かわいい子にはプレゼンさせろ?「発表」を重視した自由研究へ
2月に入っても昨年からのロックダウンが続いたまま。感染者人数も、今のところ劇的な減少も見られず。さらに夜間外出禁止令が出されたら、それをきっかけに、各地で暴動が起きたり。ワクチンも接種も始まっているものの、今のところ国全体でその効果が感じられるほどにはなっていません。
こんな感じでオランダでは全くコロナ禍が治る気配はありませんが、もしかしたら、もうちょっとしたら学校が再開される、と言うニュースが唯一の明るいニュースでしょうか?
ちょっと前の記事(コロナ禍でも成長は止まらない!日本人は子どもの成長を引き出すのは苦手?)にも書いたのですが、こんな状況であっても、子どもの成長自体は止まりません。いや、あるいは学校がなくなった(オンラインになった)ことでちょっと成長が阻害されていることもあるかもしれません。
と言うことで、今日はオランダ式のちょっとおすすめの勉強方法のご紹介です。
とにかく自由にやってみる
簡単に言うとプレゼンをさせる、と言うことです。これ、特に難しいことでもなんでもありません。日本的に言うと、いわゆる「夏休みの自由研究」かもしれません。ただ、ポイントは「自由研究」をしたら、必ず(家庭内で)「発表」してください。いや、どっちかというと「発表」を重視してください。
夏休みをかけて自由研究するのではなく、(もちろん、しても良いのですが)その自由研究をしっかりと人に伝えると言う「発表」つまり「プレゼン」をさせてください。
例えば、小さなお子さん(小学校低学年)なんかは、すごーく簡単で良いです。まあ、そういう意味では「プレゼン」と言うまでもないのですが、そこはあえて「プレゼンテーション」と言うことにしてやってみてください。これだけで結構、必要なことを学べると思います。
プレゼンのテーマは決めてもいいし、全くの自由でも良い。始めは、簡単にテーマを決めても良いかもです。
我が家でやったテーマは「(歴史上の)偉人」。誰か一人をピックアップさせて、その人のことをプレゼンするのです。もっとも、これは学校の課題発表でやったようなのですが、それを家庭内でやってもらいました。繰り返しやったことで、おそらく、また内容は調べただろうし、発表の仕方も学んだのだと思いますので、繰り返しでも良いのでは?と思っています。特に最初は。
ここで長男が選んだのが、オランダのヒットラー?とでも言うべき「アントン・ミュゼート」と言う人物で、オランダの国土交通省に当たる省庁を作ったりしながらも、ドイツ・ヒットラーに協力した当時のオランダ国家No.2(長男談)の人物についてでした。
この人については全く知らなかったのですが、オランダも一歩間違えば、ドイツサイドに立って第二次大戦に参戦していたかもしれない過去があった、と言うことでした。もっとも学校の授業で、この人物を選んだらしいのですが、非常に面白いチョイスだなと思いました。
また、内容もポイントを抑えていて、短いながらもかなり整理されていました。言いたいことは十分伝わりました。
ちなみに、学校で普段からやっていることもあって、普通にパワポで資料作って、どっかから動画ももってきて貼ってました。
大人でも、ただただ長いだけのプレゼンで何も伝わらない人もいますが、オランダでは子どもの頃から、こういう訓練を受けているとなると、そりゃ〜、差がつくだろうなあと実感しました。そのほかにも、食べ物について、自分についてなどなど、色々なテーマでプレゼンをやっていて、大体がチームを組んでやっているようです。
ちなみに、もしうちでやる時はお互いにやると面白いだろうなあと思ったので、自分もやってみました。選んだのは「織田信長」。日本の歴史を1mmも知らない長男に対して、織田信長をプレゼンするのは、なかなか難しいのですが、軽く10分くらいで面白いと思ったところを説明してみました。興味をもったかは分かりませんがw
目的は自分の言葉で自分の意見を伝えること
で、このプレゼンはなかなか面白かったので、少し続けてみようと思っています。
そもそもなんですが、うちは子どもたちの日本語力が日本の同年代の子と比べると明らかに劣っています。海外にある日本語補修校にも昔は通っていましたが、とうの昔に辞めてしまいました。
それ以来というもの、日本語を学ぶ目的は「日本語で自分の意見を人に伝えること」と設定して、自宅での学習は続けていたのですが、どうもコロナ禍に学校がオンラインになってリズムが崩れたこと、また、親が日本語を教えることの限界や、普段家庭以外では全く使わない日本語を、どう維持して学ばせるのか?ということがかなり課題だったので、読書とプレゼンという2本建てを今後のメインにしようと思っています。
大人になった時に必要なことは、織田信長で言えば、「本能寺の変」があった年号を覚えることではなく、楽市楽座などの取り組みをして、今だに日本を代表する数々の会社を興した「近江商人」を知っていることや、その「近江商人」がどんな商売をしていたのか? (いわゆる「三方よし」)そして、それが今の社会にどんな影響を与えているのか?それについての、自分の意見が言えること、なんかの方が大事かな、と思うので。
あ、ちなみに信長が死んだ歳が、今の自分と同い年でしたw っていうことで、「パパの歳で天下統一に迫っているなんてすごいだろ?」「昔は寿命が短かったんでしょ?」なんて会話をしたので、今度は、「昔はなぜ寿命が短かったか?」「今の寿命はどのくらいか?」「世界との日本の差はあるのか?」「人生100年時代」になったらどうなるか? なんてことを次のプレゼンのテーマにしても良いかな?と思っています。
とにかく、目的は自分の頭で考えること、そして、それを人に伝えることができるようになること。こんなシンプルなことなのですから。
ということで、自由研究も良いのですが、どっちかというとそれを発表すること。それから発展させてプレゼンすること。これが良さそうです。プレゼンするとなると、いろいろと自分で調べることになったりするので、かなり総合的に勉強することになります。結局、オランダの学校がしていることは、こういうことを通して「自分の好き」や「楽しいこと」を見つけるのが学習なんだな、と思いました。
オランダにはモンテッソーリ、シュタイナー、イエナプランや、それらの良いとこどりの合体カリキュラムなどなど、いろいろとあるんですが、結局ベースはこういうことなんですよね。っていうことだと、家庭でもできることもあるなあ、と思っています。もちろん日本でもできますよ。
皆さんも、家庭でのプレゼン合戦、やってみてください。
ちなみに、自分の織田信長のプレゼンの準備も夜中の3時までかかりましたw (仕事…?という。。。)
はじめまして!
カワムラ コノミと申します。
どうやったら子供達の考える力を養う事が出来るかを調べている中で、当サイトにたどり着きました。
本当に、子供が主体となって自分の好き、気になるを追求して
かつ、それを周りに伝えられる能力ってこれから何よりも大事になってくると思います。
吉田さんのやられている事業、とても面白いなと思いました!
今の時代、親や先生は教えることはやめ、子供が何事も主導権を握り、私たちは助けが必要な時にアシストする役目でいるのが1番良いのだと思います。
オランダの教育法など興味があるので、これからもブログ拝見させていただきます!!
コメントありがとうございます! まさに同じように思います。カワムラさんのような方が増えれば子どもたちの伸び方も変わってくると思います!引き続きよろしくお願いします。