日本の大雨の被害状況は、こちらオランダでもニュースになっており多くのオランダ人にも心配されています。場所によっては、まだまだ大変な被害状況だと思います。自分も今月末に帰国予定なので、こちらでもできることがないか考えています。

こちらはすでに夏休みモード。学校だけでなく、仕事も続々と夏休みモードに入りつつあります。

こちらの夏休みは、日本でいう年度末モードを兼ねているので、何かといろいろと大げさです。というか、特別です。

うちの子どもが通うイエナプランの学校では、最後の日は「面白い髪の毛の日」と言って、全員なんかしら面白い髪の毛にしていきます。髪の毛を染めて、鳥の巣のようにしたり、旗を立てたり、リボンで装飾したり、モヒカンっぽくしたり…。クリエイティビティに溢れるというか、めちゃくちゃというか。(後日、記事にするかもです)

ひそかに自分の中学時代の髪の毛にまつわる校則(拘束?)を思い出して、遠い目になりつつありますが…。

 

■先生の誕生日は遠足?

さて、そんな学年末の慌ただしいなか? 長男のクラス(小学校3年、4年の異年齢クラス)の先生の誕生日がありました。長男のクラス担任は二人いるのですが、別の先生の誕生日は「みんなでゲームとか、スポーツして遊んだ」と言ってたような。

そして今回は「先生の誕生日だから池のある近くの公園にピクニック」とのこと。学年末とはいえ、他のクラスは普通に学校がある日です。「1クラスだけ?」 「先生の誕生日だから?」「池のある公園に水着持参で?」などなど、すでにこの状況に日本的には、いろいろとびっくりなところですが、ついでに「全員自転車で公園まで行くので、保護者の付き添いが必要。ついては保護者3人募集!」なるメールがきました。

平日な上、天気の都合などで直前の案内になったため、なかなか付き添いの保護者が集まらなかったようなので、ここぞとばかり付き添い参加してきました。普段、親のヘルプが必要とされる学校行事では、語学の問題などもあり、なかなか参加できないので、個人的にはその埋め合わせも兼ねて、今学期最後の行事参加でした。

遠足の行き先は、「池のある公園」ということで、みんな水着持参。当日は結構、肌寒かったにも関わらず、着いた早々に、みんな池に飛び込み遊んでいました。(プールじゃなくて、池。いたって普通の池。まあ英語ではプールだけど…)

公園は貸切状態でしたが、着いた途端に、みんな勝手にあちこちで着替えだし、勝手に池に飛び込んだり、めいめい好きなことを始めました。

その後、一通り遊んで寒くなった子は、木陰などでまたまた勝手に着替えだし洋服へ。裸足のまま遊ぶ子もいれば、持ってきたバトミントンをする子もいます。木にハンモックを作ったり、ジャングルジムを登ったり、と今度は普通に公園内で遊び始めます。またお菓子を食べ出す子もいます。

ここまで先生は「あれしちゃダメ」「これしちゃダメ」「あっちに行ったらダメ」「ここで遊びなさい」「木に登ったらダメ」とか一言も言いません。それどころか、子どもたちに対して、指示らしきものは一切ナシ。先生は先生で、マイペースに子どもと遊んだり、お菓子食べたり、写真を撮ったりしているだけです。(まあ、一応誕生日ですしw)

最終的には、少し寒かったこともありランチタイムを早めて、予定より早めに学校に戻りました。が、ランチタイムの始まりだけは、みんなで集合して輪になって座ったものの、勝手に各自が食事をはじめ、途中で鳥に餌をやったり、どっかに遊びに行ったりして、いつの間にかランチタイム終了。(そういえば、途中で先生がお菓子を配り出したけどw)「いただきます!」も「ごちそうさま」もないまま終わり。それも含めて、振り返ると遠足中に先生が指示らしいことをしたのは一回もありませんでした。

 

■日本の遠足は全く違う

ここでちょっと思ったのが、当然ですが日本の遠足との違いです。日本でも田舎の学校なら、こういうこともあるのかもしれませんが、一番大きな違いは、「先生が一切指示をしない」ということです。

日本だと小学校中学年くらいの遠足中の先生と言えば、大声出して注意して、引率がそれはそれは大変そうだなあ、と思ったりもしますが。

こちらの場合、子どもたちは勝手にしています。日本だと、例え家族で公園や自然の中に遊びに行ったとしても、ついつい「危ない!」とか、「あっちは行っちゃダメ!」とか言ってしまうのではないでしょうか?

今回の遠足では、一切、それがありませんでした。

なので自分も付き添いで行ったものの、やることがないので、勝手に写真係になったのですが、(他の父兄は一度帰って、帰宅時にまた現れた)何もやることがありませんでした。

「あれしちゃダメ」「これしちゃダメ」を一切、言わないどころか、全く何も指示もなく、子どもたちは完全に公園に野放し状態。実際、中には遠くの見えないところまで行ってしまう子もいるのですが、一切お構いなし。

まあ、これがイエナプランだからなのか、この先生だからなのか、オランダだからなのか?は分かりませんが、「完全野放し遠足」は、日本で育った自分的には非常に新鮮でした。(大人同士が遊びに行っている感じ)ランチタイムのはじめこそ、全員揃って食べ始めましたが、終わり方もバラバラ(そもそもオランダ人のランチもそんな感じですが)第一、先生が食事中にお菓子を配りだしたので、それを食べ出す子どももいたり、いつの間にかみんな遊びに行ってました。(もちろん、お菓子の配り方も欲しい子にだけあげる、と言う感じ)

ちなみに、この先生、非常に優秀でめちゃめちゃいい先生です。

おそらく、このバラバラに勝手なことをする感じが、普段の授業でも行われているのだと思いますが、(もともとイエナプランなので、個人のペースに合わせて課題を進めるので、ほぼ一斉授業はない)決して、クラスがまとまらない、学級崩壊と言う状態ではなく、個人がそれぞれマイペースで好きなことをやっている、という感じが少なくとも自分が日本で見て来ている状態とは全く違うなあ、と感じるところです。

 

ということで、たった1つのケースですが、オランダと日本の遠足状況の違いをお伝えしました。

とはいえ、まあこれも非常に特殊なケースかもしれないので、オランダ全体がこうなのか?どうかは分りませんが、一つ前のエントリーのようにサッカークラブでも「教えない」(W杯を見て感じたこと!? 「教える」ことは本当に子どものためになるのか)ことがスタンダードであるかのごとく、子どもに対して、ことごとく指示をしない、という点が大きく違うなあと思いました。

ちなみに、遠足中、寒がっている子には他の子どもがタオルを貸してあげたり、裸足で遊んでいて足をガラスで切った子を、みんながヘルプして先生のところに連れて来て処置をしてもらったり、着替えを助け合ったりとバラバラのようでいて、みんながヘルプし合う感じは、まとまりの良さを感じさせるところもありました。

日本だと大学生くらいの自由度と放任度合(=実質大人と同じ)でしょうか。

ちなみに、勝手に始めたクラス専属カメラマンのおかげで、子どもたちとも大分打ち解けることができました。まあ、今学期最終イベントだし、4歳次男と比べてもいまだに全然、オランダ語が話せませんが。。。