【番外篇No.1】オランダにはコロナ差別はあるのか?日本のゆるゆる対応が与える影響について(2020/2/22)
もうボチボチ世界中の人にバレてきている感じですが、日本のコロナ問題がちょっと深刻になってきました。なんていうか、主にはその杜撰なユルユルな対応が、ですね。
結果として感染者が増えてしまってきています。もちろん震源地の中国と比べたら人数こそ桁違いに少ないはずなのに、まして新興宗教団体施設で一気に感染者が増えてしまった韓国よりも、今のところ人数は少ないはずなのに、なぜか日本のコロナ関連ニュースは、悪い意味でインパクトがあります。
ダイヤモンドプリンセスを降りた人たちが、各国は厳重に隔離されてたりするにも関わらず、日本人は寿司屋に直行!的なことであったり、副大臣の杜撰な管理体制の暴露自爆とか、厚労省幹部職員様の感染とかとか…。まあ、世界ではあり得ないニュースが入ってきます。もちろん、ちょっと誇張している部分もあるとは思いますが。とはいえ、クルーズ船から降りた人たちがマスク一つで、普通に電車に乗って帰ってしまった話やら、患者さん自らの告発で、病院側の対応が全くなってなくて普通に公共交通機関を使っての病院間たらい回しとか、確かに「虚構新聞のニュースですよね?」ということばかり起こっています。
今は見れなくなってしまいましたが、感染学の専門家の先生の告発ビデオなんかも海外では、しっかりとニュースで取りあげられたりしているわけです。日本のTVよりも早くに。
で、日本の出版社とか報道機関から、「コロナ関連のヨーロッパでの現状」を記事とかレポートしてくださいという依頼が結構あるんですが、なんか当社の規定がなんとか…とか、ギャラはあんまりなくて…(ようはタダで…)とかとか言われて、ハッキリ言ってめんどくさいので全部断っています。(ついでに言うと、ビジネスマナーもあったもんじゃないので)
ということで、こんな虚構新聞ニュースがリアルニュースになっている昨今のヨーロッパで、日本やアジアの子どもたちがどんな扱いになっているのか? この「おとよん」でお届けしようと思いました。
あっちいけコロナ! コロナじゃないよね??
まあ、簡単に言うとこれです。こんな感じの扱いを受けています。オランダ人、あるいはヨーロッパ人から見たら、まずはアジア人は全員一緒に見えるので、中国人、韓国人、日本人、台湾人、香港人、シンガポール人、タイ人、もっというとここにフィリピン人も、マレーシア人も、カンボジア人もベトナム人もインドネシア人も全部一緒に見えると思うので、とにかく「アジア人=コロナ」ってなってます。
で、特に子どもは悪気なく、差別意識なく、とにかく「アジア人=コロナ」ってなってますから、「ヤベッ!」とか「あっち行け!」ってなってます。大人でも例えば、バスや電車の中で露骨に席を空けられたり、レストランでじろじろ見られたあげく「オランダ語喋ってるから、こいつはこっちに住んでるんだな」という無言の確認が終わってから、ビビリながら隣の席につくとかとか。
オランダ人の場合、全く悪気なく、差別意識なく、非常にナチュラルに、そして子どもは結構露骨に「コロナあっちいけ!」モード発動する人もいます。
で、中にはリアルに「中国人(=アジア人)は来るなよ!」「アジア人は進入禁止!」みたいな張り紙とかしちゃっているところがあって、これは割と炎上してます。結構大きな人種差別反対運動が起こったりもしてます。ただ炎上しつつも、たぶんヨーロッパ人の意識としては「しょうがないよね」ってくらいの感じだと思います。
で、ですね。例えばこれは聞いた話ですが「夏休みのホームステイ先が、どこも日本人を受け入れてくれないので、ホームステイプログラム自体、今年は中止になった」とか、9月からの新学期に向けて「寮で、アジア人との相部屋を嫌がられていて、アジア人は住む場所が決まらない」みたいなことも出てきました。子どもたちの生活にも結構な実害を伴った影響が広がってきています。
こうなると、子どもたちはなかなか安心して勉強できる環境ではないですよね。。。ということも含めて。
もちろん、さすがに地域の学校の中では、当然もともとオランダに住んでいることも知られているし、一応、自分たちと同じくコロナがない環境に住んでいるアジア人と認識されているため、この顔見知りコミュニティの中では差別&区別はありません。
