子どもが幸せな理由は何か?夜の保護者会から垣間見るオランダの子育てコミュニティのあり方
5月以降、気持ちの良い晴れの日が続いているオランダ。シーズン最後の行事が学校などでも目白押し。日本的にいうと、学期末の3月的な感じでしょうか? 気分的にも早くも夏休み突入です。
そんな中、先日行われたのは4歳次男のクラスの「夜の保護者会」。
クラスの親が近所のバーに集まって一緒に飲みましょう、という軽い雰囲気の会です。
学校の保護者会を夜にやるの? とか、バーで? 誰がそんなの行くの?とか、子どもはどうするの? などなどいろいろと疑問があるかと思います。まあ、実際、我々も同じような疑問を胸に抱きつつ、「これが実は非常に重要」というアドバイスを各方面からもらったりしていたので、今回は夫婦揃って参加してみました。
■保護者会の開始は夜の8:30
開始時間は8時30分。これ、朝ではなく夜なんです。夜とはいえ外は、この時期は普通にまだまだ昼のような明るさ。おまけにその日は、暑くもなく寒くもなく最高の気温。場所は近所のオープンテラスというか、半ば歩道に席がはみ出しているカフェ&バー。ここは学校のそばにある住宅街の中にある人気のお洒落なカフェバーです。
参加するのは同じクラスのパパ&ママですが、そこは陽気でコミュニケーション好きなオランダ人。会話も始めから楽しく進みます。クラスの保護者会というと、PTAの集まりとか授業参観的なイメージをされるかもしれませんが全く違います。日本だと仕事終わりに同僚とちょっと飲みにく、と言ったような感じでしょうか。非常にフランクに、陽気に、楽しい感じの会でした。
こうした集まり、うちの学校では各クラス、年に3回くらい開かれているようで我々は今回初参加。
というのもオランダの場合、4歳になった子から順次入学して行きます。次男は今年の2月に入学したので、今回の夜の保護者会が初、となったのです。
実際に参加してみて周りの親にも聞いたところ、みんなシッターさんを頼んで、子どもを寝かしつけて夫婦で参加(している人が多かった)。みんなも貴重なコミュニケーションの場、と捉えてできるだけ参加しているような感じでした。
普段の送り迎えで、なんとなく毎日顔を合わせている保護者が多いのですが、改めて、「この人がノアのママか」とか、「マレーネのパパとママはこの人か」「あ~このママの子どもがフィリップね」などなど、認識できる貴重なチャンス。
我々は日本人ファミリーだということで、おそらく周りからは注目されているのだと思うのですが、こちらはオランダ語もままならないのに、こうした地元のコミュニティーに溶け込もうと必死です。
というのは、うちの学校は、日本で言えば小学校1年生のクラスから、実質持ち上がりで小学校卒業まで同じクラスで過ごすことになるので(2学年が共存してますが)最初の学年で、周りの親との関係を作っておくこと、その後、非常にスムーズに学校のコミュニティで過ごせる、と聞いていたからです。
また幸いにも4歳の次男は同じクラスのお姉ちゃんたちに一緒に遊んでもらったりと、良く面倒を見てもらっていることもあり、放課後もすでに良く遊んでいるので、親同士も少し交流ができていました。ということでスムーズに保護者会にも入っていくことができました。
■意外に保守的な地元コミュニティ
さて、オランダは今では世界一多様性に溢れた国で、みなさんもご存知のように「子どもも世界一幸せ」と言われている国でもあります。また、合理的な国民性で、英語も堪能、関係性はフラットで、コミュニケーションが得意な人が多く、仕事は非常にやりやすいのですがそれはあくまでも仕事面。
意外にも地元のコミュニティでは保守的な面もあり、まずはオランダ語はマスト。仕事ではオランダ語はほぼ必要ないかと思いますが、逆に、地元のコミュニティにしっかりコミットしたいなら、オランダ語もマスターする(少なくとも話す意思は見せる)必要があります。
でも、これも逆を考えれば合点が行くかと思います。例えば日本でも普通に地元の公立小学校に外人の子どもが入ってきたけど、その親が日本語が喋れないという状態より、少なくとも、ちょっとは日本語を話そうとしてくれる外人の方がコミュニケーションを取りやすいですよね? これと全く同じです。
また全然交流がないよりも、積極的に交流をしようとしてくれる外人の方が、馴染みやすいですよね? そう考えて、積極的に馴染むように敢えてしています。こういうスタンスでいないと、やっぱり地元のコミュニティには入れないと思うからです。
ということで、保護者会当日はシッターさんをお願いして、夫婦二人で参加したのです。
我が家の場合、現在、妻がオランダ語を頑張って習得しようとしてしていますが、そうした飲み会とかでいろいろと話すことになると、やっぱり英語になってしまいます。もちろん、みんな、英語で話しに付き合ってくれるのですが、全体の会話はオランダ語なので、そこに自分たちが入れないのも、そして個別に英語で対応してもらうのも悪いなあ、ということで、我々は1時間くらいいて早々に引き上げました。
まあ、保護者会に馴染もうとしている意思を見せて、みんなと交流できたので、初回としてはギリギリ及第点かな、という感じでしょうか。
オランダへの移住は子どもの語学の問題もありますが、当然、親の語学の問題もあるわけです。ここは意外と盲点というか、あまり考えられていない問題です。
もちろん前述したように、仕事面だけを考えるなら、そして子どもがインターナショナルスクールに通うなら、オランダ語の問題はないかもしれません。
自分の場合は、奇跡的に(というか出来ないくせに、今まで日本の受験経験で培ったテスト適応能力だけで)オランダ語のテストにパスしてしまい、少し進んだレベルに上がったため逆に大苦労して、特例でまた前のレベルに戻してもらう、という意味不明なことをやっています。
ということで、今回はオランダ移住のリアルを少しお伝えしてみました。海外移住は決して良いことばかりではありません。中途半端な気持ちや、あまり固まっていない移住プラン、そしてお子さんのことを適当に考えていると、結構痛い目に会うかもしれません。
もっとも自分のオランダ語レベルも、毎日のように4歳児に「だから前にも教えたでしょ!それは『ぬぐるみ!』」と言われるレベルですが。。。
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