8436685726_42e741b3fc_bオランダに移住して、早1か月が経過しました。

生活環境のセットアップが出来ておらず、まだまだ観光モードでしょうか。

そんな中、長男の学校通いだけは続いており(先日まで、2週間の5月休みでしたが)、早くも家族で一番オランダ語ができる人間になっています。

耳学習の凄さというか、子どもの順応性の高さというか、もし語学(だけではないが)をやるなら、小さいうちから海外に行ったら手っ取り早い、というのは本当だな、と実感しつつあります。

特にうちの場合、オランダ語なので、基本的に予備知識0からのスタートですから、本当にびっくりです。

おそらく、学校の受け入れ体制というか、受け入れスキル、語学学習のスキルも相当高いものと思われます。

その一方で、先週から日本語の補習校にも通い始めました。そこで、逆にカルチャーショック的なことを受けました。

 

■日本語の補習校にカルチャーショック?

日本語の補習校というのは、海外で暮らす子女が、仮に日本に戻っても日本の学校にすぐに転入できたり、それこそ受験ができるようにする、という目的で、あくまでも日本式の授業を補助的に日本語で行う学校です。おそらく、世界の多くの国にあるのではないかと思います。

通常現地の日本人学校が1週間かけて行なうところを、週1土曜日のみでカバーするので結構な勉強量になりますし、宿題もかなり多いようです。

我が家の場合は、日本の学校への転入は今の所、考えていないので転入対策というより、あくまでも日本人が受ける教育を受けておきたい、という観点から体験してみることにしました。

小学校1年生に上がるタイミングで、オランダに来てしまっているので、いわゆる日本式の教育や学校に通ったことがない長男、そして我々、両親。

この補習校に来て、初めて日本式の学校というものに触れることになり、いきなりカルチャーショックを受けました。

考えてみれば、自分が受けてきた学校教育そのものでもあるのですが、簡単に言ってしまうと、オランダ教育のゆるさ、というか、合理的な感じ、オープンな雰囲気と全く正反対のような感じを受けました。

もっとも、これはまだ、日本の学校の雰囲気に我々が慣れていないから、というのも大きいと思います。というのも、オランダの学校の環境の良さに一気に慣れてしまったのと、先にも書いたように、日本の学校の雰囲気に触れたことがなかったので、規則正しくキチッとしすぎているように感じる学校の雰囲気に、簡単なカルチャーショックを覚えてしまいました。

 

■常識は一つではない?

確かにカルチャーショックではあったのですが、でも、これ個人的には悪いことだとは思いませんでした。(長男が適応できるかどうか?は別ですが)

なぜなら、自分はもちろん子どもの時から、そうした日本の教育をあたり前のように受けてきており、そのおかげか?一応、なんとか人並みに仕事もして、社会人としてはいろいろな経験もでき、最近では多少色褪せてきているものの、アジアに出れば、「Made in Japan」は最高だと言われ、「日本人は信用できる」と言われ、日本人であるだけで、他の国では受けることの無いだろう、リスペクトを受けることができるのです。

これはやっぱり、今までの日本人が仕事を通じて頑張ってきた証でもあり、同じようにきちんとした教育を受けて世界で活躍してきた結果でもあると思うからです。

かといって、今の日本の教育や社会がいいか?となると別問題だとは思います。さらに、どんな国にも、いろんな問題があると思うので、ここで言いたいことは、一概に日本がいい、オランダがいい、という問題ではないということです。

ただ世界から見た時の、教育の違いというか、学校運営の仕方の違いは確かに感じました。

その違いは、一言で言うと「多様性への順応性の違い」かも?と思ったのです。一般的には単一民族で島国で、同じ言葉を喋る国民に向けての教育は得意だけど、人種も国籍も母国語も宗教も違う人たちに向けての教育としては、あってないのかな?と感じました。

で、海外に出ると、語学がどうの、その国の教育がどうの、という前にこうした「違い」を感じることが出来るのが一番良い点では?と思ったのです。

やっぱり、日本にいたら、日本の教育が全てだと感じますよね。自分が子どもの頃は完全にそうでした。もちろん最近は、グローバル化していますから、昔よりも簡単に海外の情報にもアクセスできるようになっています。日本に居ながら、世界の教育を受けたり、調べたりもできるので、ちょっと変わってきているとは思いますが……。

 

とにかく、世界(の教育)にはいろんな常識があって、日本の常識は世界では必ずしも常識ではなく、また逆も然り、といったことでしょう。

繰り返しますが、別にどっちが良いとか、悪いとかの問題ではなく、世界にはいろんな常識があることを知ることが大切だと思った次第です。そして、今の子どもが大人になった時には、そうした世界の様々な常識と巡り合って、友達になって、仕事して……という時代になるんでしょうね。

今やオランダ語が家族で一番できない人間としては、ひたすら日本の常識で押し通そうかとも思っていますが。。。

Lillian Vasquez