オランダでは新型コロナの陽性者数が、日々、過去最高を更新しています。最近ではもう完全に第一波を超えており、日に2,000人以上になっています。オランダの州によってはベルギーやドイツからレッドゾーン指定になっているなど、もう全く収束つかない状態ですが、相変わらず誰もマスクをしてません。(指定エリア以外では)

そんな今日この頃ですが、11歳の長男の子育ては早くも終わったかな…という、ちょっと寂しい? いや、肩の荷が降りた? 日を迎えることになりました。

 

「試合見にこないで」

実は昨年くらいから、徐々に感じていたのは長男との距離感。10歳になった頃からなんとなく避けられいる、というか、いや明らかに鬱陶しがられている感じを受けていました。

我が家には、まだ6歳の次男がいることもあり学校へは毎日送り迎えをしています。自転車でわずか10分足らずの距離ですが、毎朝の送りと、15時のお迎えをしています。しかし長男は昨年くらいから、徐々に「先に行ってるね」とか、「一人で行けるから」と言い出し、さっさと先に行ってしまうことが増えてきました。

時には、こちらの都合もあり「一人で帰って来てくれると助かる!」なんて時もあったりで、徐々に徐々に送り迎えもしなくなってきてはいるんですが、まあ、実際は嫌がられていることを察して、こちらも遠慮していることもありました。

それが、つい先日、ついにキッパリと「もうこれからは一人で行くから。迎えも来なくていい!」と言い出しました。

まあ、そうは言われても、うちにはまだ次男の6歳児がいるのでどっちにしろ送り迎えには行くのですが、長男としては「もう、勝手に行くから」宣言をしたということのようです。

周りのオランダ人を見ると、長男の歳でも、まだまだ親子仲の良い感じの子が多く、学校の送り迎え時にはみんなハグしたりキスしたりしています。おそらく日本の同い年くらいの子と比べると、親との関係は濃いなあと感じていました。なので当然、その環境にいるので、うちの長男もそうだろうなあと勝手に思っていたのですが、ところがどっこい、そんな「オランダ化?」することもなく普通に徐々に親をうざく、疎ましくなってきているようです。

でも、自分が子どもの頃を振り返ると、確かにこのくらいの歳から、親のことをちょっと避けるようになったなあと思い出します。なので、まあそんなもんかな?というか、健全だなと思いつつも、周りのオランダ人親子はあまりにも仲が良い?子が多いので、少し寂しくも思います。まだ早いんじゃないの?と。

そんなことを少しづつ感じていたのですが。この土曜日。今度はついに「試合に来ないで!」と言われました。試合とは、サッカーのことで、毎週土曜日は所属しているサッカークラブの試合なのです。

親としてはオランダに来た当初、右も左も分からない中、しかもサッカー未経験&オランダ語も喋れないにもかかわらず、子どもをサッカークラブに入れるために「ボランティアのサッカーコーチ」を申し出て、ウェイティングリストを大幅に繰り上げてもらっての入団以来、二人三脚で頑張って来たつもりでいました。もちろん、今ではとっくに長男のサッカーの実力は親を大幅に上回っており、何一つ教えることはありません。それでも普段から遊びや練習を兼ねて、一緒にボールを蹴っていた(つもり)の仲だったのですが、どうやらそれは親の完全な勘違いだったようです。いつの間にかクラブの中でも自分の居場所を作り、友達も出来、のびのびと活動しています。

コロナの中断などがあったり、その感染防止のため「親は見学禁止」という期間がしばらく続いたこともあり、親としてはサッカーの応援や見学に行きたくても行けない期間が昨シーズンからしばらくありました。それが開けて、シーズン再開した子どもの試合を見るのを、もうオランダで最大の楽しみにしていたのですが「もう試合見に来ないで!」と言われてしまいました。

 

