問題児は「問題」を出してくれる子ども?問題児こそ個性的に育つ
夏休みも後半戦。福岡は今年、雨が本当に多く外遊びが全然できません。一日中、家にいることが多いので、子どももストレスが溜まってくるのか、親に怒られるようなことばかりします。そして、一日中そんな調子なので、親の方もストレスが溜まってくるという悪循環に陥っています。
親としては、まとまった休みに、どっかに行ったり、何か新しいことにチャレンジしたり、発見したりして、好きなことを見つけられないか?とか、個性を伸ばせないか?と思っているのですが、文字通り”親の心子知らず”で、子どもは毎日、ダラダラして、プンプンけんかして、ギャーギャー泣く、という退屈な生活を続けています。
そんな毎日ですが、先日、このブログではたびたび著書を紹介している臨床心理学者で京大名誉教授の河合隼雄さんの著書『あなたが子どもだったころ』を読みました。これは河合さんが、一線で活躍している作家、大学教授、哲学者、詩人など10人に、子ども時代の話を聞いたインタビュー集です。ここでは全員がなんかしらの問題児であって、
<現代の多くの親が考えるように、子どもを「よい子」に育てる努力をする、などというものではない。簡単にいい切るなら、ここに登場された十人の方々は、子ども時代は今でいう、「問題児」だったといえるのではなかろうか。>
と書かれています。
実際に、自殺未遂、万引き、不登校など、登場人物全員が問題児です。
■”問題児”は親や教師が解くべき”問題”を出す子ども
しかし、この問題児という捉え方に関して、河合さんは
<「問題児」とは親や教師が解くべき「問題」を提出してくれている子どもである、と私はいったことがあるが、そういう意味で、それぞれの十人の方が大きい課題を背負って、子ども時代から苦闘して来られたことがよく了解できる。>
と書いており、それぞれの問題児は家族で(一人の場合もあるが)問題に取り組んだ様子が書かれていました。しかし、その問題が必ずしも解決されているわけではありません。しかしその問題が、後に活躍することになる分野に密接に関わっていたり、原動力になっていたりしています。(でも、その関係を明確に認識していない人も多い)
ここに個性が密接にリンクしているのです。
■もともと子どもは創造力があり人と違う生き物である
TEDでKen Robinsonの”How schools kill creativity”というトークが好きなのですが、この中で、ジリアン・リンという「キャッツ」や「オペラ座の怪人」の振り付け師がいかにして、ダンスの世界にハマり大活躍するようになったのか、そのきっかけが語られています。(この話は、Ken Robinsonの本にも書かれている)勉強に集中できない彼女を医者に連れて行ったところ、ダンスへの適性が見いだされたというものです。
またKen Robinsonはこのトークの中で、数学とダンスは同じように評価されるべきで、数学に秀でている子どもだけを評価する教育は間違っていると言っています。
このトークを聞くと、いかに現在の教育が子どもの個性発揮を妨げているか、というのが理解できます。
いずれにせよ、ダラダラ夏休みを送っている、うちの4歳児の適性は今のところ発見できておりません。ということで、子どもをサポートするべき親としても失格中です。育休中に見つけられるといいのですが。
(ジリアン・リンの話は15:05あたりから。)
日本語字幕付きはこちらを。
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