オランダ含む、ヨーロッパは相変わらずコロナ渦中の真っ只中。オランダでも休校どころか、大半のお店も閉鎖で、自宅待機。もう街は機能停止です。買い占めが起こったり、もちろんイベントやスポーツ、人との交わりなどは基本自粛なので、普段とは全く違う日常です。おそらく、国としては感染者数&死者数も俄然多いので、ヨーロッパは日本よりも相当な緊迫度があります。

ということで、こちらのブログでも番外編として4回連続でコロナ状況をお伝えしています。そして、俄然、街は機能停止状態ですが、今回はちょっと元の路線に戻します。学校が休校でも、オンライン授業が行われたり、そもそも子どもの成長は待ってくれませんもんね。

ということでいきなりですが、今回はおそらくこのブログを読んでいただいている方は、興味があると思われる、モンテッソーリとイエナプランの違いについてです。

 

モンテッソーリとイエナプランが激突!?

実は、このコロナ自粛が発表される直前、実はうちの子どもが通うイエナプラン校と、近所のモンテッソーリ校が激突したのです。…はい。すいません。ちょっと煽りました。サッカーの話でした。

オランダの小学校は、いわゆる「部活」とか学校の「クラブ」というのはないのですが、年に1回、学校対抗のサッカー大会が行われます。一応、全国規模で行われるもので、うちの学校は過去に全国優勝したことがある名門校です。というのは、半分冗談ですがーというのは、別に学校で指導したり練習したりする訳ではないし、生徒も毎年入れ替わりますますからー唯一、言えることはチームの監督を務める校長先生が、このサッカーの大ファンなので必然的に熱が入る、ということでしょうか。

もっとも、このサッカー大会自体、コロナ騒動で今年はできるのか…?という感じですが。

ちなみに余談ですが、うちの学校をご案内したことがある方なら、ご存知かもしれませんが、うちの校長先生はとてもいい人なのですが、かなり強面の校長先生でなので「サッカーの監督」というほうがしっくりきます。

 

めちゃくちゃなモンテッソーリvs意外にまとまなイエナプラン

ということで近所の学校同士、本番のサッカー大会(トーナメント制で地域大会は1日で終了)にむけた練習試合を行いました。

そうなのです。実はうちのイエナプラン校の、すぐそばにはモンテッソーリ校があるのです。日本から見ると、ちょっと羨ましい環境かもしれません。ちなみにオランダは教育費は無料、学校も自由に選べます。(定員が空いてれば)もちろん、これは小学校の話です。幼稚園(保育園)ではありません。

そして、その近所のモンテッソーリ校も近隣では、とても良い学校として知られています。(なので、今住んでいるところは、要は文教地区なのです)

さあ、その2校がサッカーの練習試合で対決することになったのです。

実は、そのモンテッソーリ校には、うちの子どもと同じサッカークラブで、しかもセレクションチームにいる子が二人もいます。(例えば、プロ野球の1軍をイメージしてください)一方、うちの子どももイエナプラン校チームでは中心選手として、監督(校長先生)から、特別に目をかけられている存在です。なので前日に特別に練習したりして、当日の試合に臨みました。

そして、親である自分もその試合を楽しみに見に行ってみると…。(ちなみに、これは水曜の午後に行われたのですが、見学に来ているパパ多数ですw)なんとモンテッソーリチームのめちゃくちゃな感じが、すぐにわかりました。

まず、引率の先生がいないw(=監督不在)、生徒たちがバラバラと自主的に集まった感じ。中には「デニム」みたいな普段着の子もいる。というか各校2チーム対抗なのですが、そもそも人数揃ってませんw前述の通り、同じサッカークラブでやっている子もいるのですが、他のメンバーは明らかにサッカーくらぶではやっていない子もいる。(別にクラブに入っていないといけない訳ではありません)そして、めちゃくちゃだらだらしている。笑っちゃうくらいまとまりナシ。まあ、こんな訳なので結果的にはイエナプラン校の圧勝に終わりました。

