オランダは、例年より少し暖かった秋の前半でしたが、秋休みを迎えた今週、一気に寒くなりまして普通の秋を一瞬で通り過ぎ、いつも通りのイマイチな天気の普通に冬になってます。

気づけばすっかり陽も短くなりまして、朝もなかなか明るくならないし、夜もさっさと夜になります。そういえば、今日からちゃんと冬時間にも戻りました。

そんなオランダですが、ここユトレヒトは今週が秋休み。ちなみにオランダは地域によってお休みに入るタイミングがズレます。秋休みで、こぞって旅行に出かける家族も多いし、一方でアムステルダムダンスイベントとという世界最大の音楽ダンスミュージックフェスがアムスであり、街は世界中からきたダンスミュージック好きで溢れかえり、サッカーのチャンピオンズリーグの開催ウィークだし、アイントホーフェンではダッチデザインウィークだし…と、まあとにかく盛り上がっている秋休み週間です。

そんな中、我が家もちょこっとパリにサッカーを見に行ったりと、プチバケーションでしたが気づくと次男が意外と成長している?と感じることが。

 

■スーパー人見知りの次男

だいたいなんでも早いし、背もデカい、そして何より長男ということで、親からもやや厳しめに育てられている長男と比べると、現在4歳の次男は、もともと言葉が出るのも遅かったり、背も小さかったり、次男なので親からも大甘に、というかかなりいい加減にw育てられています。見た目も、いまだに女の子に間違えられる上に、時にハーフに間違えられるという見た目。

家庭内でも、デカいし、うるさい典型的な小学生バカ男子のお兄ちゃんに比べると、まあ小さいし、見た目も女子みたいだし、まだまだ赤ちゃん扱いされており、うるさいものの、ま、それも大したことなくて、かわいいもの。我々親も二人目に対しては、どうしても甘くなってしまう、というかゆる〜くなってしまうと言う典型的な次男タイプ。

そんな次男は、外に出ると他人とは一切会話をしないし、親の影に隠れて出て行こうとしません。もちろん、挨拶もしないし、お礼もしません。我々親もそういう態度を見て、いつかできるようになるだろうと、放っているものの、いまだに一向に改善の余地もなく。というより、人から、何かしてらっても完璧にスルーしたりするので、さすがに最近「そろそろ挨拶ができるようになろう」とか「ちゃんとお礼が言えるようになろうね」と注意するものの、家の外の場合は、その注意すらスルー(悪いことに、それでも怒られない)という大甘ちゃんです。

ちなみに、お兄ちゃんは挨拶もお礼も、わりときちんと言えるタイプです。

次男は、言葉の出も遅かったんですが、それも0歳から家族でのアジア放浪に付き合わされてたからかな?とか思って、あんまり気にしませんでした。そしたら、2歳くらいになった時から急に喋り始めたんです。多分、言葉の出が早かったお兄ちゃんとは1年近く違いました。

その後、次男はすぐにオランダに移住しました。なので、多分、日本の記憶はほとんどないままに。

オランダでは幼稚園的なところに少し通って、その約1年後の今年の2月に4歳になって小学校生活が始まりました。最初はもちろん、学校を嫌がったし行っても当然、人見知りだし、オランダ語だし、学校では全く喋らない、という期間がつい最近まで、夏休みなどをはさみ、おおよそ半年ほど続きました。

彼の中では、家では日本語、外ではオランダ語という切り替えはあるようですが、なんせ外ではほぼ一言も話さないので、親としては「次男がオランダ語を話す姿」というのは全く見る機会がなかったのです。

ところが、この秋休み中に急に喋り出したのです。

 

■いかに待つか?

もちろん、今までにも、親との会話ではオランダ語の単語はいっぱい出てきましたし、彼がオランダ語を理解している、というのは分かってはいました。

実際、学校もすでにすっかり慣れて「誰々は、今日、学校でこんな絵を書いていた」みたいな、友達の話をいっぱいするようになっているし、今年から始めたサッカーでも、「ボールとって!」とか、「ドリブルしてシュート!」みたいに言われたことも全部分かっている様子。

なので、こちらとしてもオランダ語が分かっているのかな?と心配しつつも、なんとか見守る(以外、実際にはできない)感じでいたのですが、この秋休み中に、突然オランダ語を文章で喋るようになったり、さらには友達の誕生会に親なしで、一人でいそいそと出かけるようになり、子ども同士の遊びでもオランダ語で喋るようになったのです。

急にこんなことになるなんて、こちらも全く予期していなかったので、もうほんとビックリ。唐突に赤ちゃん時代が終わったような気がしました。

もちろん、こちらは何もしていません。というよりオランダ語を教えたりは出来ないので、実際、見守るしかしようがないんですが。

言葉に関しては良く言われるように、おそらく頭の中に溜まっていた言葉が、ようやく口から溢れ出てきた、というそんな感じでしょうか。日本語の時と同じく他の子と比べると、相当遅いとは思うんですが、これが彼のペースなのでしょう。

このまま行くとお兄ちゃんより、実はオランダ語が上達するのも早いかな?とも思ったりしています。やっぱり彼のオランダ語は、赤ちゃん時代からの蓄積があるので、まさに典型的なネイティブなのです。そして、それは「思考」にも影響を与えており、ハグしたり、キスしたり、というオランダ的な習慣も、周りのみんなと同じようにします。もちろん、日本人である親は何も教えていないし、長男は全くそんなことはしません。

ま、とにかく、このへん周りのことは親としては何も出来ないので、しょうがなく待っていただけなんですが、多分これが良かったんでしょう。結果的に、彼のペースを邪魔することなく見守ることが出来たのです。

で、ふと、オランダでの子育ての仕方を見ていると、この「待つ」というのが基本的な姿勢のような気がします。

例えば、以前「教えないコーチ」という話を書きました。オランダのサッカーコーチは積極的には教えないで、本人が気づくまで待つというスタンスが多いという話ですが、それにも近いかな?と感じています。

とにかく、子どもが自分で気づくことを大事にするとか、自分でやりたいと思うことをやらせるとか。親から積極的に何かを与えたり、教え込むことをしないという特徴がある気がします。

子育てにおいては、社会全体でこういう考えを持つことで、時間的にも、精神的にも余裕が生まれる気もします。なんかオランダでの子育ては、余裕があるように感じるんですが、ま、取りようによっては、いい加減というか、適当というか。

もちろん、髪の毛を振り乱している子育てママもいますし、寝癖のまま裸足で出て来ちゃう子育てパパもいっぱいいますが。。。

まあ結果的には、オランダでの子育ては、いい意味で適当、リラックス、いい加減。ひたすら「待つ」。決して教えない。こういうのが社会的にも当たり前になっていると、なんかのんびり、リラックスしてる感じになります。

 

ということで、子育てにおいて、忙しい日本のママさんは、とかく子どもの先回りをしがちだと思いますが、ちょっと「待つ」ということを意識してみるのも良いかもしれません。そのほうが、楽になりますしね。

そう、時にいい加減、手抜き、リラックスは良い方向に作用することがありますよね。「赤ん坊は転がしておけば育つ」とかは昔から日本でも言われていますし。

子どもの成長を、ちょっとゆっくり待ってみる、少し遠くから観察してみると、意外と発見があったりもするかもしれません。

おっと、でもこれ、部下に対してとかも同じかもしれません。ま、一人も部下、いないですけどね。。。