4709043339_e448d5a868_b新しい環境には慣れた頃でしょうか? うちの子は新学期からの疲れが出たのか、いわゆる嘔吐下痢に。周りでも流行っているようです。

考えてみれば、新学期スタートから、連休を挟み、何かと落ち着かないフワフワした時期が、ようやく通常モードになる頃でしょうか。気候の良さに気を奪われがちですが、子どもたちは、まだまだ慣れない環境に必死なのかもしれません。

さらに、この時期に新しいお稽古ごとや、塾などに行き始めた子どもも沢山いるのではないでしょうか。

そう考えると、今の子どもたちって、かなり多忙な気がします。

 

■スクールの語源は「暇」だった

忙しい上に、遊び場がなかったり、少子化の影響もあるのでしょうか。実際、子どもが遊んでいる姿も街ではあまり見ない気がします。

そこで、京都大学教授で臨床心理学の先生でもある河合隼雄さんの著書「子どもと学校」に面白いことが書いてありましたので、またまた引用させてもらいます。

<学校を意味するラテン語エコールは、もともと「暇」という意味をもっていた。学問というものは暇なときにするものだ、というよりは、暇こそが真の学問を生み出す、と考えるといいだろう。>

スクールの語源は、そもそも”暇”。こう考えると、現在の子どもたちには、真の学問を生み出す”暇”が俄然少ない気がします。

うちの子どもも、週4くらいで習い事をしていますので、かなり多忙です。

 

■現代の大人は指導しすぎる

また逆に現代の大人の問題についても書かれています。

<大人たち(特に教育者と言われる人たち)は、指導したり、言いきかせたりすることが好き過ぎる。自由な遊びのなかに、子どもの創造活動が現われ、それを通じて子どもたちは自ら癒され、自ら育ってゆくのである。>

子どもに”暇”な時間を与えることで、その暇を子どもが自由に使う。そうした環境の中で自らが勝手に行う遊びを通じて、勝手に育つ、というのが本来の子どもの姿だというのです。

そして、それこそが真の学問を生む、というのです。

確かに、現代は教えすぎの大人と、その教えを請う忙しい子ども、という構図があるかもしれません。

 

■遊びが創造性を生む

さらに暇な時間に行う遊びの重要性についても書かれています。

<遊びによって子ども時代に培われたイマジネーションのはたらきは、成人してからも創造活動をするときに、そのベースとなっている。「お勉強」で固められ、遊びの少ない人間は、成人してから創造的な仕事を達成できないのである。>

こうしたことが意識されているのか、海外では子どもの遊びの中から、好きなこと、夢中になることを見つけて、それを自分で探求していくことが、学びそのものです。

そして、それを実際に学校で行っていたりもします。

日本の偏差値重視で、正解を求める学校教育とは、根本的に違っている気がしてしまうのは、こういうベースがあるからかもしれません。

 

かのエジソンは、子どものころは”怠け者”、と言われていたようです。暇な時間を、空想や遊びの時間に使って、楽しんでいた成果が大人になって現れたのかもしれません。

子どもがボーっとしているのを見て、つい”時間がもったいない!なんかしなよ!”と言っていたのですが、子どもにとっては、ボーと暇を過ごすことも、必要なのですね。将来のエジソンになるためには、子どもには積極的に暇を与える必要がありそうです。

幸い、病気が大事には至らなかったうちの長男。元気と暇を持て余しつつも外出できないので、一日中、次男と一緒に変顔の練習をしているようです。。。これで、いいのだろうか…。

Greg L. photos