次男がイエナプランの小学校に入学して3週間が経ちました。初めの週は学校に行っても、ほぼ毎朝泣いていたし、ほぼしゃべらなかったようですが徐々に慣れてきて、今週は、まだ多少緊張しているようではありますが、「早く学校に行きたいなあ〜」とか言い出す始末。もう、朝、シクシク泣くことはなくなりました。

これは、親も先生も思っていたよりも早い順応でした。といっても、まだ学校ではほとんど喋らないようですが…。(これは語学の問題もありますが、本人が人見知りが激しい、ということもあります)

さらに家庭においても、最近本人は以前に比べてちょっと強気、というか自信がついてきたように思えます。まあ早い話が、若干、生意気になってきているのです。

 

■実はクラスで人気者?

おそらく欧米の学校では一般的だと思いますが、学校へは基本的に親が毎日、送迎をします。特に次男は、まだ4歳で最初の学年のため、クラスに入って最初の15分、時には30分ほど、子どもと一緒に親もクラスに滞在して、ちょっとした活動を一緒にしたりします。

ノーマルな時は、一緒に本を読んで過ごして、周りの子どもや親同士も交流します。時に、保護者も一緒に、ちょっとした挨拶ゲームのようなことをしたり、コーヒーを飲んで子どもたちの発表や、(長男の学年になると)普段学校で何をやっているのか?といったことを、子どもから説明を受ける時間があったりします。

我が家の兄弟が通う、イエナプランは2学年が同じクラスなのですが、次男は入学したばかりということもあり(オランダでは4歳になったら、順次小学校に入学)クラスでは同学年も含めて、全員がお兄ちゃん、お姉ちゃん。

またそれまで通っていた、いわば幼稚園には、モロッコ、シリア、アフリカをはじめ、フランス、アイルランド、ロシア、インドなどオランダ人以外もかなり多かったのですが、そことは違い、今度の学校では周りは見事に(というか、逆に今時珍しい?)全員オランダ人。中に、ハーフの子が少しいますが(日本人ハーフの子もいます)それでも、基本的にはネイティブのオランダ人。

次男は、なぜか髪の毛も茶色く、パッと見はハーフっぽく見えなくもないのですが、それでもやっぱり、金髪だらけのオランダ人の中に入ると異質なアジア人。小さいのですが、逆にかなり目立ちます。

こういう目立ち方をすると、典型的な日本生まれ日本育ちの自分の経験からすると、いじめの対象になったりもするかな?と思うところですが、なんと、こちらではこれが功を奏するのか保護者からもかなり注目され、(長男の入学時には親である我々も、かなり注目された)なんと次男はクラスメイトからも人気者になっているのです。

ということで、密かに自分に自信をつけていると見受けらる次男が、家ではちょっと生意気になってきている、と思って見ています。

 

■異物を受け入れる国民性?

そもそも最初はずっーと泣いていた次男。だからみんなが気にかけてくれたのか?とも思っていました。まあ、実際は、そうなのだと思いますが、とにかく周りのお兄ちゃん、お姉ちゃんのクラスメイトが優しく、みんな気にかけてくれます。

さらに周りの保護者も、みんな次男のことを気にしてくれて我々に話かけてくれます。

どうもこのクラスは、こういったとっても雰囲気が良いクラスらしく(そもそも、だから敢えて次男をこのクラスに配属してくれたようですが)フレンドリーで、明るくて、コミュニケーション好きで、意外にも気を使ってくれたり、と本当に今のオランダ社会の一番、良い面を感じることができるのです。

毎日のように、いろんな子どもが次男のところに絵を書いて持ってきてくれたり、手紙をくれたりします。(それに対して、次男は(というか母親が)折り紙で鶴や手裏剣を作って持っていったりしてます。こうしたコミュニケーションを通じて、だんだんと仲の良い友達ができてきて、今ではいろんな子の家をお互いに訪ねて遊んでいます。

イエナプランでは、家族的な雰囲気を重視するのですが、一番下の学年ということもあり、まさに学校全体や地域全体で見守られているような雰囲気を感じます。また、子どもにとっては、ちょっと上のお兄ちゃんや、お姉ちゃんが遊んでくれるのが楽しいようで、相当、異学年のクラス割に助けられています。また次男のメンターは面倒見の良い一学年上のお姉ちゃん、さらに一番仲良いお姉ちゃんも、かなり一緒に遊んでくれています。こうした子が同じクラスにいて、自然と学校が楽しくなってきているようです。

また、これは保護者からも感じるのですが我々のような異物というか、外人を全く抵抗もなく受け入れ、むしろ積極的に関わって来る感じは日本とは違うなあと感じます。

今、アムステルダムは世界でもっとも多様性のある都市と言われて、180~190ヶ国の出身者が住んでいると言われています。それもこれも歴史的に「自国が小国である」という自覚の元に、積極的に海外に出て行ったり海外との繋がりを活かすことで、自国を活かす政策や国民性があるからかな?と感じます。

スキポール空港、ロッテルダム港などはヨーロッパの玄関口となっていますし、母国語ではないのに英語が世界一使えることや、会社の設立がしやすいこと、今やインターネットの普及率もヨーロッパ一です。

一方で鎖国をしていた日本は、特に海外(自分と違う人?)に対して独自のメンタリティーが発達したのではないか?と思ったり…。

日本の公立小学校に、日本語もあまり喋れないような外人が一人だけいたら、どんな感じかな?と想像したりすると、オランダでの我々の受け入れられ方は、あり得ない待遇というか受け入れられ方かな?と思うのです。(少なくとも自分が小学生だった30~40年前の日本の現状とは違うなあ、と)

オランダは歴史的に他者を受け入れることに長けているというベースがあるからか、自分と違う人を受け入れることが非常にうまいと感じます。次男や我々がいじめにあうのではなく、積極的に受け入れられているのが、正直、びっくりしました。

 

 

と、とりあえず、なんとか無事にローンチできたような次男の小学校デビューですが、もちろんこの状況は学校によっても違うだろうし、先生やクラスによっても違うかな?と思いますので、オランダが全部こうか?というと、一概にはそうとは言えないと思います。

少なくとも我が家は、このイエナプランの学校で良かったなあと感じていますが。

保護者の参加も重視し、家族的な雰囲気を大事にするイエナプランのスタイルは、出ごとが多くなったりして、時に親の負担にもなるんですが(今日も夜の保護者の集まりに妻が参加)特に子どもが小さい時には、良い面が多い気がします。(そう言えば、平日の今日は長男の作品発表会に夫婦で参加しましたが)

それにしても、面倒見の良いお兄ちゃん、お姉ちゃんが多くいて助かってます。

それに比べると、若干、うちのリアルお兄ちゃんが頼りないのが気になりますが…。笑。

そうそう、そしていよいよ日本にもイエナプランの学校ができますよ。関わっている先生たちが非常に熱心な人が多いので、良い学校になるんではないでしょうか。ご興味ある方はぜひ。