コロナ禍でもある今は、なかなか海外には行けませんよね?(こちらは日本に行けないのですが)行き来できないだけではなく海外とのいろいろなプロジェクトも基本的には止まってしまっていることが多いのではないか?と思います。

ただ、なんでもかんでも全部止まっているか?というとそうでもなくて、ちゃんと動いていることもあります。例えば、子どもの成長。コロナ禍だから止まるなんてことはなく、どんどん成長しています。大人の成長は、そうでもないかもしれませんが…。

さらに、社会のいろいろなこともやっぱり変化しています。こちらは成長というのとはちょっと違うかもしれません。

例えば、オランダでのサステイナブルは、おそらくかなり進んでいます。もうなんだかんだでコロナが世界を席巻してから、1年以上経つわけですからね。そりゃ〜いろいろと進んでいるわけです。

で、もちろん日本だって進化、変化していると思います。オリンピックは相変わらず実施前提でしょうが、ここ1週間のニュースをちょっと並べてみます。

 

日本のニュースを並べてみると

ピックアップするニュース自体が少し偏っているかもしれませんが、ここ最近「衰退している国=日本」という論調の、こんなニュースを続けざまに見かけました。みなさんも見かけたかもしれませんが簡単にご紹介します。(一つ一つのリンクに飛んでいる時間がない方に向けて、ざっくり一言要約も書いておきます)

まずこちら。「劣化する国家と未来の担い手 「コロナ敗戦」機に新築を」東大卒スタンフォードMBAで、経営共創基盤グループ会長・冨山和彦さんのサンケイ・ビズでの記事。実体験にも基づいた説得力のある「劣化する日本」への提言。官僚も政治家も何から何まで劣化している、と。そしてそれは約10年前の311の時にすでに露呈しており、そこから、このコロナ禍でも何も変わっていない、というもの。

次はこちら。「8割が「キャリアの迷子」日本人。しんどい時代の乗り越え方を2つの国から学ぶ」というビジネスインサイダーの記事。こちらはリクルートワークスの主任研究員の大嶋さんによるもの。転職前提の世界と比べると、日本人のキャリア形成はヤバいぞ、というもの。終身雇用がもはや崩壊している変化の激しい時代、このままのキャリア感は非常に厳しい!って感じ。アメリカとスウェーデンがピックアップされてます。海外で会社経営してる身からすると、記事の内容は合ってると思うけど、そもそも根本的に海外での働き方って全然違うのよ、という事実認識がちょい緩いかな?というところ。でも、90%はあってると思う。

そしてこちら。日経ビジネスの「魚がぜいたく品になる未来 日本が他国に「買い負ける」日」。これは筆者である中藤玲さんという人の「安いニッポン 「価格」が示す停滞」からの抜粋記事らしい。新書は読んでないんですが、「日本の初任給はスイスの3分の1以下」みたいなことが書かれてて、本の帯は「年収1400万は低所得の真実」って書かれてました。記事では、魚(寿司)って世界中で大人気。で、マーケットの法則で高い金額払ってくれるところに商品は行くから、やがて「寿司」発祥の国にも関わらず日本は魚が食べられなくなる、と。まあ、これもそうで、コロナで行き来ができなくなっているので、ちょっと忘れがちですが、オランダから日本に帰った時の食費の安さは感動ものです。しかもクオリティ激高い!!そんなことに感動してる場合じゃない…!ってことですね。

さらにこんなのもありました。「コロナ禍、2度目の大人食堂に658人が訪れる」これはハフィントンポストに掲載された、作家の雨宮処凛さんのブログ。これによると、コロナ禍で貧困の進行がヤバいレベルで、自助、共助ではもうとても追いつけない。今こそ公助が絶対に必要。シングルマザーや、ネカフェに寝泊まりしている若者、それから(結果的に)不法滞在になってる外国人など、社会的弱者にモロにコロナ禍の不況の影響が出ている、というルポ。「公」が日本では全く機能してないと言う視点は、一番上の冨山さんの記事でも触れています。

最後にこちら。「今の日本は「衰退途上国」。在米作家が断言した根拠と4つの大問題」というもので、MAG2NEWSに掲載されてます。冷泉彰彦さんという人のメルマガなのかな? 日本は人口減少だけではなく、世界初の経済衰退という現象に直面してて、もはや発展や成長を前提とした社会制度が成り立たなくなっている。そこを早く認識してシフトしないと、国として立ち行かなくなる、って感じのことが書かれています。もう発展とか成長前提の制度や仕組みの全てがガタガタと音を立てて崩壊してる。社会保険とか、公共インフラとかは、もう言わずもがな、と。(けど、それが意外に目につきにくい)みんな早く気づかなきゃ!って感じ。

