我が家が2016年にオランダに移住した理由は、「子育て」が主な理由なのですが、これ、裏を返せば、「生き方」とか「仕事」とか「働き方」とも考えらえれます。

あたり前ですが、「子育て」を理由に移住する際には、当然、「仕事はどうするのか?」「生活はどうするのか?」といったことが当然ついて来ます。そして、これは、日々の生活をしていく上で、「何を重視するのか?」「どういった生き方をしたいのか?」ということに結びつきます。

ですから、大げさではなく我が家では、10年近く(結婚当初から)ずっと色々と考えてきました。側から見ると、「抜群の行動力があって、パッと決断して、サッと移住した」と思われがちですが、決してそんなことではないのです。

で、前置きが長くなりましたが、我々が移住したオランダに昨年、視察にきてくれたのが『一般財団法人1 more Baby応援団』。「もうひとり、こどもが欲しい」という全国のパパママを応援するために、様々な活動を行なっています。

そこで「子どもが世界一幸せな国」と言われているオランダに、その秘密を探りに来てもらったのですが、今回、その視察内容をまとめた本が出版されることになりました。

 

■オランダは「しなやかな」国

さっそく冒頭から少し引用してみます。

<「世界一子どもが幸せな国」と言われる国があります。それは西ヨーロッパ、北海に面する人口約1700万人のオランダです。でも、いったいなぜ、オランダの子どもたちは幸せなのでしょうか。-<略>-そこで、私たちは実際にオランダへと出向き、政府、自治体、大学教授、保育所、小学校、一般家庭など、さまざまな立場の方々の意見や生活スタイルを聞くことにしました。その結果、わかったことはオランダの人たちの働き方、生き方には「しなやかさ」があるということです。「しなやかさ」とは、人生のステージに応じた、「働き方」や「生き方」を選択できる柔軟性や寛容性とも言い換えられます。>

ということで、実際の視察から見えた、この「しなやかさ」を具体的に紐解いていくことになるのです。

実際に、自分もこちらで暮らしてみて、働いてみて、この「しなやかさ」を実感する場面は非常に多いです。柔軟性があり、それでいてタフであり、そして何よりも自由である感じ。これは「働き方」でもそうですし、「子育て」の場面においてもそうです。さらに言うと、今、語学学校(正確には面談を終えたところで、これから入学)や大学院(正確には、アムステルダム応用科学大学「Hogeschool van Amsterdam / Amsterdam University of applied science」の派生機関で、リサーチ&デザインラボ)などに通っていますが、そのスタイルや運営、さらには選択の幅と言う意味でも「教育」においてさえも感じます。

こうしたところが、「住みやすさ」や「働きやすさ」、さらに言うと、「子どもの育てやすさ」なんかに直結している感じがしています。

 

■とにかく「よく話し合う」

本書にも書かれていますが、だからと言って、オランダもずーっと「しなやか」だったか?と言うと、決してそんなことはありません。だからこそ、日本にとっても、参考になる部分が大いにあると思うのですが、オランダが今の状態になったのも1980年代前半のオランダ病をきっかけにした、ワッセナー合意などが行われてから30年以上かかっているのです。さらに、我々が視察で得たオランダ(の実態)が、必ずしも一つの答えか?と言うと、そうでもない気がします。

ですから、オランダも今の状態を簡単に一朝一夕で成し遂げたわけではないのです。この辺りも、今回ヒアリングした人の中からも多くを聞くことができました。(詳しくは本書をご参照ください)

この視察で、1 more Baby応援団の理事を務める明治大学政治経済学部教授で明治大学付属明治高等学校・中学校の校長先生でもある安蔵先生、産婦人科専門医で医学博士でもある宋先生ともご一緒させてもらいましたが、本書のコラムの中で、安蔵先生はこんなことを書かれています。

<オランダ訪問を思い返してみると、何がオランダの特徴なのか、オランダはどのような社会で、何を目指しているのかといったことを与えられた紙幅に収めることは、とても難しいことに気づきます。すべてのことについて答えが一つではないのです。オランダでは、個々人の選択や行動、考え方が尊重されるため、自らが学び、自らが意思決定していく必要があります。>

そして、この後に「子どもの学校選びでさえも、親や先生が子どもの適正や個性に合わせて、時間をかけて繰り返し、『よく話し合いながら』、学校を決めていくのです。」と言う趣旨のことが続きます。

実際に、我が家も来期から、いよいよイエナプランの学校に移るのですが、昨年から、それはそれは丁寧な面接や、従前通っている学校との情報交換が行われており、入学前から、子ども一人が一人が、かなり手厚く扱われることを実感していました。

さらに、安蔵先生のコラムでは、学校の教育手法、進め方でさえ多様であり、クラスのあり方もまた多様である、という視察から得た内容が綴られます。そして、これらのポイントになるのが

<「よく話し合いながら」決める>

と指摘されています。つまり、オランダ流の「しなやか」な社会を作ってきた原点は、この「よく話し合いながら」決めることではないか?と書かれています。

これは「働き方」でも全く同じです。ともかく、社員と経営者、社員同士など話し合いの場をたくさん持ちながら、色々なことを解決して、よりよりモデルを作っていくスタイルなのです。

 

ということで、30箇所くらいを視察して書かれたオランダの今の「働き方」や、今に至るまでの過程を知ることができ、かつ日本での働き方改革、いや、自分自身の働き方改革のヒントが詰まった報告書になっております。(もちろん、「子どもをもうひとり」のためにです)

自分自身も、日本時代は「24時間働けますか」(←古っ!)を、まさに文字通り行なっていた働き方から、(あくまでも個人で。もちろん会社の方針ではないですよ!念のため。汗)今やすっかり18時に帰るオランダ流ワーキングスタイルに変更しています。

つまり、子どもの教育のための移住が、自分自身の働き方、生き方、考え方を変える、きっかけにもなったんですね。

ちなみに、正確に言うと「18時に帰る」ではなく「18時には家族で食事を摂る」と言うことですから、会社は16時過ぎには出る、遅くとも17時には出る、と言う意味です。こちらの帰宅ラッシュは16時から始まるんですから。笑。

ということで、皆さんも「18時に帰る」いかかでしょうか?ただいま予約受付中です!

Frans Berkelaar

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