518703347_589224e242_o昔、ある幼稚園の理事長に話を聞いたことがあります。

「モンテッソーリであれ、ルソーであれ、何であれ、幼稚園(保育園)の先生も、一生懸命、子どものためを思って教育をしても、小学校では続かない、普通の学校教育になってしまう。」

「いわゆる公立小学校(私立も含む)の教育を否定している訳ではないのだが、なんか園長としては、正直ガッカリなところもあります。」

もちろん、「三つ子の魂百まで」、ではないのですが、小さな時の食育やら、育つ環境を徹底することが、後々活きてくる、ということは、往々にしてあるでしょう。

しかし、残念そうな幼稚園の理事長の話は、今でも心に残っています。

ところが…。みなさん、ご存知の方も多いと思いますが、「子どもの村学園」は完璧に違いました。

 

■「自分で考えて試す」学校には、いわゆる授業がない?

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これ、授業の風景です。

「じゃ、私が議長やります。何か意見がある人?」

ん? これ小学生だよね?小学生に、こんな仕切り能力あったっけ? あれ、小学生って、こんな人の話聞けたっけ? そもそも、自分の意見、こんなにちゃんと言えたっけ?

”子どもの村学園”に取材に行ったのですが、生徒たちの、自立度、自主性、そして、生き生きとした感じに度肝を抜かれました。

そもそも、”子どもの村学園”には、先生はいません。いや、先生いるんですけど、”先生”って呼ばせないんです。生徒たちは、ゴリラっぽい先生(失礼!)のことを、”ゴリちゃん?”的な名前で呼んでいます。

このクラス、2年生〜6年生までが一緒のクラスで、いわゆる”授業”はしていません。(←大人の感覚だと)

ミーティングというか、話合いというか、議論というか…。教科書を開いて、”業を授ける”授業から、子どもたちに自主的に考えさせ、気づかせ、失敗させて、学ぶ、ということに先生の役割は完全にシフトしています。

ということで、子どもたちは、学年、先生とも人間的に完全にフラットなのです。

 

■自分で考え、自分で行動する子どもたち

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「うちの学校を出たあと、(いわゆる普通の日本の)高校やらに進学したときに、授業についていけるか?という質問を良く受けます。

うちの卒業生は、そうした学校にいっても、驚くほど良い成績を上げます。かといって、わたしたちは、受験のための勉強は一切しません。」

理事長の堀さんは、そう言います。ちなみに、堀さん愛車のパジェロで、毎日、日本全国にある自分の学校を回っています。(三菱10年10万kmストーリー

「自分で考え、自分で工夫して、自分でやる」人間ばかりがおり、そうした中で、学園生活をしているので、(いわゆる普通の)高校にいっても、全く問題がなく、むしろ周りの異なる考えを持つ子どもたちとうまくやれている。今的に言う、コミュニケーション能力が高い子どもが多い」と言うのです。

この学校、”プロジェクト”と呼ばれる体験学習が、基本になっており、そこには、異年齢の子どもたちが混じっています。

プロジェクトには。”工務店(ものづくり)、”劇団”、”クラフトなどがあり、それぞれのクラスでは、今週末に行われる”夏祭り”にむけた打ち合わせ(=授業)をしていました。

ここには、正しい答え、正解を求める公式などは、一切なく、子どもたちが、やり方から、やりたいことなど、すべて自主的に決めています。

もちろん、中には、発言できない子、よく分からない発言をする子もいます。ですが、そうした子を、大人がやる以上のフォローを年上の子が行い、みんなでプロジェクトを進めていくのです。

ハッキリ言って、この進め方、周りに配慮しまくって、意見が言えない、あるいは、そもそも意見が全くない、いわゆるサラリーマンの会議以上の進行上手です。(見習うところ多数)

 

■「遊びは学び、学びは遊び」

こうした子どもたち同士の助け合い、先生が教えている訳ではないそうです。

堀さん曰く「子ども集団の教育力を上手に使う」と。

クラスの中の上級生女子は、しっかりしているし、低学年男子は、どんどん意見を言うし、と言ったぐあいに、役割分担ができています。さらに、発言できない子を、みんなで気遣ったり…。

大人顔負けのチームワークを発揮しているのです。

学校、(というより、寺子屋?)って本来こういうところだろうな…と強く思いました。感激しました。彼らにとっては、完全に、「学びは遊び、そして遊びが学び」なのです。

 

実際、全国に4箇所ある「子どもの村学園」各校大人気です。(高校まであるところもあります)

「楽しすぎて、学校から帰りたくない!」と、大多数の子が言ってました。実際、寮も完備している学校ですが、自分が子どもだったら、間違いなく、この学校に通うと思いました。

きのくに子どもの村学園、相当ヤバイっす!ここは、本当の学校で、本当の子ども達があふれています。

「学びが遊び、遊びが学び」ここには、子どもの時の自分は感じられなかった、学び(遊び)の現場がありました。

Pat Hawks

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