で、一方のイエナプラン校は単体で見てる分には、まとまりない、バラバラっていう感じに見えていたのですが、モンテッソーリと比べると、すごくまとまっているように見えましたwなんか、プロとアマというか、私立のスポーツ強豪校と公立のスポーツ弱小校くらいの差がありました。

校長先生(=監督)が力を入れている、実際に各クラブのセレクション(1軍)選手が多くて、みんな上手い。あと、意外にもなんかまとまっているんだな…という感じでした。一方のモンテッソーリは1軍選手もいるものの、サッカーは1人とか2人ではさすがに勝てませんから、全く活躍できずに一方的に押し込まれて終わっていました。というか、そもそもダラダラすぎるし、バラバラすぎました。

 

個性重視のモンテッソーリvs他人との協働も(ちょっと)重視するイエナプラン

で、これが、もう学校の重視する方針がモロに出ているなあ、と感じて笑ってしまうくらいでした。

日本ではごく最近イエナプランの実践校が出てきているので、ご存知の方もいるかと思いますが、細かいことは置いておいてモンテッソーリとの違いは、個人的には「他人との協働をするか?あるいは重視するかどうか?」がイエナプランとモンテッソーリの違いだと感じています。

つまり個性重視で、自分の中のことを個として自由に深く探究していくことを大いに奨励するモンテッソーリ。それに対してイエナプランはざっくり同じなんだけど、ちょっとだけ「他人との協働」ということも重視する。両校の違いは、個人的に簡略化すると違いはここだけと考えています。(もちろん、他にも細かくはいっぱい違いはあるけど)

またオランダの学校の特徴としては、各校、他からのいいとこどりをする傾向があるので、あまり厳密にイエナプラン原理主義校とか、モンテッソーリ原理主義校みたいなのは、いまや少ない気がしてます。みんな、お互いのいいとこどりして、なんちゃってイエナプランとか、モンテッソーリ風とかの学校が多いのも実情です。日本だと、「それはモンテッソーリの方針ではありません」「それはイエナプランとは言いません」みたいなことも結構ありますが、こちらだと、そういことはあまりなく、「子どもにとっては、それは良いことだから取り入れよう」みたいなことが、いっぱいあります。だから、結構、いいところどりで似てきたり、混ざったりしているのです。

と、まあ、いずれにせよモンテッソーリとイエナプランはそんなに違わないだろうなあ…と思ってサッカーの試合を見に行ったら、あまりにもモンテッソーリがめちゃくちゃ(=個重視)すぎて笑ってしまった、ということでした。つまり、モンテッソーリ校は、集団スポーツは向いていない、ってことかもしれません。(前述の通り、上手い子もいるんですが)

あ、ついでに言っておくと全体として見るとモンテソーリの子も、イエナプランの子も非常に素直でいい子が多いです。あと、明るい子が多いかな。(これはオランダ人の特徴かもしれませんが)そして日本の同年代と比べると、大人っぽい子も多いなあと感じてています。(小学校5,6年生)

それから、この大会、もちろん女子も行われます。今回の練習試合は、たまたま男子の試合のみでしたが、両校の違いは傾向としては女子も同じだろうな…と思います。

 

とまあ日本から見ると、教育費タダな上に、小学校でありながら教育方針が違う多様な学校の中から進学する学校を選べる、というオランダのシステムは眩しく感じるかもしれません。(そして、両方とも「公立」の学校です。)

学校というのは、子どもが長く過ごすことになる環境なので、やっぱり結構影響が大きいだろうなあと感じましたし、日本でも学校は自由に選べるようになると、各校、工夫したりして頑張るのではないか?と思いました。

あ、これもコロナ対策が発表される前日だったので開催されましたが、今後、開催予定の本場に関しては、延期or中止もあるかな、という感じです。日本の春の甲子園ではないですが、中止にはならなければ良いのですが。。。もう、そんなことも言ってられない感じですが

ということで、あっという間に、コロナ感染者が2000人超えをしたオランダからでした。