子育てに焦りは禁物!? 「良い大人」にするには「子どもを残す」とは?
日本では受験シーズンですね。チラホラと合否の結果も聞こえてくる時期になりました。
「あの中学に行きたい!」とか、「希望大学に入りたい!」という気持ちもよく分かるし、日本だと受験はとても大事な、それこそ人生を決めるような一大事ではないか?と思えなくもないですよね。
でも、今の時代は、その目先のことと同じくらいに、いやそれ以上に重要なのは、「その先どうしたいのか?」とか、「どんな仕事がしたいのか?」「どんな大人になりたいのか?」というところで、そこが、あまり考えられていない気がします。もちろん、そこを考えるのは大変だとは思うのですが…。
というのは、もうとっくに、「良い大学を卒業さえすれば、良い会社に入れる。そしたら人生大成功!で良い大人になれる」という時代ではないと思うからです。というか、むしろ逆にそんな時代は戦後のわずか数十年だけだったのではないでしょうか?
では、今の時代、「良い大人」になるには何が必要なのでしょうか?
■良い大人とは?
確かに子育てをしていると、つい「良い学校に行かせたい!」「良い会社に行かせたい!」という気持ちも湧いてくるかと思います。
もちろん、それは自然なことだと思うのですが、果して今の時代の「良い学校とは?」あるいは「良い会社とは?」一体、なんなんでしょうか?
この点をあまり突き詰めない(分からない)から、とりあえず偏差値が高い学校を目指したり、評判(←曖昧)の良い会社にみんなが殺到したりするのかな?と思います。
「良い大人」になるためには、何が必要なのでしょうか?
すでにいたるところで言われていますが、個人としては「創造力」だと思っています。広い意味で、これからの大人は全員「クリエイター」である必要があるのではないか?と思います。
今後の未知の時代や社会で、今までになかった方法で、今までに解決できなかった問題を解決する能力。こんなことができる能力が必要だと思うのです。
ここでは、これをクリエイターと定義しましたが、今、自分の周りで社会で活躍してる大人、イキイキと生活を楽しんでいる大人は、みんな「クリエイター」です。投資家のクリエイター、鞄屋さんのクリエイター、農家のクリエイター、大学教授のクリエイター、パン屋のクリエイター…。
みなさんの周りで活躍してる「良い大人」もクリエイターではありませんか?
■良い大人には、子どもが残ってる?
さて、ここで京都大学名誉教授の河合隼雄さんの『大人になることのむずかしさ』(2014 岩波書店)にある一節を紹介します。
<イマジネーションは創造の源泉であるが、それは子どもっぽいこととして価値をおかない人もいる。しかし、その「子どもっぽいこと」こそが創造の源泉となるのである。>
創造力の源泉である「子どもっぽいこと」がクリエイティブの源、つまり僕の言う「良い大人」の源であるというのです。
さらに
<真の大人というものは、そのなかに子どもっぽさを残している人だ、というふうにはいえないだろうか。ここにいう子どもとは、世の中のことをすべて決まりきったこととは考えずに、あらゆることに疑問をもち、イマジネーションをはたらかせる存在だということである。>
だから、
<大人になることは、子ども性を全く放棄することではなく、むしろ、子どもをうまく大人のなかに残してゆくことが、真の大人になる道である>
どうでしょう? こう言われると、(ママさんは)ちょっと楽になりませんか?
僕はこれを、偏差値の高い学校に行くことが必ずしも「良い大人」になることではない、と解釈しています。
そして、本書では最後にこう書かれています。
<大人のなかの子どもは実に貴重な存在であるにもかかわらず、現在の教育においては、子どもたちを早く大人にしようと焦りすぎていないかを反省するべきである。子どもからイマジネーションや遊びを取りあげ、大人の知識をできるだけ早く、たくさん、子どもに押しつけようとしてはないだろうか。そのことによって、かえってわれわれは、本当の大人をつくるのに失敗しているのである。>
ということで、たとえ、希望校に入れなくても全く気にする必要はないのです。
ママさんは、「良い学校」のことなんか気にせずに、のびのびと子どもならではの創造力を伸ばし続けられる環境を作ってあげてください。
というか、結局、親がこんな考え方をしていたら、子どもはのびのびできるかな?とも思います。
そういえば、僕の周りで活躍している大人って、スゲー子どもですもんね。笑。
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