子どもが育つ環境がなくなっている?
我が家は、子どもが産まれてから縁もゆかりもない、今の土地に引っ越してきたので
当初は、子育て(以外も)では全く頼る人がまわりに居ませんでした。
だから、わりと積極的に公民館とか、地域のイベントとか、
とにかく参加できるものは参加して、お友達をつくろうとしていました。
子どもの友達、というより親の友達探し、の色合いが濃かったと思います。
そんなこともあり、子どもはかなり早く(1歳半くらいから)親と一緒に
プレスクールに通い出し、今では沢山の友達ができて楽しくてしょうがないよう。
さらに、親のほうも幸いにして、そこで沢山の友達ができて
新しい土地での生活をすっかりエンジョイしています。
土地柄なのでしょうか。みなさん、フレンドリーで
ホントによそ者としては、その温かさをうれしく思い、
自分の子どもの頃を思い出すような気がしています。
が、全国的に見ると、今、どんどん子育てしにくい環境になっているようで
都心では顕著です。
これは2009年に「保育所保育指針」が改訂されたことにも現れています。
家庭や地域において、人や自然と関わる経験が少なくなり
また、子どもにふさわしい生活時間、生活リズムが作れない、など子どもの生活が変化。
少子化、核家族化、都市への人口集中、長時間労働などの問題と絡み
集団遊びの減少、延長保育の増加、公園などの遊び場の減少、
子どもを狙った犯罪の増加、遊びより学習や習い事重視の傾向などなど、
子どもの環境は激変しています。
さらに、こんなこともあります。
小さな子どもが公園に行くとだいたい、同じような子どもが
保護者と遊びに来ていたります。
そこで、砂場道具の取り合いや、滑り台の順番とかで揉めたりもする、
ちょっとした「いざこざ」。
これは、子どもにとっての「学びの場」でもあるのです。
が、現代では、このちょっとした「いざこざ」の場さえ少なくなっています。
自己主張をすると同時に、自己統制を覚えたり、
自分と他人の違いや、考え方の違いがあると認識したり、
お互いに相手のことを思って、折り合いをつけたり、などなど。
「いざこざ」は、子どもにとって「学びの宝庫」なのです。
こうしたことを通して、自分への自信がついたり、他者を思いやる心が育ったり、
するのです。
が、現代では、兄弟がいないので他の子どもと触れ合わなかったり、
親同士が子どもの「いざこざ」を極端に避ける傾向があるように思います。
ちょっとでも、子どもが手を出したりしたら親が飛んで来て
「だめでしょ!お友達をぶったりしちゃ。ごめんね。
ほらっ、あっちで自分のおもちゃで遊びなさい!」
こんな感じで強制的に子どもをその場から離してしまったり。
逆に、そういう場面に遭遇して、ちょっと「いざこざ」シーンを楽しく見ていたりすると
「この親は、なんで止めないんだろう!」といったような視線を浴びる事が多いです。
もちろん、ホントに危ない場面では止めるんですが、
ちょっとした「いざこざ」なんかは子どもにとっては日常茶飯事だし、
学びの宝庫です。
だから、どんどんやらせて、泣いたっていいし、ほっといたほうが(見守っておけば)
子どもが自分で成長すると思います。自分達で気づいて、自分達で解決する。
挫折を味わって、葛藤を経験することで、成長する。
今は、そういう場さえもなくなっている気がします。
だから、ますます子どもが育ちにくい環境になっていると思うんです。
「いざこざ」に遭遇したら、子どもがどういう気持ちか、
どういう解決方法を考えるか、と見守ってあげて下さい。
のちのち、人の気持ちが分かる心が豊かな子に育ちます。
子どもが自ら育つ環境を奪っているのは、まぎれもなく、われわれ大人ですから。
あなたは、子どもの「いざこざ」を見守っていますか?
photo credit: familymwr via photopin cc
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