オランダは相変わらずのロックダウン中ですが、すっかり桜が咲きまして夏時間も始まりました。日本との時差は7時間になります。この夏時間、冬時間は今年を最後にして今後は切り替えなしという話があったのですが、コロナの混乱によって、この切り替えも今後どうするか?まだわからないということのようです。

で、そんなことは関係ないのですが今回はちょっと仕事の話から。

今までこちらでは、あまり仕事の話を書いたことがありません。たまに聞かれるのですが、ここに書いているようなことは実はあまり仕事には関係ありません。学校や教育委員会関係者からの問い合わせをもらうことも多いのですが。そして出来ることなら対応していますが、本業はクリエイティブディレクターとして「Making the Good, Connecting the Good」ということをモットーに主に日本とオランダをつなぐようなことしています。

今、やっていることで学びが多いのは、オランダやヨーロッパでの有識者や組織へのインタビューです。コロナ禍なので、逆にオンラインがデフォルトに。となると意外にもハードルが下がって、かなりの大物も受けてくれています。もちろんここで詳細は語れないのですが、この仕事を通じていろいろな学びを得ています。

今日はそこで得た学びをシェアしたいと思ったのです。改めて「教育と社会は繋がっている」という思いを強くたからです。

 

自分が幸せじゃないと幸せな社会は作れない

さて、いきなり核心から入ると、あるインタビューで「いかにサステイナブルな社会を作るのか?」という問に対しての答えで、なるほどなあと納得してしまった答えを聞きました。そして、その答えを辿っていくと、「やっぱり教育は社会と繋がっている」と実感したのです。

さて、この質問に対しての答えは、実はわりと身も蓋もないストレートなもの。「ぶっちゃけて言うと、結局、自分たちが幸せじゃないと、他人の幸せとか社会の幸せななんか考えられないでしょ?」「だから、まずあなたの幸せを考えて。つまりウェルビーイングね」「もしそれが出来ていて、あなたが今幸せなら、他の人や動物や社会の幸せのことを考えられるわよね?」「つまりそういうこと。幸せな社会、つまりサステイナブルな社会を作りたいと思うなら、まずはあなたが幸せになること」「だから、私たちが『サステイナブルな社会』を設計するときに、一番大事にして最初に考えることは、その相談をしてきた『あなた』の幸せを考えることなの」「もちろん、こう言う質問をしてくる場合、質問者はすでに「幸せ」である場合も多いわね」「そういうときは、サステイナブルな社会を作るための一歩目はすでに出しているってことね」と言う話を聞きました。

で、こちら、なんとなく話し手に合わせた日本語に翻訳してみたのですが…。これ、話者は女性ではありません。というか、女性かな? はい。いわゆるLGBT系の人。

こちらはLGBTのヨーロッパの首都とも言われるアムステルダムなので、こういうことはかなり普通です。全く偏見もなく、普通に社会に溶け込んでいます。なので別段、取り立てて何か言うことではないのですが、今回はこちらでの仕事の状況がよく伝わるかな?と思ったので、明確にしてみました。

はい。で、この人、面白いことにオランダ人ではないんですね。イタリア人なんです。もちろん、世界一の多民族都市のアムステルダムなので、4,5人の打ち合わせでオランダ人が一人もいない、なんてこともザラです。確か、この時もオランダ人は一人もいなかったはず。

いずれにせよ、こう言う人が「サステイナブルって言うのは、みんなが幸せな社会なの。それを作りたいなら、まずはあなたが幸せにならないといけないのよ」って言うんですね。ということで、なんか、非常に説得力があったんです。

 

子どもが世界一幸せな国オランダの(大人の?)幸福度ランキングは世界5位

で、翻って見ると、ご存知の通りオランダは「世界一子どもが幸せな国」と言われてまして、というか調査があります。さらに、一つ前のエントリーでも書きましたが   (「教育の目標は何か?? オランダの選挙に見る日蘭「教育」の違い」)近頃発表された国連のリサーチだと、オランダは幸福度ランキングで世界5位。まあ、かなり高いのです。

そのランキングで言うと上位は、軒並みスカンジナビアン&ヨーロッパ、そしてオセアニアが占めています。

で、ふと、面白いなあと思ったのですが、これらの国ってやっぱりサステイナブル先進国だったりするのです。幸福度が高い国が、サステイナブル度も高い。つまり、自分が幸せで余裕がある国が、他人や社会に目を配れるので、やっぱりサステイナブルが進んでいる。先のインタビューで聞いた通りであな、と思ったのです。

少し話が変わるんですが、今週はサッカーのインターナショナルウィークでして、国際試合が多く行われています。(日韓戦がありましたよね?)そこで、次期W杯開催国であるカタールにてスタジアム建設などのために、労働者が不当に扱われているということへの抗議で、試合前に選手がメッセージをこめたシャツを来て入場するということを行っていました。これを行ったのが、自分が把握しているのは、ドイツ、ノルウェー、そしてオランダの選手たちでした。それぞれのチームは、それぞれのメッセージを送っていました。オランダは選手たちが自らメッセージを考えて、選手たち主導で行ったようです。サッカーでは、そもそもBLM以前から(そして今も)人種差別問題が頻繁に起こっています。

こうしたことも、それぞれ幸せな国が出来ることでもあるのかな?という気がします。

こうしたこと以外にも、北欧やオランダでも、アニマルウェルフェアなどにもかなり高い関心があったりするのですが、幸せな国と言われ余裕がある国だから、だと思うと納得いくものがあります。

さらに、こうした社会が結局は教育にも繋がっており、社会が幸せだから、他人を思いやったり、今で言うとサステイナブルな社会にするための教育なんかが行われるのかな?と思ったりします。

 

自分は、こちらで働いていていろんな場面で「やっぱり教育と社会は繋がっていなあ」と言うことを実感します。例えば今回のようなことです。いわゆる鶏と卵の関係でもありますが、教育が良いから幸せな社会になるのか、幸せな社会だから教育が良いのか…?ここは難しい判断でもありますが、やっぱり教育の結果なのかなと思ったりもします。

こんな視点から「教育」を考えてみると、ちょっと違った見方も出来るかな?と思いました。

しかしオランダ代表がイマイチな感じで、試合を見ているとヤキモキします。ベルギーとか、フランス(引き分けだったけど)とかが羨ましいですw