今週はオランダの学校は絶賛秋休み中。(もしかして、地域により多少のズレがあるかも)ということで、我が家も近所にプチ旅行中です。夏休み明けから続いていた日々のルーティンもちょっと休憩です。

そんな時期ですが、ちょうどこの休みに入る前に、日本イエナプラン協会に所属する3名もの方が、わざわざユトレヒトに訪ねてきてくださいました。

久保さん、服部さん、原田さん。日本では学校の先生をされていたみなさん。イエナプラン協会の研修のため、何と3ヶ月もの間、オランダ各地のイエナプラン校で実習などの研修をされているのです。

この研修に参加されるために、中には勤務していた学校を辞めてまでいらした方もいるようです。実は、自分もおよそ2年前にこちらの協会が東京で主催してくれたイエナプランを学ぶ3日間のセミナーに、もうそれこそ、全てを吸収する勢いで参加させてもらったのを今でも覚えています。

あれから早いもので、もう2年。長男は今年の9月から、実際にイエナプラン校に通っているので、振り返ると、ちょっと感慨深いものです。

 

■学校によって全然違う

さて、今回の参加されたみなさんは現在、いくつかの学校に別れて研修に参加されているようで、口々に「学校や学年、そして先生によって全然違う」と言われていました。

久保さんは、以前にもオランダのイエナプランの研修にも参加されたことがあるので、良い点、悪い点、共に、以前との違いも確認できるので、複数の学校を見ることで余計、その違いが分かると話されていました。

実際、自分も移住に際して、かなり多くの学校を見ました。中には、モンテッソーリやダルトンなどの学校も見たのですが、やっぱり同じイエナプラン校でも学校によって全然違う、という印象を持ちました。なので、全てのイエナプラン校が良い!というわけではないことも、ハッキリ認識しました。実際に足を運んで自分で見に行くことが大切だな、と思うのです。

というのも、例えばうちの長男の学校は、ユトレヒト市35校中の唯一の公立のイエナプラン校ですが、実はストイックなイエナプラン校でもなく、体育や音楽、アートを取り入れたり、ICTを取り入れたり、かなり独自に進化しています。というか進化させようとしてます。(校長先生が、シンガポールにICTの研修に1年間行ったり)

もしかしたら、厳密なイエナプランではないプログラムも含まれているかもしれません。

一方、以前見学したイエナプラン校の中には、「ここはちょっと入れたくないなあ。。。」と思うところもありました。なので、別にイエナプランが絶対ではない、というのが個人の印象なのです。この辺りは、今回の研修に参加された先生たちも同じような印象を持たれたようです。

オランダの学校では、全体として良いものはどんどん取り入れる傾向があるように思います。モンテッソーリでも、ダルトンでも、シュタイナーでも、互いに良いところをどんどん取り入れている感じがします。こういうところはちょっとオランダっぽいかもしれません。

ということもあり、個人的にイエナプランはもちろん良いとは思うけど、もっといいのがあれば、どんどん変えてもいいではないか?というのがあります。実際、オランダでだって、それほどメジャーな教育方法でもないですし。

前述した通り、今回の研修に参加している3人の先生たちも話されていましたが、やっぱり学校による違いは大きく、つまるところ先生による違いが大きいということでした。

こう考えると、やっぱり実際に足を運んで見ることが非常に大事になります。実際の物や事に触れて、自分で感じて考える。そもそもこういうことを大事にするのもイエナプラン的な考え方かもしれません。先生たちとは「やっぱり親自身がイエナプラン的であるかどうかが大事ですよね〜」という話でも盛り上がりました。笑。

ちなみに完全に余談ですが、こういう理由から「あなたのお子さんが通っている学校にうちの子どもも通わせたいので、教えてください」とか、来たこともないのに「同じ学校に入れたいです」とかいう見ず知らずの人からの連絡は基本的に全てお断りしてます。(しかも、すごく多い)

 

■イエナプランっていうか、結局、学校で大事なのは何か?

で、話を戻すと、うちの長男が通う学校では、とにかく「子どもが楽しいのが一番大事」というのが徹底してます。校長先生は「大人になった時に、余暇が楽しくないと可哀想でしょう?だから音楽とか、アートとか、スポーツとかもやっている」とも言ってました。

だから、先生も子どもと一緒に遊びます。(しかもかなり本気で)日本では、先生だとつい「子どもに舐められないように」とか、「子どもを管理する」という発想が生まれてしまうという話を聞きましたが、オランダでは、というかうちの学校では、そういう先生はいないような気がします。(あくまでも個人主観)

以前、長男の通うイエナプラン校の校長先生に言われたのは「先生は(勉強を)教える人ではない」と。先生はあくまで、「子どもがやりたいことや好きなことを見つけるのを、助ける人」「実際にやるのは子ども本人、ということで教える人ではないのです。」と。子どもと一緒に遊んで、子どもが自分で楽しいことを見つけるのを助けてあげる人、のようです。

こういうことも含めて、決して比べることには意味はないのですが、「日本はどうかな〜なんて、つい思ってしまう」と今回来てくれた、みなさんとも話していました。

しかし、日本でもかなり一生懸命活動されている先生がいて、近々、イエナプランの学校や、そのほかにも面白そうな学校が増えて行きそうなニュースを耳にします。それぞれの子どもに合った、いろいろな学校ができてくると面白いですよね。

今回のイエナプランの研修にも、結構多くの先生たちが参加されているようですので、そんな先生たちの今後の活躍が楽しみでもあります。

 

ということで、こちらに住んでいて感じるのは「イエナプラン」とか、「モンテッソーリ」とか、「ダルトン」とか、「ピースフルスクール」とかの名前にこだわるのはナンセンスだということ。改めて学校で大事にしたいことはなんなのか? どういう生き方をしたいのか? なんてことに繋がるなあと思ったりしました。

皮肉にも、今回イエナプランの研修で来てくれた3名の先生たちと話していて、余計にそれが確信できた感じがします。多分、先生たちもリアルなイエナプラン、オランダを見たことで、そう感じているのではないかな〜と思ったりしました。

(一応)保育士としては、小学校、中学校の先生たちの、オランダのリアルイエナプランの感想がとっても勉強になりました。

久保さん、服部さん、原田さん、ありがとうございました!