IMG_1212-395x263フィリピンのセブ島に来ました。セブ島といえば、青い空、白い砂浜、キレイなサンゴ礁をイメージしていたのですが…。

今回の宿泊もAir BnB。典型的なリゾートはそもそも今回の旅の「現地の人の生活をしてみる」という趣旨にも合わなかったので、ハナから除外。ということで着いたのは、セブ島のイメージとは程遠い、超ド田舎の汚ない一軒屋。いや、一軒家とは見せかけだけで、同じ敷居内には、そのほかに7、8軒の民家が歩いて一歩の距離に密集しており、スラム街?いや、戦後のバラックか? といったイメージの家でした。

シンガポールとのギャップが凄いこともあり、家族のテンションも激下がり…。イヤイヤながらも2ヶ月シンガポールの幼稚園に通って、やっとそこから解放された!という、ウキウキモードだった長男も、家の中をつま先立ちで歩きながら「この家汚い!」と、親ができるだけ言わないようにしていた言葉をズバリ言いまくる始末。(決して汚くはないんですが…)

イメージしていたセブ島の生活とはかけ離れた場所での生活が始まりました。。。

 

■家の前はターミナル…?

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とりあえず、もちろん街灯なんてものはなく、夜着だったので周りが全くわからなかったのですが、翌朝、びっくり。家の前が、乗り物のターミナルだったのですが…。その広大な原っぱ?には、ヤギと牛と鶏とアヒルと犬と猫と、さらに、ものすごい数の天然記念物が混然となっており、ターミナルと言われたものの、乗り物の姿はありません。

いや、よく見ると破れまくったテントの屋根の下に、申し訳なさそうに、2台の人力車(トライシカ)がいました。

…ターミナル…?ってか、移動手段これ…? 炎天下の中、さらにテンションが下がったのは言うまでもありません。

 

■天然記念物発見!

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しかし、このターミナルには日本では絶滅してしまったと思われる天然記念物が大量にいたのです。それは子どもです。

以前、西日本新聞さん主催のワークショプにて、学童保育のプロフェッショナルである、佐賀県学童保育支援センターの石橋さんの話を聞きました。石橋さんが言われていたのは、「異年齢で8人以上の集団で遊んでいる子どものグループを見たら、天然記念物だと思ってください」ということでした。

確かに日本では、「異年齢で8人以上のグループで遊んいでる子どもの集団」は、ほとんど見かけないですよね?ところが、このターミナルには、ごろごろと天然記念物がいたのです。というより、そういった集団で埋め尽くされていました。もちろん、誰一人として携帯ゲームなんかしていません。

昔は日本でも、子どもたちがそういう集団遊びをしており、その中で、ガキ大将や、年上の子が、小さな子の面倒を見たりしながら、集団の中でルールを学んだりして、子どもたち自らが育っていく環境として、とても大事なものだった、というのです。

しかし、現代は、少子化、遊ぶ場所の減少、塾や習い事、携帯ゲームの普及、子どもだけで遊んでいると危ない、などの事情で、子どもたちが異年齢の集団で遊ぶ機会がなくなってしまいました。そして、それは貴重な子どもたちの成長の場でもあったのです。

 

■ターミナルは最高の遊び場。すぐに友達ができた!

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滞在3日目くらいから、うちの長男も、その一員になってしまったのです。

そもそも滞在している家は、同じ敷地内に親戚一族が住んでおり、子どもだけで20人くらいいるのです。なので、まずはこの敷地内でグループに入れてもらって、そして、自然な流れで原っぱターミナルへと合流していったのです。

やはり年上の子が年下の子の面倒を見ています。特に女の子は、良く世話をやいてくれています。うちの長男は、集団内で2番目くらいに小さい子ですが、お姉ちゃんが草履についたアリをはらってくれたり、遊びに呼んでくれたり、いろいろ面倒を見てみらっている様子です。

 

■いつの間にか大好きな国に

来た当初は、”汚い”と言って家の中を、つま先歩きをしていた長男も、いつまにか現地の子たちと、外を裸足で走り回るようになりました。そして、そのまま家の中に入ってくるようになりました。もちろん人一倍神経質な妻は激怒しています、。笑。

それよりも何よりも、こちらの友達と遊ぶのが楽しくて楽しくてしょうがないようで、汗びっしょりになって遊んいます。いろいろ伝えたいことがあるからか、”これは英語でなんて言うの?”と聞いてきたり、英語もむちゃくちゃですが、どんどん話して、なんとか通じているようです。現地の言葉もちょっと話したりし始めました。

とにかく、子どもの順応力の高さは凄いのです。

こちらでは、スカイプ英会話で知り合った先生(といっても20代前半の女子)が2人、毎日、遊びに来てくれたり、現地の案内をしてくれるので、長男にとっては、まず、いいお姉ちゃんができて、さらに沢山の友達ができた、という最高の環境になったのです。

「シンガポールとセブはどっちが’好き?』と聞いたら、「セブ!」と言いだしました。

 

子どもにとっては、天然記念物との出会いは最高の経験になったかもしれません。つま先立ち生活から、外を裸足で走り回る生活への変化が物語っているように感じます。

個人的には、断然リゾート生活のほうがいいのですが…汗。現地の生活に入り込むには子どもがいたほうがいいかな、と思ったりもしました。