日本では、夏休みもラストスパートでしょうか。もしかしたら夏休みの宿題をそろそろ始めようかな?という感じのご家庭もあるかもしれませんね。

オランダはあと1週間夏休み。エリアによって違うので、もう夏休みが終わっているところもありますが、こちらには夏休みの宿題がないので、すっかりだらけきった生活です。はい。元の学校生活に対応できるのかドキドキです。

 

念願だった男3人旅へ

さて、今年の夏休みは、ついに自分が念願だった男3人旅に出かけることになりました。元々は、知り合いの堀込さんが、毎年のように兄弟を連れて夏に旅しており、それをずーっと羨ましく思っていました。(堀込さんの夏の男旅については、2014年にこのブログでも話を聞かせてもらっています。【夏休み特別篇】男子三人夏物語りー東大卒専業主夫の堀込さんに話を聞きました

上記の堀込さんは「主夫力」が異様に高いので、自分は真似できないなあと思っていたこともあり、次男が5歳になるまで、旅に出るのをじーっと待っておりました。5歳になれば、まあなんとかなるかな、と思っていたからです。

ということで、それが今年の夏。やっと男3人で旅に出れるぞ!となったのでした。

実は、そのリハーサルとして長男との2人旅はすでに昨年経験済み。その時は、イタリアまで行きました。10日間くらいだったと思います。あまり道中を決めずに行ったのですが、途中、ドイツで化石を掘ったり、イタリアのワイナリーを紹介してもらって訪問したり、レッジェエミリアという教育界の聖地にも訪問してセンターを見学したり。何よりイタリア在住の方々に相手をしてもらったり。なかなかに充実した旅でした。(参考:「子どもは「失敗」する生き物である!? 「失敗」に寛容な社会は子育てが楽なわけ」)

当時、8歳だった長男も、まあまあ楽しかったようで「弟を連れて今年もまた行きたい!」と言っていたのですが…。

今回の旅は丸々2週間。イタリアまでの往復3,000kmのドライブ旅行。ちなみに3,000kmって、だいたい東京から鹿児島行って、帰ってくるよりも遠いのです。

いつもこうしたドライブ旅行に行く際には、大きい車をレンタカーして行くのですが、次男はまだ乗り物酔いもします。突然、「トイレ!」と言い出すこともあるし、ママとこんなに長期間離れるのも初めてです。

そんな次男が初参加ということで、「旅のしおり」を一緒に作り、何日も前から好きなおもちゃをいっぱいリュックに詰め、酔い止めを準備。クルマのシートポケットに入れるためのエチケット袋を準備し、クルマで聞く音楽もSpotifyでプレイリストを作る念の入れよう。さらにはクルマの後部座席はまるで彼だけの秘密基地のようにセット。負担を減らすために一日の移動走行距離&時間を短めに設定し…、と、全ては次男をケアして、出発前から大変でしたw

さらには我が家のボーイズは、かなりの偏食、好き嫌いがあり、それがお互いに違ったりするので大変です。肉が好きな次男と、嫌いな長男。ピザが好きな長男と、嫌いな次男。食べられる野菜も二人で違います。ということで食料も大量に持って出発。さらに、ご飯を鍋で炊けるように事前に練習もして、お米と、鍋と計量カップも忘れずに持ちました。

そもそも先にも触れましたが、この旅は個人的には念願だったものの、実は自分の「主夫力」は高くもなく、いやどちらかというと低く、保育士の免許を持っていると言っても実習経験もないので、子どもの生活の面倒を見れるということでは全くありません。

「念願」という想いだけが(しかも自分のみ)先走り、実際にはどうなることやら…、という状態だったのです。

 

あることに気づいた長男

そんなこんなで、できる限りの準備をして向かったのは、北イタリアの東側、クロアチアとかスロベニア近辺のビーチ。

特に何かあった訳ではないのですが行ったことがなかったのと、距離的にちょうど良いかな?ということ、何と言っても、美味しいイタリアン!って感じで気楽に決めました。

4日くらいかけて、目的地のビーチについたころです。少し楽しい旅の雰囲気が変わってきました。

道中は、日本街として有名なドイツのデュッセルドルフでお寿司を食べたり、ドイツの田舎で化石を掘ったりと、懸念の乗り物酔いも全くなく順調に来ていたのですが、旅にもちょっと飽きてきたのでしょう。なにより、やっぱり食事が大変になってきました。毎食、外食でピザというわけにも行かず、また、行く前にお腹を壊していた長男の調子もイマイチ、さらに自分のお腹もイマイチになってきてしまいました。

予想に反して、元気でノリノリなのは次男だけでしたが、その次男も「今日も外行くの?」「旅はもうヤダー!」とか「肉もう飽きた〜」とか言い出す始末。練習していった鍋炊きご飯については、「おこげが嫌い」とか言い出したり、具がないおにぎりを作っても飽きてきたり、と食事の時間が毎回憂鬱に。確か、ママが「毎回献立考えるのが苦痛」とか言ってたなあ、とか思い出しながら、ランチは「さっき食べたお菓子でお腹いっぱいだからいらない」みたいな感じにもなってきました。