ただレストランとか、バスとか、電車とか、アイススケート場とかになると、不特定多数が出入りするので、やっぱり警戒されている感じはします。なので、逆にあんまりそういうところに子どもは連れていかない&自分も行かないようにしています。できるだけ顔見知った環境のみでの生活にしています。
大人の世界でも…
そして大人の世界でも、どうも日本からの出張者が嫌がられているのではないか?というのを感じることが出てきました。もちろん全部が全部ではないです。アポが入りづらくなったり、急に受入側からキャンセルされたりが、ちょっと出てきています。「あれ?これって、実は嫌がられているんじゃないの?」と後になってうっすらと気づく、みたいなパターンです。
こういうニュースもすでにありますしね。「新型肺炎「複数国で日本から出張拒否」日本貿易会会長」
この今の日本の、ゆるゆる、ごてごて対応を続けていると、日本からの入国禁止も近い将来でてくるかな?という雰囲気はちょっと漂っています。世界はそう言う意味では、パパッと動きますからね。忖度なしで。
個人的には、日本からの出張者の受入は全く問題ないんですが、こういう空気感が流れているオランダ(ヨーロッパ)に来てもらうのはちょっと悪いなあとか、オランダの受け側にも悪いなあと思ったりはしています。両方に嫌な思いをさせてしまうことになっているので。
昨日も、日本からの出張者との打ち合わせ中に、オランダ人が冗談で「では、それはコロナが終わってからにしましょう」みたいな冗談をポロッと言ったのですが、同席していた台湾人がピシッと「それは冗談になりません!」って言ってました。
こんな感じで、やっぱりいつもとはちょっと違うんですね。空気が。
今のところ個人的には、子どもに一回「中国人、あっち行け!」と言われたくらいで、(それもまだまだ初期の段階だったので、「日本人だし」とか思って全く気にしなかったんですが、今となってはそうも言ってられないですね)特にひどい差別は受けていません。まあ、上述の通り、「こいつはオランダに住んでいるアジア人か?」というチェック的な視線は感じはしますが。いつもは全くないのに。
子どものほうが敏感なので、こういう空気は無意識に感じているかもしれません。
ということで、無邪気な子どもたちが、あっけらかんと指差してくることもある、「あっちいけ!」と言ってくることもあるという感じでしょうか。
差別されるっていうのはこういう気分なんだな、とか、いつもは気を使わないけど、こういうところに気を使ったほうがいいんだな、とかいろいろと考えたりはします。子どもたちがどうすれば、差別されないで済むか?とか。あそこに行っても大丈夫かな?とか事前に考えたり。
とにかく早く収束に向かうように、と世界の知見に頼りつつ、ゆるキャラ的な日本のゆるゆる対応だけは、一刻も早くご勘弁願いたいと、遠く異国の地から願っております。
ついでに、森、大先生には、ぜひマスクをしていただいて頑張ってもらいたいと切に願っております。オリンピック、大丈夫かな…。
ハーグ市にあるフレンチに9歳の長男が昨年10月から通っています。興味深くブログ拝見しました。息子は見た目がまさにアジア人なので二週間の休暇明けとなる来週月曜日以降、息子との会話を増やして様子をみます。日経新聞サイトで少しサーチしてみました。
2012年9月にSARSに似た症状を引き起こす新型ウィルスとしてMERS(中東呼吸器症候群 https://www.cdc.gov/coronavirus/mers/index.html)により、2014年5月下旬にサウジアラビアで死者100人を超すなどの報道。
2014年4月にアジアでも死者が出たことから厚労省はMERSを指定感染症にする方針を決定したとの報道。2015年6月下旬には、韓国でMERSによる死者27人、感染者は172人の報道。
それらの報道が忘れ去られた2020年1月9日に中国で新型コロナウィルス!
どう考えても、隠すことのできない状態まで報道制限した結果の大惨事にしか見えないですね。
初めまして。
春からオランダ留学を検討していてこちらの記事に辿り着きました。
そちらの様子を伺って悲しく思います。
私自身今オーストラリアにいて、中国人差別を目にすることがありましたが差別される側の立場を考えるとなんとも言えない気持ちです。
貴重な情報、ありがとうございました。