【語学教育特別篇】日本でもできる!? トリリンガル教育実践家族に聞きました!
今、滞在しているシンガポールでは、5歳の長男を現地のローカルスクールに入れています。1クラス20〜30人?でシンガポーリアンはもちろん、中国人、日本人、フランス人、オーストラリア人、インド人、イギリス人、アラブ系などなど、世界中から集まっています。さらにハーフなどもいるので、何人か分からない子も多いです。
■英語+マンダリン(中国語)が世界標準
やはり日本との一番の違いは語学です。こちらの幼稚園では基本は英語ですが、マンダリンのレッスンがあり、担当の先生はレッスン時以外もマンダリンしかしゃべりません。シンガポールでは幼稚園から、このような教育を受けるので、どちらも喋れるようになるようです。そもそも一般家庭ではマンダリンのようです。
世界各国から来ている子どもたちは、さらに、それぞれの母国語を話します。ですから、日本人がシンガポールに来ると、日本語を入れて3カ国語がしゃべれるようになります。今後、英語+マンダリンだけで世界の7割くらいの人と話ができると言われおり、英語+マンダリンは語学学習における世界標準になりつつあるようです。
■日本でバイリンガル教育はできないのか?
友人に国際結婚をされ日本に住んでいながら、トリリンガル教育を実践中のご家庭がいます。旦那さんのミカエルさん(フランス人)と妻の浩子さん(日本人)は、長女のユゲットゥちゃん(3歳)をトリリンガルに育てようと実践中です。そこで、その興味深い実践方法を聞かせてもらいました。
「ハーフは、自然と2カ国語が話せるようになると思っていましたが、実は親が努力しないと、住んでいる国の言葉しか話せなくなります。そこで我が家では、フランス語が話せるように、できる限りの努力をしています。 また、将来どの国に住むようになっても英語は必須なので、幼稚園に行かず、英語のプリスクールに通っています。」
ハーフであっても、親の努力や環境を作らないとダメということです。
「ユゲットゥは、3歳になるまでは、パパのフランス語に対して、返事はほとんど日本語だったので、フランス語が話せるようにはならないのではないかと、心配していましたが、3歳を過ぎてから、やっとフランス語で、パパと話すようになり安心しました。
英語の方は、プリスクールに通って1年たち、最近は言いたいことは、すべて英語で表現できるようになりました。英語に関しては完全に学校にお任せしています。」
■パパとはフランス語、ママとは日本語、そして学校では英語
「今まで、2度、言葉の激しいどもりが1ヶ月程続くことがあり、多言語のせいで負担を与えすぎているのではないかと心配でした。しかし、どもりを乗り越えた後に、フランス語、英語が、どっと出てくるようになり、今では、『ママとは日本語』、『パパとはフランス語』、『学校では英語』と、見事に使い分けています。 子供の脳には無限の可能性があるのだと実感しています。」
シンガポールでも、英語とマンダリンを使い分けている子に遭遇する時がありますが、その切り替え能力には感心します。
■具体的に実践していることは?
・パパは、必ずフランス語で話しかける。
・毎週日曜日にフランスの家族とスカイプ。
・アニメと音楽は、フランス語か英語のみ。日本のテレビは全く見せない。
・寝る前に、パパがフランス語で本を読み聞かせる。
・毎晩、世界地図を見ながら、世界のあちこちの都市に住んでいる友人の話をして、色々な言葉が話せると世界中に友だちができることを教えている。
両親ともに日本人だとマネできないこともありますが、具体的な実践方法を聞くのは、勉強になりますよね? 我が家も世界地図は良く見せていますし、”世界中に友達ができたら楽しい”という話はよくします。
■心配はありますか?
「日本は多様性がないために、『言わなくても通じる阿吽の呼吸』『みんなと一緒だと安心』を自然と身につけてしまいます。これは、日本独特の感覚なので、ヨーロッパでは通用しません。『言わないと相手には通じない』『自分の考えをしっかり持って、周りと同じでいることで安心しない』ということを、日本で生活しながら教えることの方が、言葉の教育よりも、難しいことだと思っています。」
確かに、これは日本独特の感覚な気がします。しかも世界に出てみないと感じづらいので、小さな子どもにとっては難しい感覚かもしれません。その点、シンガポールでは、あまりにも多民族すぎるので、”人と違うことが当たり前”というか、”他人を全く気にしない”感じもします。
語学そのものよりも、この感覚を身につけることが大切、ということこそ、これからの子どもには最も必要なことかもしれません。所詮、言葉はコミュニケーションの道具です。
しかし、その道具で苦労している日本人としては、こういった環境で育つ子どもが、うらやましくもあります。マンダリン(のあくまでもマネ)で大声で寝言を言う長男もトリリンガルに育てられるでしょうか…。
そして、このご家族、フランスの家庭料理を紹介する、こんな素敵なチャンネル『Goomies』をやってます。 これを見ればフランスのおしゃれ料理が簡単に作れますので、是非!
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