また、4日ほど滞在したビーチの宿では、全員砂だらけの体で部屋に帰ってきたりしたため、ベッドが砂だらけになったり、お湯の出ないシャワー(多分、出し方が分からなかっただけ)とか、散らかりまくった部屋などの環境の中、子どもに対してもついついイライラが…。

一方の子どもたちも「ビーチつまんない」とか、「もう飽きた」「早く帰りたい」「あと何日いればいいの?」となってきました。

自分も、体調が悪かったりしたことと、やっぱり普段やらない子どもたちのケアや家事を何から何までやり(滞在したのは、ホテルではなく、サービスアパートメントのようなところ)、偏食キングたちの献立を考え、食事の準備をし、またはレストランを探したり、出発の日までに乾くように逆算して洗濯したり、洗い物したり、砂だらけの部屋を掃除したり、歯を磨かせて寝かしつけしたり、ご飯を炊いている最中に子どものトレイを手伝っていたら、鍋を焦げ付かせてしまったり、その鍋を洗うためのステンレスたわしを買いに行ったらお店が休みとかとかとか…。旅行に来ているのに忙しいし、全く楽しくないという状態に。。。

多分このへんまで読んだママさんたちは、ニヤニヤして「何を今さら!私たちの普段の大変さが、やっと分かったか!」と、お思いだと思うのですが…。

こんな状態で、自分が「ああ〜、主婦ってやっぱり大変だよな」、「ましてや働く主婦ってもっと大変だろう」とか、今更ながらに当たり前のことに気づいたころ、ビーチへの出発準備を、子ども達が全く手伝わなかったことで、彼らに対して自分の怒りが爆発しました。

ということで、イタリアのビーチに滞在中は小言も多くなり、「せっかく念願の3人旅なのに、怒ってばっかりだな」なんて、自己嫌悪したりして「あれ?これってママが普段やっていることだな」と思ったり。

しかし、です。そんなことを思っていた時、突然、長男が言いました。「ママって、やっぱり大変だね。ママの大変さが分かったよ。これからはママを手伝ってあげよう。土日はお手伝いする日にしよう!」と。

おそらく「主夫力」が低い、ダメパパの余裕なくテンパっている様子を見て気づいたのでしょう。大人の自分が気づいたのと同じタイミングで、彼もまた気づいたのです。(←二人して遅いけどw)「ママって大変なんだね!」と。

 

男3人旅は「もう行かない」

こうした出来事を経験し、イタリアビーチの後半あたりから、長男はもちろん、もともとお手伝い好き(という年頃)の次男まで、かなり手伝いをしてくれるようになって、チーム的にはスムーズになりました。子ども達は、やっとオランダに帰れる!ママに会える!という気持ちもあったと思います。

イタリアでの宿の反省や子どもの食事のこともあったので、帰路の宿はちょっと予算をあげて確保し、(帰路の宿は全く取っていなかった)比較的快適な生活となりました。ビーチを後にして、砂砂生活もなくなり、お湯の出る、なんならサウナ(混浴)のあるホテルに泊まり、時に自分だけ、おフランスの食事を堪能し、最後は再びデュッセルドルフの日本食へ。そこで、子どもたち念願のママと合流し、オランダへ帰って来ました。

パパの念願の男3人旅ではありましたが、パパの主夫力が低いこともあって、次男は「もう二度と行かない」「全然、楽しくなかった」長男は「楽しかったけど、3人は嫌」「今度はもっといい宿で、ママも一緒に」「3人はもう(行かなくて)いいんじゃない?」と、散々な言われよう。

 

ということで最初で最後の男3人の旅になってしまったようですが、何よりも長男の(そして自分の)「ママって大変なんだね」という気づきが得られたことだけでも大収穫、大成長だったかな、と前向きに捉えています。

そういえば、数日前(8/24)に10歳になった長男。我々にとって初めての子どもで、小さい頃はとにかく夜泣きがひどかったり、全然寝なかったり、極度の人見知りだったりで、何かと大変苦労してきたのですが、奇しくも、そんな奴が10歳になったタイミングで、そんなことを言ってくれるとは思ってもみませんでした。

日本で言うと、多分1/2成人式の年齢ですよね。実際に1/2成人式には出たことがないので分かりませんが、親への感謝を言ったりする感動の式だと聞いています。もちろんオランダには、そんなものはないのですが、もしかしたら今回の男3人旅が、1/2成人式の代わりにもなったかな?と思うと、ちょっと感慨深くもあり。

何気に、いつもなんでもしてくれるママがいなかったことで、次男も、脱いだ洋服をしまったり、宿につく度に、みんなの歯ブラシをセットしてくれたり、意外と自分のことは自分でできるようになってましたw

子どもはやっぱり感受性が大人よりも強いので、大人が思う以上に、いろいろと感じているんでしょうね。そう言う意味では「主夫力」が低いパパも逆に役に立ったかな…と。

ママの大変さを実感するために、ぜひパパには子連れ旅(ちょっと長め&できればお金をかけず、そしてより苛酷な状況で)をオススメします。

我が家の3人旅は、この夏で終了なんですけどね…w