5142869803_377e1168f5_b (1)最近、急にサッカーへの興味が爆発してきた長男。今や誕生日プレゼントにもらったサッカーユニホームは、寝る時も、学校に行く時も、ずーっと来ている大のお気に入り。「もうおもちゃは飽きたから」と言い、もっぱら2歳の弟を相手に本気でシュートしたり、ドリブルで抜いたりして遊んでいます。

一方、マイペースで物怖じしない次男は、間も無く始まるプレスクール(オランダでは2歳半〜)に行きたくて行きたくて仕方がない様子。たまたまお兄ちゃんと同じ学校内にあるプレスクールに通うため、すでに毎日、お兄ちゃんの送り迎えに行くついでに、自分の教室にも顔を出し、先生に可愛がられています。

さて、我が家はそんな日々ですが、今回はオランダ流の教育や子どもへの接し方のご紹介です。

ここにも何度か書いているのですが、オランダの場合「100人いれば100通りの教育がる」と言われていますので、あくまでも自分が知っているオランダの教育方法というか子どもへの接し方です。ただ、ある程度、こうした考え方がすべてのベースにもなっているようなので、ご紹介したいと思います。

 

■マルチプルインテリジェンスとは?

オランダで、子どもへの接し方として基本になっているのが、「マルチプルインテリジェンス」という理論です。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、1983年に、ハーバード大学のハワード・ガードナー教授が提唱し、現在世界で広く認知されつつある理論です。

調べたところ、カナダ、アメリカ、オーストラリアなどでも基本的な理論として教育実践が進められているようで、日本だとまだあまり馴染みがない、ということでした。

「マルチプルインテリジェンス」とは子どもを潜在能力や個性のタイプに分けて捉える理論で、それによると8つの知能に分かれるというのです。

<1,言語的知能 :言葉で表現したり本を読むことが好きな子

2,数学的・論理的知能:数字や論理などが好きな子

3,空間的・視覚的知能:物事を立体的にとらえたり、地図などを書くのが好きな子

4,身体的・運動的知能:運動能力が高く、活発で身体を動かしているのが好きな子

5,リズム・音楽的知能:音楽が好きでリズム感に長けている子

6,対人関係の知能:その子がやって来るとその場の雰囲気がよくなるコミュニケーションの得意な子

7,内観の知能:物事をじっと深く掘り下げて考えるのが好きな子

8,自然・環境の知能:動植物に関心が強く、小動物や植物を観察したり育てるのが好きな子>

という8タイプです。

例えば自分のお子さんが、どのタイプに当たるか? ちょっと考えてみてください。

どうでしょう? もしかしてちょっと自分のお子さんに対する捉え方、変わりませんか? これを知っていると子どもの、もともと持っている個性、つまりポジティブな面を伸ばす、という考え方が割とスムーズにできるようになりませんか?

 

■子どもの能力は偏差値だけでは測れない

これは、子どもそれぞれの個性や良いところを伸ばすための考え方です。もしかしたら複数の才能を持っている子もいるかもしれません。

他が劣っていても、この得意なことを伸ばす、というのがオランダ流です。

例えば、最近サッカーが好きで、いつも活発な我が家の長男は上記4番の身体的・運動的知能が高いのかもしれません。しかし、かなりイジイジもしているので、7番の物事をじっと深く掘り下げて考えるのが好きな子なのかな?と思ったりもします。

逆に、まだ通ってもいない学校が大好きな我が家の次男は、もしかしたら6番の対人関係の知能が高いのかな?となるのです。

こうした考え方がベースにあると、子どもの優劣は、決して偏差値だけでつけるのではない、ということが分かると思います。

 

ということで、うちの場合はどうやら兄弟であっても、全然違うようですが、これ、知ってるだけで我が子の見方が変わりませんか? どんな子であっても、なんか肯定的に捉えられる気がしますよね?

子どもがまだ発揮できていない能力もあるでしょうから、大人がいろいろな環境や選択肢を与えてみて、子どもがどのタイプなのか? 見極めてあげることも重要な気がします。

もしかしたら、ご自分も、どのタイプに当たるか? 考えてみると面白いかもしれません。タイプによっては、周りとうまくやれなくて悩んでいる人は、7番タイプで、他人とうまくやることは、もう諦めた方が良い!となるかもしれませんよ。(自分のことのような気もしますが……笑。)

とにかく、子どもの得意を伸ばすのがオランダ流なのであります。

richie graham