これらをまとめると、要は、もう今までの日本の常識や社会制度が全部変わってきるぞ。(変わらざるえないんだぞ)日本にいると意外と気づかないと思うけど、世界と比べるとすごい勢いで差がついてきているぞ、ってなことが書かれていると思ってください。

「いやいや、海外にいるからって何言ってるんだよ」「おまえが恣意的にニュース選んだだけだろ」「日本はまだまだすげーぜ」って思われるかもしれません。いや実際、そういう面も確かにあるとは思います。あるとは思うんですけど…。

ここには挙げてないですけど、例えば、日本の大学の世界ランキングがかなり下がっていたり、ついでに企業ランキングも下がっていたりします。こういう事実は、海外にいるとズシっと響くものがあります。いや、響かないか…?なんてったって、もう存在感がないのではないか?っていうくらいに静かにフェードアウトしているので…。

 

日本以外を知ることの大切さ

で、おそらく、みなさんもなんとなーく、こういう類のことを感じているのではないか?と思うのです。なんとなく。今のコロナ周りだってあげたらキリがないですよね? 変なマスクを大金かけて配ったり(それを担当してた官僚は「広報が悪すぎた」とか言ってたけど。「広報の問題じゃねーよ!」って感じですが)ワクチンも遅れてたり、そもそもずるずると、感染拡大しているコロナだったり、明らかにリーダーシップ(=政府)の欠如を感じますよね??

我が家でも、こうしたことをかなり前から感じており、リサーチしたり、本を読んだり、人に話を聞いたりしてきました。その結果が海外移住につながるわけです。スタート点は「自分たちの生活レベルは世界レベルで見たときに、決して豊ではない、幸せではないのではないか?」というところでした。「自分たちの生活って、そもそも全然幸せじゃないんじゃない?」ってことに、なんか気づいたんですよね。というか、そういうふうに思い始めてしまったのです。

と言うことで、親である自分たちはもしかして「失敗した」ので、子どもには同じ「失敗はしてほしくない」という思いが、移住だったり、今の我々の出発点になっています。つまり日本の中で考えたのではなく、世界の中で考えてみた、と言うことかもしれません。

今、日本の子どもたち(特にママさん、パパさんが優秀な家庭のお子さん)は、普段の生活で塾や英語、プログラミングなどの習いごとでパンパンにさせられて、お受験をして、優秀な大学目指して、パパさんやママさんのような優秀な会社に入って、というのを目指させられている子が多いようです。

別にそれが悪いこととは思いません。ただ、ちょっとだけ世界にも目を向けてみて下さい。日本の中だけで考える時代ではないのです。(だから英語やったりしているんですよね?)

今の子どもたちが大人になる時代は、さらに変化が加速しています。だから、今の常識とか社会認識がガラッと変わっている可能性もあるのです。(というか、今、絶賛変化の途中です。)

例えば『2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ』(2020年/ニューズピックス)では

<今日のフォーチュン500企業の40%が、まだわたしたちが聞いたことのないようなベンチャーに取って代わられ、10年以内に消滅すると予想する>

<教育制度は18世紀の産物で、子供たちをバッチ処理して、工場労働者に仕立てることを目的としていた。しかし今日の世界はまるで違っている。教育制度が今日のニーズに対応できないのは、このため>

と書かれています。

オランダで先日取材に行った学校は先生という存在がいませんでした。それは「昨日の知識は、明日には使えないものになる」という方針で、先生すら置かないで、生徒自らが自分たちで学んでいくという方針からでした。

ユヴァル・ノア・ハラリの『21 Lessons』(2019/河出書房新社)の中では、

<15歳の子供に私が与えられる最善の助言は、大人に頼りすぎないこと>

と言っています。

日本での視点とか、世界からの視点とかとも全く関係なく、時代の変化を考えると、今、一生懸命教えていることは全て過去の知識や、ノウハウで、明日には古くなってしまうと言うのです。そして時代の変化は好むと好まざるをえず起こります。

 

と言うことで、コロナ禍のためになかなか世界を見れたり、ちょっと引いて社会を見ることが、なかなかあできないとは思いますが、少なくとも日本の学歴社会や競争社会に敗れてたとしても、幸せな生活が世界にはいろいろとあると言うことを知って下さい。今、みなさんが見ている世界が全てではない、と言うことです。

いや、逆に今までの日本の学歴社会自体がさっぱり意味を持たない時代がくるかもしれません。しかも、あっと言う間に。

となると変化していく時代、子どもに対する眼差しも今までの常識とは違うことがあってもいいかもしれませんね。

今までの学歴社会を勝ち抜いた人たちが作っている現代の日本社会を見てみると…。ほらっ、ちょっと納得いくのではないでしょうか…?