日本では11/22はいい夫婦の日だそうですが、世界ではその2日前11/20は子どもの日でもあります。1954年、世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上を目的として国連によって制定されました。ちなみに、皆さんご存知の日本の子どもの日は5/5ですが、「子どもの日」の意味がちょっと違いますね。と、まあ、それは良いとして、世界子どもの日にちなんでコレスポンデントで公開された記事が、とても興味深いものでしたので今回はそちらをご紹介しようと思います。

ちなみに、コレスポンデントとはオランダ発の会員制メディアでして、Unbreaking Newsを標榜した新しいジャーナリズムです。まあ、簡単にいうとスロージャーナリズムとでも言いましょうか。(本人たちは、この言葉を使いませんが)

もし、コレスポンデントについて詳しく知りたい方がいたら、今年の始めにesquireで書いたこちらの記事をどうぞ「オランダ・サステナブル通信 第2回:Unbreaking ニュースとは何か?

とりあえず、こちらの記事は子育てとは関係ないのでスルーしていただいて良いのですが、要は、かなり良質なニュースメディアがあって、そこで書かれた子育ての記事が面白いのです。あ、ちなみに今、このコレスポンデントは、オランダ語だけではなく英語版もあって、世界のスロージャーナリズムを牽引する存在になっています。で、今日はここで書かれた子育ての記事についてご紹介します。

 

すごーく過保護になってない?

実は、この記事、常日頃自分が思っている内容でもありましてタイトルはこんな記事です。「Dear parents, stop organising your kids’ playtime」。まあ、「保護者の皆さん、子どもの遊び時間とか管理するの辞めません?」みたいな感じでしょうか。(有料メディアなのに、会員からのシェアだと見れる設定になっているはずなので、興味ある方はぜひリンクを張った元記事もどうぞ)

今まで、このブログでも「日本のお父さん、お母さんが超過保護になってますよ。何なら、それは世界でも同じ傾向です。」って話をいっぱい書いてます。が、特に今年は新型コロナで学校が休校になったりして、どうしても子どもの自宅での時間を管理しなくてはならなかったので、世界的に顕著であったということなのです。

で、記事では、まず子どもにとって「遊びがどれだけ大切か?」ということが書かれています。ここはもう言うまでもなく、子どもは遊びから、全てのことを学んでいきます。全ての学びの基礎になる、というアレですね。「おとよん」読者なら、言わずもがな。

一般的な動物に比べて、親の保護下にある時間が長い人間の子どもは、ちゃんとした大人になるために、それだけ「遊びの時間」を取る必要があるということだというのです。それを、英才教育、早期教育などなどとして、遊びの時間を削って、勉強させてしまうのは本末転倒である、ということなのです。

記事にも書かれていますが、もっとも子どもの遊びの時間が減っている、足りない、というのは今に始まった話ではなく、昔は労働力としてカウントされていたために、子どもは十分な遊びの時間が取れなかったとも言われています。

その後、遊びの有効性を認めるリサーチ、論文が世界中に溢れかえっているにも関わらず、いまだに子どもの時間を管理して、遊びの時間を減らしてしまう傾向が強いと。特に今年は、そうせざるえなかったこともありますが…、と書かれています。

たとえば、ですが。1981-1997年の16年間に、アメリカにおける子どもの遊びの時間は25%も減っています。また幼稚園における遊びの時間(自由時間)は30%減っているとも。同じようなリサーチがUKでもあって、1995年以降、休み時間が週平均45分、学年が上がると65分も減っているそうです。簡単に言うと、子どもの学業が重視されているために、遊びの時間が剥られているのです。香港では、囚人より子どもの外遊びの時間が少ないとのこと。また16ケ国の母親に聞いたところ、子どもが外で遊ぶ時間が大切だと答えたのは54%にも上がるものの、子どもが宿題やTVを見ている時間の方が長い、とも答えているとのこと。

で、遊びも、何かやり方に従ってやるような遊びは、全くフリーハンドで自由に遊ぶときに比べると、そこからの学びは全くないそう。つまり、親が遊び方をアレコレ指示しているようでは、子どもにとっての本当の意味での遊びになっていないのです。

で、こう言う傾向は小学校入学前から現れているようですが、ここは確実に親の影響ですよね。親は、遊びにとって完全に害であるとも。

おそらくですが、この辺り、思い当たる人もいるのではないでしょうか?

でも、今は都会で生活している人の方が多く、そうすると何かと子どもの遊びの環境的には良くないことが多いですよね。ほら、防犯的な意味もあれば、ご近所への配慮的なこともあるし、もしかしたら車とかバイクとかの危険性もありますし。そもそも外での遊び場所がない、なんてこともありそうです。

さらに、最近だと子どものおもちゃも、遊び方を規定するものが多いと書かれています。遊び方が決まっているようなおもちゃですね。(またジェンダー規制的なものもあるとのこと。たとえば、女子はピンクのもの、みたいな)

こうやって、子どもの自由な環境は激減していると。

で、個人的にはここに「親の過保護」があるかと思っています。別の言い方をすると、「親が子どもを信じていない」ということかもしれませんし、京大の名誉教授で、心理学者でもある故河合隼雄先生は、このことを「親が自分を信じられないからだ」という言い方をしてました。

最近では、保育園とか幼稚園でも「遊べない子」が増えています。先生が、何かしてあげないと自由に自分たちで遊べないのです。これでは、大人になったときに創造力を発揮できる訳がありません。そもそも、学校教育では「創造力」は育まれないのですから。

 

と言うことで、今回はコレスポンデントの記事をご紹介して、そこに自分の日頃から思っていることを都合よくw載っけてみたのですが、大体、いま、大人になって活躍している人は、子どものときに「遊びこむ」という体験をしています。右も左もわからないくらい、遊びに没頭すると言う経験です。

もし子どもを天才にしたかったら、ぜひこの遊びこむ体験をさせてあげてください。あ、もっとも、ここに親が介在すると、そもそも遊びこむことはできないんですが。。。w