痛いときは大袈裟に!? 移住の際には気になるオランダの病院事情
おそらく、虫刺されだと思うのですが、そこからウィルスが入ったのか? 手が通常の3倍くらいに腫れました。週末ということもあり、救急病院に連絡したところ、結果的には感染症の疑いがあり、ということで即入院になりました。
実は、前日の金曜日に、一度ハウスドクターに見てもらってはいたのです。ハウスドクターというのは、いわゆる、よろずどころ、とでもいうのでしょうか。オランダの場合、各自が任意の民間の保険に入るのですが、それと同時に、いわゆるかかりつけ医に登録をします。その登録したかかりつけ医に、とにかく何かがあった場合は、真っ先に連絡して見てもらうことになります。火傷から、骨折から、風邪から、なんでもまずはハウスドクターに見てもらいます。その後、必要に応じて専門医や大学病院などに行くことになっています。
で、木曜日に虫に刺された(と3歳児は言っているのですが)手の甲が、かなり腫れてきたので金曜日に、ハウスドクターに行ったのです。そこでは、「なんとも言えない」という診断?で、「この場で、切って中の膿を出すこともできるし、薬が必要なら薬を出すこともできるので、判断して欲しい」と言われました。もちろん、「えっ、親が判断するの?」と思ったりもしましたが、まあ、これがオランダスタイルです。当然、素人なので判断できるわけがないのですが、とりあえず様子を見ることにしました。
というのも、本人は腫れがひどいから、「グーにできない」というだけで、痛くも痒くもないと言うのです。
ところが、翌土曜日になっても腫れがひかない、どころか、ますます大きくなってきます。さすがに、これはヤバイな、と思ってすぐに救急病院に連絡したのです。
■頼れる医療制度?
症状が、かなりひどいので「一刻も早く見て欲しい」という気持ちを救急病院に強く伝えたところ、すぐにアポを取ってくれたので、外出先からそのまま病院に向かいました。
緊急病院で、週末ということもあり、かなり混んでおり&看護師からの連絡ミスもあり、非常に長く待たされたのですが、全般的には迅速な対応をしてくれて(&初めの血液検査などの時点で感染症の疑いがあり)、即入院が決定。病室は小児病棟で広い個室が用意されていました。(感染症の疑いがあるため)
専門の、かなり頼れそうなベテラン先生の指示で、即、抗生剤の点滴が始められました。
手の腫れは、その時点ですでに通常の3倍くらいになり赤く腫れ上がっていましたが、点滴の効果が翌日曜の午後あたりから効果が出て、見る見る症状が治っていきました。
オランダの病院体制としては、このようにヤバイ!となった場合は、かなり迅速で適切な処置が行われるようで、実際に、ヨーロッパ内ではもっとも医療制度のレベルが高い、というレポートもあります。
また、ユトレヒトにあるユトレヒト大学は医療分野でもかなり突出しており、医学分野でのノーベル賞受賞者も複数輩出している名門です。(日本からも医療の研修などでユトレヒト大学にいらしている方もおります)
なので、総合的には医療体制は安心できる、と思えます。
■ホームドクターは良い面も悪い面もある
ただし、、、。先のホームドクターの対応もかなり頼りないものでしたし、だいたい、その日は我が家担当のホームドクターはお休みで、実際の診察は別の先生でした。(というか、そもそもここ1年半の間に数回、ホームドクターに行っていますが、タイミング悪く?一回も担当の先生に診察してもらったことはないです)
さらに、ほとんど薬も出ませんし(これについては、日本が薬の消費量が世界でも突出しているというレポートもありますが)インフルエンザでも、寝てれば治りますという感じです。
我が家は、日本にいた時から、ほとんど薬に頼らない生活をしていたので、そこまで対応に苦慮してはいませんが、普通の日本人だと、かなり頼りなく感じることもあるかと思います。
以前、子どもが「水疱瘡」になり、ハウスドクターに行った際も、散々診察をされた結果、こちらから「水疱瘡じゃないでしょうか?」と聞いたところ、「そうね!あなたの言う通りかもしれないわ!」と言われたり。。。(その時も、担当の先生はいなかったw)
先々週末は、自分が急にお腹が痛くなって寝れないほどでした。ネットで散々、調べたところ「急性膵炎」ではないか?と言うことで、夜中に緊急病院に連絡したところ、「ネットで調べて怖くなったの?」「そうだねえ、それは膵炎じゃなくて、(ただの)胃炎だと思うよ」「で、結局、どうして欲しいの?」と電話で聞かれました。こっちは痛くて痛くてたまらなくて、救急病院に行って診察してもらいたいので連絡しているにも関わらず、「どうしたいの?」と言われて、急に力が抜けて笑ってしまい、お腹が痛いまま、2日間ほど寝込んで治った、という経験をしていました。
まあ、オランダの医療は全体的にこんな感じでもあります。
なので、ホームドクターには一度も会ってませんし、かなりユルユルな感じですが、一応、かかりつけ医がいる(しかも、かなり良い先生だった印象)安心感?と総合病院のいざという時の、対応能力はあるのかな?とも思います。
■病院自体はかなり良い印象
今回の場合、次男は痛くも痒くもないものの、両手が使えず(腫れていない方の手に点滴を入れているので)元気なのに、感染症かもしれないので、病室からも出れず、という(付き添いをしないといけない親にとって)かなり辛い状況でしてw、幸いかなり早く回復傾向に向かっており、明日には退院できるかな?という状況ですが、病院自体は、特に小児病棟ということもあり、プレイルームも充実しており、病院の雰囲気も、そのまま幼稚園です、と言ってもいいような明るく楽しげな雰囲気です。
総合病院ですが、おしゃれなカフェもあるし、オランダらしいホスピタリティに溢れており、看護婦さんも、みんな明るく良い人で、また人種も多種多様で、オランダ社会の縮図のようで非常に良い印象です。
ただ、唯一の残念、というかびっくりしたのは病院食です。
ランチはフレンチフライと、オランダのコロッケと、ジューズ。ディナーは、肉と芋とあま〜いデザートと、ジュースとか、オムレツと芋とジュースとか。まあ、こちらも完璧なるダッチスタイルです。毎食出るあま〜いジュースやデザートは、普段、そういったものをあまり食べない次男も、さすがに「もういらない」と言うレベル。
もちろん、ホームドクターを含む、すべての病院、ドクターや看護婦さんなどによって、印象も対応も全然違うと思うので、今回の経験だけで一般化して「オランダの医療は…」と言うのは難しいとは思うのですが、今までに取材などで訪れたことのある、産婦人科や、大学病院、研究所や、ドクターの人たちとの付き合いなども含めて、できるだけ一般的に言えるような印象を書いているつもりです。
もちろん、オランダ在住の日本人の中には日本の医療の方がずっと進んでいる、という印象を持っている人もいますので、一概にどっちが良いとか、悪いとかは言えません。が、もしオランダへの移住などを考えていて、特に子どもさんの病院事情などを知りたい方がいましたら、ご参考まで、と思って書きました。
個人的にはホームドクターの診察が毎回、玉虫色なのには慣れたんですが、今回の一番の衝撃は、やっぱり病院食でした。もし日本の医療食などのご専門の方がいましたら、かなりのビジネスチャンスになるのではないか?と思います。ぜひ、ご連絡くださいW
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