7,8月は、たいていのヨーロッパの人はバカンスを取ります。2週間から、長いと4週間くらいになります。そうなると、こちらが一人で一生懸命働いていても、ほとんど仕事になりません。

ということで、2週間ほどのお休みを取っていました。しかも、この夏、実は2回目の休みでした。郷に入っては郷に従うということで、日本にいた時より、ゆったりしていましたが、そろそろオランダも新学期の始まりです。

学校や、習い事、そしてサッカーのシーズンインなど、ヨーロッパのバカンスもやっと終わりです。

 

■ほぼ全員の子どもたちが泳げるオランダ

で、このバカンス中に、子ども連れでプールに行くことがありました。日本にいた時から水泳を習っていた長男。実は日本では、あまりプールが好きではなかったのです。が、オランダに来てからもスイミングに通っていることもあって、とりあえずどこでも泳げるようにはなっています。

そして、オランダで通っている水泳は、何より楽しいらしく、今ではプール大好きっ子です。

実は、オランダは隠れ?水泳大国。過去のオリンピックでは競泳でも多くのメダルを獲得していました。昨年のリオ・オリンピックでは日本にはメダル獲得数では負けているものの、10kmのマラソン水泳なる競技で男女共に金メダルを獲っています。

そして、水泳マラソンというところが物語っているのですが、オランダの子どもたちは、ほぼ全員が泳げます。泳げます、というか溺れません。というか、溺れないための水泳を、ほぼ全員が義務的に習わないといけないのです。

これは、こちらに来てから知ったのですが、日本で言えば掛け算を全員ができるようになるまで覚えるかと思いますが、それと同じように、子どもは、ほぼ全員が溺れても大丈夫なように、泳ぎを習うのです。

 

■スイミングの目的はたった一つ「溺れないため」

オランダはご存知のように運河大国です。街中いたるところに張り巡らされている運河に、いつ落ちてもいいように、子どもは水泳が実質、必修になっているのです。

そして、そのために特に最初(ディプロマA)は、泳ぎの型を覚えるとかいうより、とにかく溺れないための泳ぎ方を教わります。そして、普段の練習も、潜ってボールを取ってくるとか、水に浮かべたマットから落ちないようにする&落ちても大丈夫なようにする、水の中の輪の中を潜る、顔を出したまま長く泳ぐ、立ち泳ぎ、果ては着衣水泳と、徹底的に溺れても大丈夫なような泳ぎを習います。

実際、今年の冬、凍った池の上でふざけてた中学生くらいの女子数人が、氷が割れて池の中に落ちたのですが、重いコートを着ていましたが見事な着衣水泳で、岸まで泳ぎついたの見ました。(というか、さすがに助けました)

日本では、クロールの手の形とか、手の位置、息継ぎの仕方とか、細いことを教えてくれると思いますが、オランダのスイミングではそうしたことは一切なし。(特に最初は)でも、上述のような遊びか、教わっているのか分からないようなことをしているから、うちの子どもはとっても楽しいらしく、日本のスイミングスクールのイメージと全く違うようです。ま、実際にぜんぜん違います。親からすると、これで大丈夫?と思っていたのですが…。

 

■水深2mのプールでも余裕で遊ぶ

休暇中に遊んでいたプールは2mくらいの深さ。おそらく日本だと「大人用プール」として、子どもは遊泳禁止、みたいなことになるかと思うのですが、長男はオランダ流スイミング育ちなので、水深は全く関係ありません。パッと見、溺れているようにも見える泳ぎ方で、水深2mのプールでずっと遊んでいました。

オランダでのスイミングスクールは「溺れないため」という目的がハッキリしています。なので、その目的に合わせた教え方やプログラムが徹底しています。着衣水泳も、どんどん着込む服が重くなってきます。

これを、普段の学校教育に当てはめてみると、同じようにオランダでは比較的目的がハッキリしていることが多い気がします。

職業訓練校が中等教育からあったり、日本には存在しない「応用科学大学」という組織が存在していたり(これはいわゆる普通の大学とは違う存在で、いつも説明に苦労するのですが、高専の大学版みたいな感じか?)「なんのための勉強か?」が明確な気がします。

実際、オランダではリアルな職業に就いている社会人から学ぶ、という授業をより多く取り入れている学校もあります。つまり、「何のために勉強するのか?」「必要な勉強は何なのか?」が明確になっているのです。(そして、これもご多分に洩れず、こうしたパターンが全てではないです)

これがハッキリしていると、身につくのも早いし、中身も濃くなるのではないか?と思ったのです。実際、マジで必要になってやっている英語やオランダ語の勉強はより身につくのを実感しています。

何のための勉強なのか? 理想は子どもが自分でそれを見つけることでしょうか。

 

と、この夏のバカンスで水深2mのプールで余裕で遊んでいる長男を見て、日本とオランダの違いを感じていました。

もっとも、本人的には一度もプールに入った記憶がない3歳の次男が、長男に続いて、いきなり水深2mのプールに飛び込んで、普通に溺れているのを見た時には、一瞬何が起こったのか全く分かりませんでしたが…。

とりあえず、オランダ式水泳を習ってから、飛び込め、ということなんですが。

皆さんも、お子さんの水の事故にはお気をつけください。すっかり夏の終わったオランダより。

明日から自分もオランダ語学校が始まります。。。汗。