2058055360_29aa4e81b4_bただいま、10日間ほどの日本への出張を終えて、オランダへの帰り道です。場所はオランダへのトランジットであるフィンランドヘルシンキ空港。搭乗直前に「2時間出発が遅れます」というSMSが来て、搭乗口に集まっていた人たちが、特に大騒ぎすることもなく、また散り散りに、あるいは、その場で本を読み始めたりしています。

ヨーロッパでの飛行機の遅れは、すでに結構経験していますが(明らかに日本より遅れが多い)こういう時、あまり大騒ぎしないのがヨーロッパ路線の特徴な気がしています。皆、切り替えが早い気がします。

切り替え、といえば、我が家の長男。もうすっかりオランダの学校にも慣れました。すっかり我が家では、一番のオランダ語の使い手です。

ところが、その長男。いつも家族の誰よりもパパの出張を「悲しがってくれる」存在だったのですが、少し様子が変わってきました。もしかしたら、そろそろ切り替わる時期なのかもしれません。。。

 

■「抱いて」「降ろして」「ほっておいて」の三段階

オランダに来てからというもの、遊びや、絵本読み、スポーツなど、なんでもパパと一緒だった長男。学校では仲の良い友達がいるものの、学校から帰ってきてから一緒に遊ぶ、という関係まではなかなか行かず、帰宅後から、寝るまではもっぱら、パパ遊びでした。

ところが、出張中に、同じコンドミニアムに住むインド人の子どもと遊び始めた、というのです。

もともと、そのインド人の子どもは、人懐っこく、コンド内でも誰とでもよくしゃべる子でした。もちろん、うちの子とも、一緒にしゃべっていましたが、向こうが英語ペラペラなのに対しての、うちは、片言英語と片言オランダ語。そんなこともあって、なかなか突破口が開けなかったのですが、(しかも、いつもパパと遊んでいたから)ついに、お互いの家を行き来して遊び始めた、というではありませんか。

実際、さっきも電話したのですが、いつもなら帰ってくる日は、夜遅くても楽しみ待っていてくれる、という感じだったのですが、友達と遊びたいからパパとの電話もあっけなく、「遊んでくるから!」と早々に切られてしまいました。

これ、おそらく、子育て三段階でいう、「ほっておいて」の段階に入ったかな?と思いました。

子育て三段階とは、「ぐりとぐら」の作者としても有名な中川李枝子さんの著書『子どもはみんな問題児。』(2015 新潮社)に書かれています。

<子育てには「抱いて」「降ろして」「ほっといて」。子ども発達に合わせた三段階があるといえるでしょう。「抱いて」は幼児期で、ちょうど保育園、幼稚園に来ている年頃まで。お母さんにとっていちばん幸せを共有できる時ではないでしょうか。>

少し話が飛びますが、この「抱いて」「降ろして」あたりの時期の子育て環境は、オランダ、デンマーク、フィンランドあたりは抜群に恵まれているかな?と思ったりもします。(子育て環境については、また後日)

そのインド人の友達と遊びたいから、英語をママに教わり始めた、というではありませんか。こうしたことも自立を助ける要素になるでしょう。うちの長男は友達をきっかけに、もう「ほっといて」の時期に入ってきたかな?と思ったのです。

 

■いわゆる「子育て」の時間は短い

今、6歳の長男。本人は望んでいなかったかもしれませんが、親に連れまわされて、多くの海外にも行って、住んできたからか? 実は、結構しっかりしてるんだな、と思い始めたところでしたが、思っていたより「ほっといて」の時期に入るのが早かった気もします。

逆に「抱いて」の時期はすごい長かったような気もしますが。。。

これって、結局、以前から書いている(『子どもに「もうあっち行って」と思うパパママさんへ!子育てゴールデンタイムという考え方』)子育てゴールデンタイムは思っているより短いですよ!ってことなんですよね。

おそらく、こうやって出張行ってる間にも、子どもはぐんぐん成長しているのです。

中川李枝子さんは、先の著書の中でこうも書いています。

<子どもが成長して、「降ろして」といったら、降ろさなくてはなりません。さらに「ほっといて」といったら、見て見ぬ振りをしてなきゃならない。手出し、口出ししたいのをこらえるのです。

そういう段階が控えているわけですから、大切なことはやはり「抱いて」の時期、言いたいことを全部素直に伝えられるときに伝えておきたいものです。あとで後悔しないように。>

どうですか? 今、「抱いて」とか「降ろして」の時期にいるママさん、パパさんは、結構、大変だと思うのです。うちも、そうです。まだ次男ががっつり「抱いて」時期ですから。

それでも、人間はわがままなのか、失ってみてその大切さ、大事さに気づくのですね。

 

ということで、自分の子どもが、どの時期なのか?を意識しながら、その時期にしかできない、親子の関係を作ってください。

ちなみに、本書にはやっぱり、「抱いて」の時期が一番大切で、そこでガッツリ親子の関係を作るのが、その子の将来に渡っての土台になる、と書かれていました。

で、まだ飛行機待ち時間です。もう今日は、長男は起きて待っててくれないだろうなあ。。。

Stuart Richards