さて、先週少しだけ日本に帰っていたのですが、そこで改めてビックリしたこと、感じたことが次の3つでした。

1,本屋が減った。ガクッと減った。もちろん場所によるかとは思いますが地方都市だと目に見えて減った。

2,レストラン、居酒屋などで喫煙可能な店がまだまだ多くあった。オランダだと室内は全面禁煙なので、久しぶりに隣とかで喫煙されると、ちょっとビックリしました。

3,Uber Eatsのデリバリーの人の年齢が高めだったこと。しかも、結構な年齢高めのデリバリーの人を見かけたこと。中には、高齢者?もいて…。まあ、元気そうだし全然いいんだけど、なんかビックリした。

そして、これらは全て10年、いや5年くらい前までは感じなかったことなんですが、いろいろと変わっているんだなあと感じた日本短期滞在でした。

 

すごいスピードで世の中は変わっていく

で、唐突に、これまた全く違う話なんですが、今、いろいろと評判のN高出身者と仕事してます。これが、なかなかの切れ者で噂に違わぬ優秀さ。若さを考えると末恐ろしいほど。私、自分のことを50才と思って日々精進しているのですが、一緒に仕事してて特に違和感ありません。もちろん「若いなあ」とは思います。「ああ、まだ経験ないからしょうがないよね」とは思うこともあります。が、だから劣っているとかは全く思いません。対等。いや、彼の専門分野は、自分には全くわかりません。ということで、むしろリスペクトです。

他には、軽井沢にある全寮制のインターナショナルスクールISAC。いまや世界中から留学生が集まるUWCグループ。ここの卒業生と、この卒業生のバイト先のお客として会ったことがあります。これまた、しっかりしていて、うちの会社でも「はい、採用!」ってしたいくらいでした。

そういえば企業の人事部界隈では、もうすっかり有名な秋田国際教養大学。ここの出身者が、わざわざ会いに来てくれて話したり、繋がってたりする人もいますが、いや〜、みんな確かに優秀。なんか謙虚だし、得意分野もはっきりしているし。ここも良い。留学経験者ばかりですよね。

そして、APU。今や学長の出口さんで有名ですが、出口さん以前から、ここにはアジアの優秀な学生が集まっており、日本人も面白い人ばかり。やっぱり、ここ出身者でも懇意にしている人がおり、これまた優秀。世界との繋がりをみんな持っている印象です。

そういえば、自分も2017年にアムステルダム応用化学大学のリサーチ&デザインラボ「デジタルソサエティスクール」(当時はメディア・ラボ)に通った時に、そこに世界から集まる同級生の優秀さに驚きました。すでに20年くらいの社会人歴がある自分が、「こいつ、なかなかやるなあ」と、自分の社会人暦と同じくらいの年齢の若者に囲まれて過ごしたのですが、あれは日本では絶対に体験できない感覚だったろうなあ、と思います。そのうちの何人かとは、いまでは一緒に仕事をしております。

一方で、オランダのうちの事務所には、日本で輝かしい最高学歴を持つ学生たちが、なぜかインターンに来てくれることがあります。基本的には、うちには学生には適した仕事がないのですが(どっちかというと、仕事を取ってくることを必要としているので)「無給でいいです」と言って来てくれることもあるのです。でも残念なことも多いし、残念な人もいる。それはどこ出身でも当たり前の話だと思うけど、ここでも10年前、いや5年前には全く想像していなかった現実がある感じがします。

 

5年後は想像できない

で、世界でこういう経験をしていると、親として考えるのは日本での学歴ってなんなのかな?と思うのです。少なくとも日本国内だけに限ってると、ちょっと厳しいのでは?とも思うし、そんな学歴はもう必要ないのでは?とも思ったり。

いやいや、「お前のところは海外だからだよ」と感じるかもしれませんが、実はうちは、日本の名のある大企業のお偉いさんたちから「君のところで、うちの子をちょっと預かって欲しいんだけど」というありがたいお話を、かなり頂戴しています。で、だいたいが、「もう日本だけの経験とかだと厳しいと思うんだよね」とか、「日本の学歴はもう世界に通用しないから、せめて職歴だけでも」とかいうことを言われます。

「いやいや、そこは日本を代表する企業のお偉いさん(であるあなた)が言ってはダメですよ〜」という感じのオフレコ発言だったりする訳ですが、こういう感じなんです。

なので、今回の帰国では、思いつめたような顔した大量の受験生と電車に乗り合わせたりしたのですが、「そんなに今の目の前のことに、コン詰めなくていいぞ!」「世界は広いぞ!外を見ろ!」とつい言いたくなってしまいました。日本だけの学歴ホルダーとして。

コロナ、インフルなど大変な状況だけど、受験で人生が決まるわけではない。世界を見れば、君たちにはますます可能性が広がっているのだ。閉塞感漂う現状を軽々と飛び越えて、世界で楽しめる大人になって欲しいなあ、と思ったりしました。

もう、今はわずか5年後も想像できない世の中なのです。