2559825337_0fac12b6b4_b新学期。年長になった長男は、やっと幼稚園にも慣れ、ようやくいろんな友達と遊べるようになりました。ここまで3年かかりました。

そんなある日、帰宅したら玄関にレゴが飾ってありました。それが、いつもの長男のものと違う雰囲気だったので、「お、芸風変えたか?」と思っていたら、うちに遊びに来た幼稚園の友達の作品を飾ってあげた、というのです。

子どもが作るレゴには個性が出ます。違いがものすごく現れていました。

 

■個性は「教える」と消える。「待つ」と育つ。

そういえば、昨年、マレーシアのレゴランドに行った時のことを思い出しました。

そこには、レゴの遊び場があるのですが、世界中の子どもたちが作るレゴが、むちゃくちゃ個性に溢れており、その作品を見ているだけでも楽しかったのです。

こうした個性はどうしたら、うまく伸ばせるのか?という点に興味を持ったのですが、臨床心理学者でもあった河合隼雄先生の『子どもと学校』に面白いことが書いてありました。

<「教育」ということは、これまではどうしても、教育する側の視点から発言されることが多かったので、何をいかに教えるかに重点がおかれがちで、「育つ」はおろか、「育てる」ことの方さえ、軽視される傾向が強かったのではなかろうか。>

”教”と”育”の二つの漢字で表される教育ですが、親は、子どもに何かを”教える”ということを重視しますよね。逆に、”育つ力を待つ”という発想はないかもしれないと言うのです。

そして、子どもの個性は、「教える」ことで消えてしまうと言うのです。

また、臨床心理学の現場と教育の共通課題を以下のように捉えています。

<われわれは「教える」ことを焦るよりも、根本的には「育つ」のを待つ方がはるかに効果的であることを知らされたのであった。そして、それは単に効果的であるということをこえて、教育全般に対しても、「育つ」ことの重要性をもっと認識すべきであるという反省につながってきたのである。>

これは、親のスタンスにも当てはまるのではないでしょうか。

 

■「自ら育つ力」をスポイルしていないか?

この4月から佐賀県武雄市では、「官民一体校」として話題の、「花まる学習会」のメソッドを取り入れた授業がスタートしています。(ex.東洋経済ON LINE「花まる学習会」は、公教育をどう変えるのか?)

つい”花まるメソッド”だけに目がいきがちですが、個人的には、この「花まる学習会」の一番の根っこは、「自ら育つ力」を、どう伸ばすか? というところにあると感じています。

”花まる”の教育に子ども達が夢中になるのも、この点をおさえているからだと思います。

一方、親は良かれと思って、子どもの先回りをしたり、時に過保護になったり、一生懸命教え過ぎちゃったりするんですよね…。

”花まる学習会”の高濱さんの著書には、これは、特に優等生タイプのママに多いと書いてありましたが、落ちこぼれのパパ(はい、私です!)でも気持ち的にはそうなります。

そしてこれが、子どもの育つ力をスポイルし、個性を失わせるのだなあ、と思いました。

 

 

”武雄×花まる”の教育を受けた小学生たちが、どんな大人になるのか?今から楽しみでもありますが、実は世界の教育は、すでにこれを実践している気がします。

英語、多様性なども大事でしょうが、「個性を活かした、自ら育つ力」を伸ばす教育。これがあるので、海外の子どもは伸び伸びしており、その個性を活かして世界でも活躍できるのではないか、と感じました。もちろん、全員じゃないですけど。

うちは、なかなか友達と遊べないというシャイボーイなので、ずっとやきもきしていましたが、3年目にしてやっと友達と遊べるように育ってきました。

子どもに、やきもき心配するまえに、

”育つのを待てる大人”になれていない自分を心配せよ…という感じでしょうか。汗。

うちは、親子で”育ち”には時間がかかるようです。子どもの個性は、親が”待つ”ことが大事なんですね。

Chris Parfitt