2897177440_07c228c152_bいきなりですが、ついに語学のマスターの仕方が分かりました。というか、なぜ自分がなかなかしゃべれるようにならないのか?が分かりました。

おそらく子どもが、小さいうちに海外に移ったり、住んだりしたことがある人は、皆さん感じると思うのですが、子どもの語学習得能力はびっくりするものがありますよね。

このブログでも何度か書いていますが、うちも、まさかここまで早いとは思いませんでしたが、すでに我が家では長男がオランダ語のNo.1使い手となっています。4月に来てから、本当に数ヶ月。ここまで早いとは思いませんでした。

オランダ語に関して、意外に健闘しているのがうちの妻。というのも、銀行や学校、病院、保険会社などからの手紙は、全部オランダ語。グーグル翻訳を使いつつも、苦労しながら読んでます。そうしたことをしながら、コツコツと独学で勉強を続け、かつ長男に色々教えてもらいながら、頑張っています。

ところが、この2人を見ていると、語学の習得の仕方が全く違うのが分かります。

 

■生活に密着した言葉から覚える子ども

長男は、語学を集中的に教わる小学校に通っていますが、そこでの会話は、もちろん全てオランダ語。実際に学校で習う言葉以外にも、先生との教室内でのやりとり、挨拶、時には注意されたり、ふざけたり。これらは全てオランダ語です。もちろん、友達と遊ぶ時もオランダ語。

こうした体験を通じて、生活に密着した言葉から覚えていっているようです。

例えば、日本語で「〇〇君はダメ!俺の方がすごい!」みたいな、子どもたち同士の遊びの中でのやりとりのような言葉の習得がめちゃくちゃ早いです。

一方、妻の方は、単語をきちんと覚えて行ったり、動詞の順番が英語と違う、とか言ったりしながら覚えていますので、アプローチの仕方が全く違うのです。

おそらく、こうした差は、大人の語学を学習して習得する方法としては一般的で、子どもが言葉をあっという間に覚えてしまうやり方としても、一般的だと思います。

うちの2歳の次男は、言葉(日本語)の出が、少し遅かったのですが、今は日本語もかなり話せるようになってきましたが、英語とオランダ語が混ざり始めてしまっています。(結構、まずいと思っていますが)

例えば、ご飯の「お代わり」や「バイバイ、またね!」をオランダ語で言ったりしています。おそらく、本人は何語か?ということは全く意識していないと思います。

 

■それぞれの単語には意味の幅がある

ここで、なぜこうした子どもの語学習得が早いのか? ちょっと面白い本を発見しました。今井むつみさん、針生悦子さんの『言葉をおぼえるしくみ』(2014年 筑摩書房)です。

子どもが言葉を覚えていく過程を研究した内容が書かれていますが、この中に、「外国語の習得」に関しても書かれています。

ここで面白いな、と思ったのは、「単語には意味範囲がある」ということです。

例えば、本書で例に出ているのは、「オレンジ」という色の範囲。日本で「オレンジ色」と言えば、みかんなどでイメージする、いわゆる橙色ですよね。ところが、アメリカで「オレンジ色」というと、かなり(日本の)茶色の範囲までを含んでいるのが「オレンジ色」だと出ています。

自分も経験がありますが、日本で「青」信号と言いますが、海外の人に「青信号」と言うと、「?」とされることはないですか? (ざっくり)外人はあれを、「グリーン」と認識することが多くないでしょうか?

このように、日本語と例えば英語には、ピンポイントで対応できない「意味範囲」があるので、辞書で調べた意味だけを知っているだけでは不十分で、意味的に隣り合う単語を知って、それぞれの範囲を認識しないといけない、というのです。さらに日本語の単語にはそれぞれの「意味範囲」があり、外国語の単語にも、その単語が持つ「意味範囲」があり、それぞれがバッチリ対応していることはあまりないのだが、大人は、その差を認識することが非常に難しいとありました。

そして、子どもは多くの時間をかけて、かなり感覚的にその範囲を身を以て認識していくので、外国語の習得が適切である、というのです。

つまり、ネイティブと非ネイティブの違いはここから生まれるというのです。

日本語をイメージしても分かりやすいですよね。日本語ができる外人と話していて、意味はわかるけど、その単語は、そんな風に使わない、という場面に結構出会いませんか?

これが、辞書で調べて、ピンポイントで単語の意味だけを覚えており、単語の意味範囲を把握していないことによって起こるというのです。

また大人の語学学習では、単語の意味を知っていても、使い方をあまり習いませんよね? 子どもは実践を通して、使い方と合わせて習っていく。例えば、次男は日本語の「お代わり」を知らないけど、オランダ語の「お代わり」に当たる言葉を知っていて、意味は分かっているのです。そして、使い方も合っているのです。これも大人と子どもの語学習得における、違いでもあるような気がします。

もちろん、他にも子どもの方が、耳が良いとか、柔軟性があるとか、記憶力が良い、とかいろいろあると思いますが、我々大人(自分)は、根本的に語学の学習方法が間違っていたのだな、と思ったのでした。

単語の意味は、その隣り合う単語によって、意味(範囲)が規定される、というのです。

 

ということで、すっかり子どもに遅れをとってしまった、オランダ語習得ですが、9月からオランダ語を習いに学校に通う予定です。

そのうち、オランダ語でブログが書けるようにする意気込みで頑張ります。

そうしないと、子どもと会話ができなくなりそうでしてヤバイですから……。汗

Joe Flood