親が来ないとのびのびとプレーできる

昨シーズン、オランダのサッカークラブは、しばらくコロナでの中断&親の見学禁止期間がありました。その時に、オランダの子ども向けニュースでは、「コロナにより親が見学出来なくなったことをきっかけに、逆に子どもがのびのびとプレーできるようになった」というニュースがありました。要は、外野である親が、時にコーチの指示とは違うようなことを周りで応援と称して、いろいろ指図した離する事で子どもが萎縮してしまっていた。ところが親が来なくなった事で、そうしたことがなくなり子どもものびのびとプレーできるようになったというのです。

Kinderen missen ouders langs het sportveld niet: ‘Veel rustiger zo!’

実際我が家の長男もこうしたことを感じていたようで、徐々に徐々に「来て欲しくない」オーラを出していたのです。

そして、ついに今日(しかも父親である自分に直接言うのではなく)ママに「試合に来ないで!」と言ってきたようです。

自分もちょうど今の長男と同い歳のころは少年野球をやっていました。そして、自分の父親がその少年野球チームのコーチをしていたのです。なので、自分の父親がコーチとして、いつも練習に来ているのが嫌で嫌で仕方なかった記憶があります。それを考えると、まさに同じ感覚なんだろうな…と思い当たりました。

と言うことで、ここは「行かない方が良いな」と思い、出張で居なかった時をのぞき、初めて長男の試合に行かなかったのです。(まあ実際には隠れてコソッと行って、ボールとかが見えないくらいのかなり遠くから見ていたのですが。。。w)

まあ、こうやって自立していくのでしょうね。。。と言うことで、なんとなく今日「子育てが終わったなあ…」と感じたのです。まあ、一番楽しかった子育て第1章の終演と言う感じかな…と。

そして、ここで大事なのは親の「子離れ」でもあると思うのです。長男が小さい頃には育休を(次男誕生に際して)取って、1年間遊び通したりアジア放浪にも行ったりと、結構ガッツリ遊んだ思い出や、もちろん大変な思いもかなりあるのですが、まあ、それもこれも双方ともに「子離れ」「親離れ」のための準備だったのかな…と思ったり。ともかくある意味「子育ての終わり」だな、と感じました。

ネタバレ防止のため軽くしか触れませんがが、映画「オオカミ子どもの雨と雪」の中のセリフで、子育てを振り返って主人公が「夢のような日々でした」と言うセリフがあるのですが、まさにあんな感じです。

 

「親離れ」する前はとことん!

ちなみにこのことに対する母親、つまり妻のリアクションは全く違って今回のことはなんとも思っていないようです。

というか、実際、長男はまだまだ母親には今までと全く変わらず頼っており、例えば体調が悪くなったり、なんか困った時などは、普通に母親には頼っています。なので、母親としては今回の件も、全く意に介さず。というか、まだまだ全く変わらず、「親離れ」なんかしていないと思っているようです。

ということで、あくまでも父親としての子育て第一幕は終演のようです。というか自分はそう認識することにして「子離れ」をしていくつもりです。

でも、こう考えると本当に子育てが楽しい(&大変な)時間は、人生においてまじでアッという間の一瞬です。小さなお子さんをお持ちのみなさん、絶対に仕事ばっかりしてちゃダメですよ。そして、子どもがいるところでスマホやパソコンの画面ばかり見てちゃダメです。子どもが、あなたのことを気にかけてくれる時間はマジで今しかありません。子どもの成長は本当に早いのです。

それから、もう一つ。子どもが「親離れ」をしようとする時に親がサクッと「子離れ」するために。一緒に居られる時間、遊べる時間、つまり子どもが小さい時は、もうとことん、とことんガッツリ、これでもか!というほど遊んで苦労してください。ちなみに、自分はここには後悔はありません。そうすれば両者ともにスッキリと「親離れ」「子離れ」できるかと。

 

ということで、長男は父親卒業ですかねえ。ま、うちにはまだチビがいるので、もう少し子育て時間は続くのですが…。