オランダに移住して、ようやく2年になろうとしています。思えば、右も左も分からないまま「子どもの教育環境のことだけ」を考えて来たオランダ。スマホの待ち受け画面は、いまだに移住当日の成田空港で家族で撮った自撮りですが、家族それぞれも成長しているのでそろそろ変えようかな?と思っています。

特に、言わずもがな子どもたちの成長は著しく、それぞれ2歳と5歳だった子どもたちは、もう別人のよう。

彼らは今ではすっかりオランダ語を話し、苦労しながらもヨーロッパの風土に逞しく揉まれながら成長しています。

それに比べて、2年経って自分はどうかな?と思ったりもします。人生100年時代と言われると、尚更、たかだか2年なんて…と思いがちですが子どもたちの成長を見ると、自分の2年の成長がいかに少ないか?と思わされるからです。

もっとも、新卒で入った会社に19年(小学校入学から、浪人、留年を経て大学を卒業、という学生で過ごした年数全部)居て、のほほんと過ごしてしまった年数に比べると、ここ2年は結構、必死に生きてきた気もします。(決してサラリーマン当時に、のほほんとしていたつもりはないんですが、「今振り返ると」という意味で)

 

■2年で社会も全く変わっている

さて、この2年というスパンだけで見ても、子どもの成長も著しいのですが、実は社会の進化も著しいのではないか?ということに気づきます。

特に近年は、テクノロジーの発達のおかげで、進化のスピードはものすごく早くなっているのは、皆さんもお気づきの通り。

例えば、仮想通貨も今ほどメジャーではなかったし、働き方改革なんて全くなかったし、保活問題もここまで表面化してなかったし、SMAPが解散するとは思ってもみなかったし、それが解散分裂した上に一部がネットTV(←これも全くメジャーでなかったし)に出始めて、さらにジャニーズがネット解禁になるなんて思いもよらなかったし、ドローンが街中を飛行したことがニュースになり、今や大昔からその国を統治しているかのような振る舞いの金正恩もトランプも、実はたかだか2年前に大統領になったばかり。大企業が副業解禁なんて、2年前には誰も想像してなかったんではないでしょうか?(経済連は今だに反対してますがw)

もう本当に、時代の進化が早すぎて全くついていけないのが実感と言ったところではないでしょうか。

しかし、そもそも我々が移住したのは、前述の通り「子どもの教育のため」。それを丁寧に言うと、「将来(ざっくり20年後)、自分の子どもが大人になった時の社会や世界の状況から逆算して、子どもの時にどんな環境にいたら良いのか?どんな教育なら役に立つのか?」ということを自分たちなりに判断した末の行動でもありました。

20年後、日本の大企業はどうなるのか? 日本の大学はどうなるのか? そもそも今の小学校でやっている勉強が本当に役に立つのか? などなどの疑問が湧いてきたり、世界の状況を見て周った時に(2014年に我が家は1年間の育休を取って家族でアジア放浪の旅に出ています)感じたことの結果、移住という選択肢にいたったのです。

 

■全く違った将来がくる?

もちろん、未来を予測することは不可能だし、それに対して絶対に正しい選択ができる保証は全くないのですが、少なくともいろいろな可能性を想定しておくこと、そしてそうした将来への展望に対して、できるだけの準備をしておくことは、特にこうした時代の親がするべきではないか?と思っています。

これからの時代は、今までの時代の延長ではない、と思うからです。我々はつい今(まで)の常識や慣習が、過去から延々と続いている常識であり、未来永劫続く常識であり、習慣であると考えがちです。

例えば、日本の会社の特徴であり、社会の根幹システムであった「終身雇用の年功序列」なんて、現状ではほぼ崩れ去ってますよね? (逆にいえば、それが成り立っていたのは、戦後のわずか数十年のみ。つまり実質一世代のみ)そもそも副業解禁ですし。

でも、社会のありとあらゆる仕組みが、これを前提に作られているとしたら、要はすでに「終身雇用の年功序列」という前提が変わってしまっているとしたら、大変な変革が起こると思います。(現に、今年の新入社員で「定年までこの会社にいる」と考えている人は少ないのではないでしょうか?)

なので「終身雇用の年功序列」システムに最適応させる教育も、変革しないといけないのです。

実は、こうしたことこそ、今のママやパパが知っておいた方がいいのでは?と思うのです。特にママこそ知っておいた方がいいと思ってます。(このブログの読者は80%がママさんです)なぜならママなら、こうしたことを知った時に、子どものために具体的なアクションを起こせる可能性が高いからです。

もしパパが、「終身雇用の年功序列システム」の中に組み込まれていると、まずは気づけないし、それから抜け出すのは難しい。(決して「抜け出す必要がある」という意味ではないですよ)

でも、当事者でなければ、ちょっと引いて客観的に考えられるかもしれないし、例えば子どもに本を読ませるとか、小さなアクションでもいいので、何かできることを見つけられるかもしれないのです。

(ちなみに、あくまでも「終身雇用の年功序列」は、分かりやすい例として出していますので、別にこれの批判をしたいわけではないので、誤解なきようにお願いします。)

で、かな〜り周りくどくなりましたが、子どもたちが生きるかもしれない未来(時代)を知るために、ぜひ、佐藤航陽さんの『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』(2017年  幻冬舎)を読んでみてください。もしかしたら、今、存在している「お金」の考え方自体が変わる時代がくるかもしれない、ということが非常に分かりやすく書かれています。

この本、かなり話題なので知っている人も多いかと思いますが、個人的には、これを「子育て本」として激奨したいと思います。

前書きから引用します。

<そして今まさに「経済」のあり方が変わろうとしています。

お金や経済のあり方が変わり、それに連動して働き方もどんどん変わっていっています。仮想通貨市場の時価総額はいつのまにか20兆円を超え、日本の大企業もどんどん副業を解禁しています。SNS上で強い影響力を持つインフルエンサーの登場と、そこからの評価経済の議論など、変化は加速しています。

ただ、どのように変わっていくのか?どのような方向に向かっていくのか? それがわからないと不安になる方も多いと思います。この21世紀に登場した「新しい経済」とはどんな経済なのか、その「新しい経済の歩き方」を本書では紹介しています。>

ということで、まさに今の子ども達が大人になった時の時代の、新しい経済のあり方を分かりやすく解説してくれているのです。

もし、ここに書かれていることが事実だとしたら、そしてここで書かれているように変化するとしたら、もしかしたら、今、学校で学んでいることや、将来の目標としていることが、全く意味のないものになってしまったり、存在していなかったり、不必要なものになってしまうかもしれないのです。

なので、繰り返しますが、これはママさんこそ必読の書なのです。

 

ということを考えたりしていると、子育ては究極のロールプレーイングゲームのような感覚にもなります。

特に、先の見えない時代ですから、そのゲームも波乱に満ちていたり、予想外のハプニングばかりかもしれません。

と、2年間の波乱万丈オランダ生活を振り返って思いました。

でも、結局、親がなんとしようとも、子どもは勝手に育っていくもんですけどね。彼らの方が、よっぽど逞しいのです。予測不能な未来を軽々と乗り越えていくことでしょう。

育児は育自。

最後にちょっと良いこと言ってみました。(巷で、よく言われている、というツッコミはなしでお願いします。)