我が家の長男、同じクラスに友達がいないことを心配されて(それだけではないが)クラスを変えてもらい、同い年や年上の子がいるクラスに編入させてもらいました。結果的に進級もしてしまいました。

(これについては前々回前回のエントリー参照ください)

で、親としては学校の対応に感謝すると共に、ちょっとホッとしていました。

ところが…実は、どうもそう簡単に事態が好転したわけではなく、相変わらず長男は友達ができたわけではなかったのです。

「今日はクラスの子とは誰とも喋ってないよ」「休み時間は暇だから、今日はトイレに7回行った」とか、「一人で校庭で走っている」とかとか。それって、「ちょっとかわいそうな感じじゃない?」と思うような発言のオンパレード。

もっとも本人は、「それが普通」とでもいう感じ。こちらの心配もどこ吹く風で、あっけらかんとしています。

 

■本人より親が心配

特にいじめられている様子もなく、実際、学校には行きたいらしく、親としてはちょっと理解不能な長男。実際、もともとかなりシャイではあり、自分から人に声をかけて友達になるタイプではない上に、まだオランダ語のハンデも少しあります。

まあ、今までの本人を見てきて、そういうことも分からないではない。ちなみに、親である自分は今でこそ友達も少ないし、人見知りではあるものの、子どもの頃は一応社交的というか、学校のクラス中の子が友達で(と一応、本人は思っていた)楽しくて楽しくてしょうがなかった思い出があります。

それに比べると、なんだ、この長男の身の置き様は…。これで大丈夫なのか? やっぱり語学の問題か? 日本人だからか…?などなどとも思うものの、本人的には普通。というか我々、親の隠しきれない心配がうざい模様。

やっぱり異国だからという心配がどうしても先に立って「パパの子どもの時には、こんなことなかったんだけど…」とつい言ってしまいそうになるものの(もしかしたら、知らずに伝わっているかもしれないが)グッとこらえて様子を見よう、という状態です。

 

■「小学校の友人なんてクソみたいなもの?」

親はついつい、自分の子どもは自分と同じような学校生活を送るものが当然と思ったり、送って欲しいと思うのではないでしょうか。心配なので、とか、できるだけ良い思いをさせてあげたい、という思いから、(親である)自分がしたのと同じ思いをさせたげたい、という気持ちを持つのではないか?と思います。

でも、そもそも当たり前ですが、親と子どもは人格も違います。小さい頃はともかく、子どもは親の思い通りにはなりません。実際は、親が何をしようと自分で気づいて、考えて、自分で自分の道を進んでいかなければならないのです。ま、当たり前ですよね。

こんな当たり前のことを、「異国にいる」ということから、ちょっと忘れていました。

で、それを気づかせてくれたのが、前の会社の同期で、現ネットニュース編集者の奇才、中川淳一郎の昨日公開になったコラム。(『“小中学校の友人”なんてクソみたいなもの』/PREDISDENT ONLINE)ということで、さっそく引用します。

<ここで強調したいのは「長い人生のなかで、大して重要ではない小中学校の人間関係など、クソみたいなもの。そう思って、軽く扱っても何ら問題ない」という事実だ。それを、子どもたちにちゃんと教えてあげてもよいのではなかろうか。もちろん、学校で良好な人間関係を築いているのであれば、それはそれで素晴らしい。でも、学校内での人間関係が人生のすべてではないし、未来に絶望する必要もない、という点だけは子どもにきちんと伝えるべきである。>

オランダという異国にいるからとか、語学の心配があるから、とかいうこともあって、「友達ができない子どもの親」」として当事者になってしまうと、すっかり中川の指摘を忘れてました。

そうだよな、と。小学校は子どもの人生の全てではないのです。

で、不思議なもので、親がこれを読んで気持ちが楽になって、そういう態度で子どもに接すると、「何にも問題ないじゃん」という気になり、実際、子どもも(そもそも本人は問題と思っていなかったわけだし)全く問題ない、という感じになるのです。

 

ということで、今回はタイムリーな中川淳一郎の記事に救われたわけです。なのでもし、この記事を知らない「いじめられっ子」とか「友達のできない子」の親御さんがいたら、ぜひ読んでみてください。

ちなみに中川淳一郎、ネット上では、すぐ「うんち」とか「クソ」とかを連発するし(タイトルにも引用箇所にもありますよね?)キモオヤジみたいな見た目をウリにしてますが、リアルな本人は非常に腰の低い、いい奴です、とバラしておきます。

しかし、奴からは全く「子ども」感は漂ってきませんが、それがかえって冷静に見てていいんだろうなあ、と。

ま、しばらく気楽に気長に見守ってみます。というか、そもそも本人が全く問題に思っていないので、親が一人気を揉んでいるだけっぽいんですが。。。