さて、前回のエントリー(「オランダのママはなぜ幸せなのか?小学校入学準備で分かった1つのこと」)でも書いたように次男の慣らし保育(体験入学)が始まっています。

小さな背中に大きなリュック(12歳の卒業まで使えるようにランドセルならぬ、大きなリュックを買った)を背負って通っています。といっても中身はバナナ一本とかきゅうり一本ですが。

体験入学は全部で4回。だいたい週1で通うイメージです。ただ、次男は初回の時に、病気になり欠席しました。(「もしかしたら行きたくない病」だったかもしれませんが…)欠席の連絡をしたところところ、先生からは「明日来れたら来てもいいよ」との連絡が。

ということで、「もしかしたら行きたくない病」の抵抗虚しく(そして実際、翌日にはケロっと治っていた)翌日、学校に初めての登校することになったのです。

 

■周りの友達の受け入れ態勢バッチリ

さて翌日、やっぱり朝は「行かない」と少しぐずったものの、「パパと一緒に行って、すぐに帰ってこよう」「まだ本調子ではないので、30分で帰りますって言ってあげるから」などと話して、「ちょっと顔だけ出して帰ってこよう」と決めて、しぶしぶ学校へ向かうことに。

半分イヤイヤ、半分ドキドキで、お兄ちゃんと一緒に初めての登校をすることになりました。(と言っても、次男は自転車の荷台に乗っているだけですが)

お兄ちゃんは、当然ですがもうすっかり慣れたもので、学校につくとさっさと一人で「バイバイ!」と言って自分の教室へ。

残された次男は、自分の教室へビビりながら向かいました。

さて、次男の教室に向かうと、みんなが保護者と一緒になってサークル状に並べた椅子に座っています。実際に始業するまで、およそ15分ほど、子どもと親が、その場で一緒になって始業まで、雰囲気に慣れたり心の準備をする時間です。

小学校へ入学、と言っても4、5歳クラス(うちのイエナプラン校は2学年が一緒のクラス)は、まあ幼稚園のようなもの。

次男が教室に入って行くと、親も子どもも、みんな次男の名前を呼びかけて話かけに来てくれます。おそらく、「昨日来れなかった」と言うこともあり、みんなが待ちわびていた、と言うウェルカムな雰囲気で迎え入れられました。

そして親である自分も、他の保護者から話かけられます。(これがもちろんオランダ語)残念ながらまだほとんどオランダ語ができないので、最初の二言、三言話して、「すいません。英語でいいっすか?」となってしまう訳ですが…。(でも、ここでオランダ語で話ができることが、非常に大事です。親密度が一気に増すからです。)

クラスの子どもたちは、みんな嬉しそうに次男のことを迎え入れてくれます。このクラスには4、5歳の子が入る最初のクラスです。ですから、ここにいる子は誰しも初めは、こうやってみんなに温かく迎え入れられたのでしょう。先生が、まだ何も言っていないのに、みんなが受け入れてくれる態勢になっていることにびっくりしました。

日本だと入学やクラス替えの時にある、最初の、まだみんなが馴染まない、あのちょっとよそよそしい、ソワソワしたぎこちない感じ。あれが全くないのが印象的でした。

ある程度、できているクラスに途中から入って行くのはどうなるのかな?とも思っていたのですが、これは非常にすんなり、むしろ歓迎されて入って行けるのは良かったなあと感じました。

■予想外の展開にも「メンター」がいる心強さ

さて、親がこのような印象を受けているものの、主役の次男は、そこまで余裕はありません。ぎこちなく緊張で固まったまま、誰とも目を合わせず、一言も発せず(かなりのシャイ)こわばった表情のまま、自分と一緒にサークル状に並べられた席に座っていました。

そして15分くらいの時間が経過し、親が帰るタイミングに。

登校した時に、先生には「まだ本調子ではないので、今日は30分くらいで帰ります」と伝えましたが、せっかくなのでもう少し一緒に居ようと思って、自分も一緒に座ったままでいました。他の親はみんな帰って、さあ、いよいよ授業の始まりです。

もちろん授業と言っても4,5歳児のクラスなので、実際には授業がある訳ではなく、日本的には幼稚園のような感じなのですが、それでもサークルに座った状態のまま、みんなが先生の質問に挙手をして答えたり、周りの子どもに話を振ったりして、話始めます。この辺は前のエントリーでも触れましたが、全員が人の話を聞ける状態になっているのに非常に驚きました。また、きちんと人前で話ができる(4、5歳なのに)状態にも驚きました。

やがて、そのサークル対話も終了し次のアクティビティーに移るかな?というタイミングに。そこで次男に「じゃあ、そろそろ帰ろうか?」と言って、先生にも「帰ります」というタイミングを図っていたら、先生から「You have to go home」と突然言われました。

あれ?「途中で帰る」って伝わってなかったのかな?と思っているうちに、異変を感じた次男が大泣きを始めました。

先生的には、次のアクティビティがあるし、あんまり英語が得意ではないこともあり、そもそも通常、このタイミングまで親がいることはないし(他の子どもにも影響が与えるし)と、いろいろと焦ったのだと思うのですが、オランダ人らしく、ハッキリ、スバっと言われました。

う〜ん、そう言われたら帰らないとなあ、でも、次男には嘘ついたことになっちゃうなあ…しかも、大泣きしているけど、と思いながらも、泣き叫ぶ次男には後ろ髪を思いっきり引っ張られながらも、ササッと退散することにしました。

そしたら、次男の隣に座っていた女の子が心配そうに、大泣きしている次男のところによってきてくれました。

実はイエナプランでは、生徒はみんな「メンター」と言って、面倒を見てくれたり、相談に乗ってくれるパートナーをクラス内に作ります。(大体はクラス内の年上の子)そして次男のメンターが5歳の、その女の子で、実際に妹がいるらしいのですが、スーパー面倒見がよくて、めちゃくちゃカワイイ女の子でした。もうその子に任せておけば安心、といった感じの子。

心配だったため、帰ったフリをして少しだけ待ってました。数分後、チラッと次男を覗いたところ、さっそく、その子が手を繋いで、先生と一緒に遊んでくれているようだったので、そそくさとその場から退散しました。その時点で、すでに泣いていなかったし。

 

結局、次男はその日は午前中いっぱい学校にいることになりました。一方、こちらは家に帰ったものの、その間、ソワソワと何も手がつかず。

しかし、次男は迎えに行った時に、少し達成感というか、誇らしげな顔で出てきたのでした。(メンターの女の子と先生が一緒に送り出してくれた)

と、このように予想外のなし崩し的に、小学校の体験入学初日が終了しましたが、これを経験したので、本人が2回目からは、ちゃんと行ってくれるようになったのでホッとしてます。

実際、学校は楽しかったようですが(と言っても、おそらく一言も喋ってないっぽい)親が心配している間に、まだ3歳の子どもであっても、できることがドンドン増えているし、やれば出来るんだなあ、と改めて感じました。まさに「かわいい子には旅させろ」ですね。

<If you love your child, send him/her out into the world. >

無駄に英語で書いてみました。(特に意味はありません)