【番外篇No.2】子どもの世界はどうなってるの?コロナ騒動に見る世界の混乱(2020/3/5)
前回の記事「オランダにはコロナ差別はあるのか?日本のゆるゆる対応が与える影響について」以降、各所からお問い合わせをいただいております。前回2/22から、各地の状況も変わってきていると思いますので、現在(2020/3/5)の状況にアップデートします。
差別はいまだに存在する
まず前回もお伝えしように、コロナを理由にした(ように見える?)アジア人差別は依然として存在しています。皆さんもご存知かと思いますが、今、ヨーロッパではイタリアの感染者が爆発的に増えています。(3/5現在2500人超)イランがそれに続き、日本を間に挟み、フランス、ドイツ、スペインとつづています。これだけ見ると、なんかアジアよりヨーロッパのほうが多いような印象さえ受けます。(ちなみにイタリアの2倍くらいの5000人超えが韓国で、中国に続いて2位です。)
で、もはやヨーロッパでも、完全に対岸の火事でなくなったコロナですが、それにまつわる差別、区別は歴然と存在してます。
一部のヨーロッパ在住の人が、自分がたまたまそうした差別にあったことがないということを理由に、「ヨーロッパにはそうした差別はない」「オランダは差別のない良い国だ」みたいなことを言っている例も見かけます。もちろん、ヨーロッパ人、オランダ人全員がアジア人差別をする訳ではありません。また、逆にアジア人全員が差別を受ける訳ではありません。ただ、実際に差別(区別?)を受けている人もいます。
前回の記事にも書いたように、自分も受けました。また周りの日本人、アジア人の子どもなどからも、「あの子、コロナじゃない?」とバス内で言われたというレベルから、それを理由に暴行を受けている例も多く報告されています。警察沙汰になってしまった例もあったりしています。なので、残念ながら確実に差別、区別はあります。悪意のあるレベルから、全く悪意のないレベルまで含めて。
繰り返しますが、もちろんヨーロッパ人やオランダ人が全員が全員、アジア人差別をする訳でありません。ただし差別は存在すると思っておいたほうが良いでしょう。(残念ながら精神衛生的にも事前に覚悟しておいたほうが良いかな?と思います)今、ヨーロッパに来て、たまたま差別に合わない人もいるかもしれませんし、不運にも差別にあってしまう人もいるでしょう。そういうものと考えておいてください。
ただし先に挙げたように、ヨーロッパから見るとコロナはもはや、アジアという対岸の火事ではなくなっています。
ということで、幸か不幸かアジア人差別をしている場合ではないという状況でもあります。(とはいえ、いまだにアジア人差別の声は聞きますが)子どもが差別が理由で、学校に行きたくない、といいだしたという話や、一方で、そういう差別が起きたことに対して、みんなで反対したり、守ってくれるということをする子もいるという話も聞こえてきています。
また、ヨーロッパ各地でも日用品の買い占め現象は見られます。アルコール消毒系、保存の効く食糧が一部品薄です。場所によっては、トイレットペーパーなどの買い占めが起きているとも聞きます。
それから、こちらのイベント系は結構、延期になってます。サッカーの試合とか人が多く集まるものも延期になってます。自分も一つオランダからイベントを日本に持っていこうとしていましたが、泣く泣く延期を決定しました。
一方で開催されたイベントでも人が集まらない、という現象もおきています。大きなカンファレンスでは、アジア系の出展社だけが1箇所に集められて、その会場にはほとんど人が来なかったなどという話も聞きました。
ヨーロッパからみた日本の不思議
一方で、日本に限らず、アジア方面からの出入りは、もしかしたらこれから厳しくなるかもしれません。今、ヨーロッパの国として、中国を覗くアジア系で出入りが禁止されているところはないかと思いますが、(中国への飛行機が飛んでいない)一部のヨーロッパのインターナショナルスクールなどでは、自主規制として「例えば親が日本へ出張して帰ってきた場合、その家族は2週間の自宅待機」などということが行われているようです。
こうした措置は、状況次第で今後厳しくなっていくかもしれません。
イタリアの学校は休校のようですが、オランダでは一斉休校にはなってません。ただ、コロナ関連の緊急連絡は結構きていて、「手洗いを徹底する」「握手はしない」などなどのルールの周知がされている程度で、パニックにはなっていません。
またこちらにいて、日本の休校のニュースを聞いて思った違和感は、子どもの学ぶ権利について、あまり議論が出ていなかったことでしょうか。親が仕事ができなくて大変!という関心事だったようで、子どもの学ぶ権利についての話が出ていなかったのが、ちょっと不思議に感じました。
こちらの記事(「一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ」「やっぱり日本は終わりだ」)では、そのことに触れていましたが、ちょっと調べたところ筆者の方は、海外在住経験が豊富にあるようでした。
それから、もう一点、ちょっと不思議だなと思ったのは、子どもがあまりにも過保護にされているのではないか?という点です。もちろん、昔(自分が子どもだったころ)と現在の社会環境が違うのは十分承知しているのですが、あまりにも子どもが過保護にされており、もはや子どもの能力を全く信じていないというか…。子どもは放っておいても勝手に育つというか、親が思っている以上に、優秀というかしっかりしているというか、頼り甲斐があるというか…。要は、子どもは結構しっかりしているんです、ということを親が全く信じていない、あるいは感じていない、ということです。おそらく、これは親の自分に対しての不安が、そうさせていると思うのですが、子どもは親が思う以上にしっかりしているものです。つまり少しくらい放っておいても絶対大丈夫です。留守番ぐらいさせても大丈夫ではないかな?と思ったのです。(今の社会状況が昔とは違う、とはいえ)
忙しい親が全く子どもに構わなくても、子どもは立派に育っています。そういうもんです。なので子どもの一人で家で過ごす能力を信じて「親が仕事にいけない!」なんてパニックになる必要はないんではないか?と思いました。
ということで、後半はヨーロッパの現状から、ちょっと話題が離れましたが、まだこちらでも子どもがコロナになって重症という話は、ほとんど聞いていません。6月に予定されているユーロ2020という、ヨーロッパの大きなサッカー大会が中止の可能性もある、ということで議論が始まったようです。
一方で、オリンピックに関しては、口が避けても「中止」とか「延期」とか言えないムードだと聞きました。そういう可能性も含めて、早々に議論しておくべきなのに、「決行」前提で、物事が進んでいる感じが、逆にとっても不安です。選手とかどう思っているんでしょうかね?今のままだと、ヨーロッパから、みんな観戦に行かないのでは?と思ったり…。
ヨーロッパでも、まだまだコロナ騒動は、まだ続きそうです。
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