オランダでは引き続きロックダウン継続中ながら、小学校だけは少し前に再開しました。もっとも、よりによってそのタイミングに大寒波がオランダを襲い学校が雪のためオープンできなくなりました。そうかと思えば、エリアごとに順次1週間くらいの連休に入ったりしてまして、なんとなくゆるゆるなオランダらしい感じw

何年かぶりかの大寒波は街中を凍らせていき、凍った運河では、みんながマイシューズを持ってアイススケートへ。大人も子どもも心ウキウキで、ロックダウンどころではなくなってますw もちろん誰もマスクなんかしてません。だいたい雪がちょっと積もっただけで、このノリです…。

もちろん、このコロナ禍の学校生活においては行事や、それこそテストなんかも含めていろいろが例年とは勝手が違います。ロックダウンの状況も刻々と変わっていく中において、先生たちはとても一生懸命、臨機応変に素晴らしい対応をしてくれています。ほんとにここには大感謝です。ちなみに、こちらはうちの学校が雪の中でも再開したよ!というニュース。(オランダ語ですが、学校再開自体がニュースになってしまう&みんながめちゃくちゃ喜んでいる様子がわかります)

さてさて、こんな中ですが(こんな中だからこそ)今回は改めて、オランダでは学校とは?とか、通知表は?というのが端的に分かるエピソードを紹介します。

 

学校は人生の楽しみを見つける場所

これは今回のロックダウンとは関係なく、いつもうちの校長先生が言っていることです。今までも何度か、このブログでもご紹介していると思います。

「学校は大人になった時の楽しみを見つける場」だから…。「学校自体がどこよりも楽しくなくてはならない」「勉強(成績)が全てではない」「教育は社会と繋がっている」「好きなものを見つけるためにいろいろなことにチャレンジ(できる場)」「興味があればやってみる場(それを奨励する場)」「人と同じでなくて構わない」などなどなどなど。

「学校は人生の楽しみを見つける場」というコンセプトをたてた瞬間に、いろいろなことがいわゆる、われわれ日本の教育を受けてきた大人がイメージするものとガラッと変わるのが分かると思います。

オランダの学校、全部がこうなのか?は分かりませんが、少なくともうちの学校は、こうなのでそもそも学校や先生の雰囲気から、何から何まで全然違います。学校がこういうコンセプトを持っているだけで、子育てまでもがググッとしやすくなる、楽になると思いませんか?

先生は、「子どもたちが大人になった時に楽しみがなかったら、可哀想でしょ?」と言っています。だから、先生の役割も日本とは違います。もしかしたら日本では先生の役割は、「勉強を教える人」「正解を教える人」なんて要素が強いかもしれませんが、こちらではこうしたことは皆無。先生は「子どもたちの楽しみを一緒に見つける人」「子どもが楽しいことを見つけるのをお手伝いする人」なんて感じです。

そもそももし先生が、ただ「正しい答えを教える人」だとすると、もう誰もGoogle先生には敵わない時代にとっくになっていますよね。

 

通知表は子どもを勇気づけるもの

さて、もう一つ今回ご紹介したいのがこちら。今、オランダでは大体、9月に新学期がスタートしてから半期が終わったところで(今年は少し遅れている?)先生と面談して通知表がきたり、中学校の進路を決めるタイミングでもあります。

基本的な通知表がオランダと日本では違う点があります。いくつかありますが、大きくはオランダはポートフォリオと言って、「自分の中の成長度合い」を可視化している点。評価項目は、いわゆる学力的な面もありますが「リーダーシップ」「協調性」「積極性」「ボランティア」「意思を伝える力」「理解力」などなどが重視されています。(全項目で30くらい?)

で、この通知表は前年とか半期前の自分と比べると、どれだけ成長したか?と言うところが重要視されるものです。

うちは、今回のタイミングで(日本では小1に当たる)次男が実質初めての通知表をもらいました。また、中学選びのタイミングの長男も今までで一番大事な通知表&先生からのアドバイスをもらいました。

我が家は移民と言うこともあり、子どもが学校の授業について行っているのか?という観点からも、少し心配だったのと、やっぱり親は日本の「通知表文化」しか知らないので、いくら今までの長男の保護者としての経験があるとしても、最重要視される今回のタイミングは少しドキドキしていたのですが、結果的には次男、長男ともに、ものすごい先生に褒められて、いい評価をしてもらいました。

通知表に関しては子どもたち以上に親の方が緊張していたのですが、良く考えるとオランダの評価と言うのは、子どもたちに自信を与えるものであって、「評価する」とか、まして「ダメ出しをする」というものではないようです。日本人だと、どうしても他人からの「評価」を気にしてしまうきらいがありますが、オランダでは他人からの「評価」は本人に自信を与えるもの、そして、適性を教えてくれるもの、といった傾向が強い気がします。

実際に長男次男ともに、そうした評価をもらって、今や自信満々。基本的には本人たちがやりたいように、好きなことができていれば良いと思っているのですが、そういう親の気持ちは、もはやとっくに関係なく本人たちが好きなようにやっています。

なんというか、日本のいわゆる普通の公立での学校生活を経験してきた親としては、時に物足りない感じとか、これで大丈夫か?などと心配もよぎるのですが、当人たちは、そんなのどこ吹く風。それぞれに好きなことを模索しているような感じです。そう言う意味では、もはや完全にオランダの教育トラックに乗っているんですね。

まだまだこの先どうなるか分かりませんが、今のところ「通知表によって自信をつける」「通知表によって勇気づけられる」という教育制度には、我々移民家族はとってもありがたく感じています。(おそらく親だけですが)

 

「学校は人生の楽しみを見つける場」、「通知表は子どもを勇気づけるもの」この2点があると、とっても子育てがしやすくなる感じがしています。そして子どもたちもイキイキしている感じがします。もしかしたら、先生も仕事がしやすくなるかもなあ、と思っています。

学校生活に馴染めない子、そう言うお子さんをお持ちの保護者の方、今の職場が辛い先生方などなど、ちょっと参考にしてみてください。もはや、皆さんの活躍のフィールドは日本だけではありません。世界と繋がっている時代です。お子さんなんか、特に外に飛び出してみるのも良いかもしれません。(実際に、それで人生が変わった子がたくさんいます)

ふっと気持ちが楽になったりするかもしれません。

なんせ、こちらは雪がちょっとふっただけで、こんなにはしゃぐ国ですからね。