広告という仕事は不特定多数、それもできるだけ多くの人に情報を到達させることを
目的としている。
ある情報をできるだけ多くの人に到達させるため
ありとあらゆる手法を駆使して、知恵を絞ってきている。
でも、最近はその不特定多数で、本当にいいのか?
という、広告を根底からひっくり返す疑問が湧いてきている、
気がする。
世間的な例でいうと、アディダスはTVのCMを辞めちゃいました。
アディダスのターゲットではない人も含めての多数に届けるために、
費用をかけるよりも、確実なファンと丁寧にコミュニケーションを図っていったほうが
結果的には、ブランドと真の関係が作れるから、ということで。
まあ、ブランドロイヤリティーみたないことだと思いますが、
そういうことができる、メディアや手法が出来てきた、という裏返しでもあります。
だから、アディダスにとっては、何億もかけてCMを流すための媒体であるTVは
もう価値がない、と判断したのです。
当然、予算効率も考えて、だと思います。
もともとアディダスのCMはお金もかけて、すごい大作をいっぱい作ってました。
個人的には、ブランドも好きですし、CMもかなり好きでした。
で、CMを辞めた、今、なにをしているか?というと
こんなのを作って、You Tubeで公開してたりします。
これも、お金をかけてちゃんと作ってます。
adidas

ちょっと前まで、ナイキやアディダスはもろもろ権利等の関係でYou Tubeへの
CMのアップはできなかったのに(それでも多くアップされていたが)
全く正反対の指向になりました。
これも時代の変遷ですかな。よく考えれば劇的な変化です。
これは、マスコミ業界の非常に大きな転換期だと思う。
にもかかわらず、あまり話題にならないのは、
やっぱりマスコミ業界にとっては都合の悪い話だからかな?と。
こんな社会的な変化、業界の変遷期に立ち会っているのだと思うと
とても不思議な感じがします。
311のように、あまりにドラスティックな出来事に遭遇しない限り
時代の変化は過ぎ去ってから、その変化に気づくと思うのだが、
2011年は、そんなことも含めて歴史的な1年だったのでは?と思います。
そして自分自身。
不特定多数への情報発信と、特定少数への情報発信の
どちらが得意か?と思うと、特定少数ではないか?と思い始めた昨今。
広告界に10年以上居て、今更ながら、
このギャップに気づくという、後で振り返ると
大きな転換期になるかもしれな事実に気づいた2011年。
これもある意味、自分の中での広告を根底からひっくり返すような発見でした。
そんな2011年も、あと数日で終わります。