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今日、うちの3歳児が、押し入れの上の段に登って一言
「高いところに立つと、景色が変わるね?!」
これ、何でもないセリフのようでいて、実は、とっても大事なんです。
生まれて初めて、押し入れの高いところに立ってみたら、
今まで見ていた家の中の景色が変わって見える、ということに気づいたんですね。
ここには、1「今まで見ていた景色を認識し、記憶している」
それが、2「見る場所が変わると、同じ風景でも印象が変わるということが分かった」
そして、3「その思いを、言葉にして人に伝えることができた」
というステップがあります。
ものすごい情報を処理している、ということを認識するために
あえて、発達心理学でいうと、
形の恒常性、大きさの恒常性
(同じ物体なら遠くからみても近くから見ても同じ大きさと認識できる能力)
を獲得しており、3次元的な知覚も可能で、
素朴概念(日常生活の中で自然に持つようになる、物事に対する理解)も働いており、
表出言語(表現する力)も獲得して、伝える意欲もある。
ということになります。(もっとあると思いますが)
子どもの何気ないセリフですが、このように自分で気づいたことを
人に伝える、というのは、いくつものステップを踏んで
まわりの環境に働きかける、という幼児期のとても大事なアクションなのです。
そして、こういった子どものリアクションに対して、
親は、その気づきを尊重し、時に大げさに共感したり、誉めたりすると、
子どもは、喜んで、さらにまわりの環境に対して興味を持つようになり、
積極的に働きかけるようになります。
これは、ゆくゆくは自発的、主体的に、何事にも好奇心を持つ姿勢に繋がったり、
自らが積極的に他人との関わりあいを持てるようになったり、
子ども自身の主体性を育むことに繋がります。
本当に何気ない一言なんですが、子どものこういった気づきに気づくことが
まわりにいる養育者の大事なポイントです。(以前の記事気づき、に気づく参照)
子どもは五感を通して、自分をとりまく環境を認識しています。
子どもと、まわりの環境の相互作用には、直接的に環境にふれあうやり方と、
媒体を通して間接的にふれあうやり方があります。
子どもの育ちにおいては、言うまでもなく人、もの、自然などと直接関わる、
直接体験が重視されます。
多様な経験をすると同時に、子どもが五感を通して感じた、
ちょっとした気づきを、見逃さないようにして下さい。
きっと豊かな感受性が育まれます。
あなたは、五感を通じて子どもを感じていますか?

photo credit: James Jordan via photopin cc

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