住居を選んでもいいかと思っています。そういえば、今はどこの国に行っても、東アジアの中では、中国人留学生が多いのですが、それに次ぐのは韓国だと思います。おそらく両国とも、日本人留学生の数を圧倒していると思います。
これらの国は、すでに「オール・ホーム」発想で、就職活動はもちろん、仕事選び、学校選び、住居選び、そして子育て環境を選択している気がします。
それ以外にも、当然、英語もできて優秀な東南アジアの若者は日本人より安い賃金で働きますし、個人的に注目しているインドは、今、世界各国に「印僑」ネットワークをすごい勢いで膨張しているように思います。
小さく老いていく(と言われている)日本にいるより、こうした世界に出て、その経験を日本に還元していく方が、よっぽど楽しい人生ではないか?と思うのです。
まあ、それにしても、正直、今の時代の就職活動は難しいですね。。。
自分の古巣、博報堂はめっちゃ良い会社でしたけど…。(ステマではありません。誰にも書けとは頼まれてません。笑)
はじめまして。日本とニュージーランドで美容室をやっています。次はオランダへお店を出してみたいと思っているのですが…
実はまだオランダにまだ行った事がなく風土や環境等が分かりません。
もしお時間がございましたらオランダの風土などについて教えて頂けませんでしょうか?
私は、「Leaf Hair Studio Dunedin」「silvana hair studio」などで検索して頂けると分かるかと思います。
是非、よろしくお願い致します!