オランダは、ただいま6週間の夏休み中です。街の雰囲気、それから子どもが夏休み、ということもあって、なんとなく親の方も夏休みの気分です。

もちろん、オランダ人も休暇はしっかり取ります。みんな2~3週間のバカンスを取りますので、今は連絡がつかない人も多数います。ヨーロッパでは8月後半くらいまでは、こんな感じです。とにかく夏はしっかり休んで、しっかり遊ぶのです。

で、我が家も先週の金曜日から、3泊4日でキャンプに出かけてみました。場所は、我が家から車で20分ほどのところにある国立公園。広大な自然の中にひっそりとあるキャンプ場。と言っても、キャンプ初心者の我々は、バス・トイレ・キッチン完備のバンガローへ。

というのも、今回の(自称)キャンプは、45歳、7歳、3歳の我が家の男だけでのキャンプだったからです。そう、今回、ママは休暇を取って一人、家でゆっくりと。子どもが生まれてから、初めての一人時間を過ごすことになったのです。

 

■(自称)キャンプへはノリノリで出発

実は、この男だけの(自称)キャンプ。次男が生まれたときから、いつか実現したかったのです。というのも、以前、このブログでもご紹介したことのある堀込さんは、毎年のように男旅に出かけていて、いつかそういうことを我が家でもしたいなあ、と思っていたからです。(参考:【夏休み特別篇】男子三人夏物語りー東大卒専業主夫の堀込さんに話を聞きました)

実際、長男との二人旅はしたことがあるのですが、次男が生まれてからは、なかなかそういうチャンスもなく、3歳になった今年、やっと実行することになったのです。

そして、(自称)キャンプの目玉はBBQ。実際は、自分がやりたかっただけですが、火を見せてあげたい、火の起こし方を教えてあげたい、食事の手間を減らしたい、炭火で美味しいものを食べたいなどの理屈をつけて、事前にBBQセット一式、炭や、着火剤なども3人で買い物に行くなどしてバッチリ準備。バルコニーでの事前リハーサルもして、(自称)キャンプに向けて、徐々に気持ちを高めて行きました。

そのかいあったのか、子どもたちは(自称)キャンプへは、特に次男にとっては、初のママとのしばしのお別れにも関わらず、ノリノリで出かけて行きました。(と言っても、20分ですが)

 

■難関はやっぱり食事の世話

普段から、なんとなく一通りの子どもの世話はできるつもり、しているつもりなんですが、やっぱり難関は食事。というのも、普段から自分が食べたいと思う料理しか作らず(それも極少数レパートリー)、それが、ことごとく子どもたちが嫌いなもの。

さらに、野菜はほんの数種類のみ、肉はほとんど食べない長男、野菜や果物は、ほとんど食べず、パンも嫌い、唯一肉だけが好きな次男、というように食事の好みが全く違います。また共通で食べるものは「ご飯」のみ、というような感じなので、「炊飯ジャー」は家からしっかりと持って行きましたが(最悪、米があればなんとかなる)よく考えると、BBQしても何にも食べない、という状態なのです。

なので、食事だけは、事前に念入りに献立を作って臨みました。

とはいえ、もちろん男3人(自称)キャンプ。当然、予定通りに行くことはなく、かな〜り適当な料理でなんとかやり過ごすことにギリギリ成功しました。(1回だけ、カフェでに行って、ランチを食べましたが)

その他の時間は、ほとんど周りの探検。木登り、秘密基地作り、カエルとり、うさぎ獲り、公園遊び、そしてBBQで使う薪拾い。と、まあ、他愛もなく楽しく過ごしたのですが、この(自称)キャンプを通じて感じたのは、長男の成長でした。

 

■日本の子どもは過剰な指示を受けすぎている?

おそらく、今回の(自称)キャンプ。楽しかったとは思うのですが、途中で、長男は「いつもと違う」ということに気づいたのではないか?と思います。

というのは、今回の(自称)キャンプでは、ほとんど子どもに指示をしなかったのです。親と子、という立場ではなくあえてフラットな感じ。こっちもBBQの火をつけるところから、ガンガン助けてもらったし、長男は、いつのまにか次男の面倒をものすごく見てくれていました。

普段の生活では、一緒になって兄弟喧嘩して、脱いだ靴下をしまわない、遊んだおもちゃを片付けなさい、とママに怒られまくっています。

しかし今回は、初日にバンガローについた時に、次男が部屋の入り口で脱いだ靴下は、帰るまで、ずーっとそこにありましたし、おもちゃも遊んだままの状態で、3日間ずーっとありました。

だから、どんどん必要なものがなくなったり、着るべき服がなかったりしたのです。

長男は、そんなことに途中で気づいたらしく、(というか、なんか違うぞ!と思ったらしい)自分で脱いだものを片付けたり、弟の靴下をしまってあげたりと、普段とは全く違う状況に合わせて、自分でなんでもやってくれるようになっていました。(自宅に戻った途端、早速いつも通り怒られていますが)

で、ここで汐見稔幸先生の『本当は怖い小学1年生』(ポプラ新書 2013)から、少し長いのですが参考になりそうなところを引用してみます。

<日本の幼稚園は、平均して200~300人の園児を抱えている。保育所だと平均100人前後で、いずれも世界的に見るとかなり規模が大きい。国が定める規定によると、幼稚園では一人の先生が最大で35名の子どもを、保育所でも4,5歳児は一人が30名を受け持つことになっている。-(略)-ところがヨーロッパでは、三歳以上であれば一人の先生が受け持つ子どもの数はせいぜい15名くらい。-(略)- 15人程度の規模だと、その集団は「大きな家族」のような感じになり、「さあ、みんなで散歩に行こうか」「みんなでこれを作ろうか」と呼びかけると、大きな声を出したり暴れだしたりすることなく、みんなで分担しながらうまく行動する。先生が「ああしなさい」「こうしなさい」と指示を出さなくても、子どもたちの間で一定の秩序ができあがる。というより、むしろ、子どもが自分たちで秩序をつくっていく。-(略)- 規律は大人たちから強制されるものでなく、子ども自身が日々の活動の中で発見しながら身につけていくものなのだ。>

<子どもは本来、その場でどういうことが周囲から期待されているかをとっさに読み取る能力が高い。だが、大人たちによって常に指示されると、子どもたちはそうした生来の能力を使う機会を失っていく。>

と書かれています。

長男が、意外にしっかりしていたのは、これが当てはまった気もします。普段は、親が先回りして注意しすぎてしまっていたのかもしれないなあ、と思っ他のです。

翻って見ると、日本のママさんは優秀な人が多いので、子どもにもつい厳しくしてしまう(自分と同じレベルを求めてしまう)人も多いのではないか?と思います。その結果、ふと気づくと、子どもに過剰に指示してしまっている。こんなことはないでしょうか?

もしかしたら、周りの目が気になって子どもの自主性が発揮されるまで待てない、ということもあるかもしれません。

もしかしたら、夏休みは、そうしたことをちょっと忘れて、子どもに勝手にやらせるようにしてみると、意外と子ども自ら考えて行動してくれるようになるかもしれません。

 

うちの場合は、3歳の次男はまだ全くダメでしたが、(それでも色々と手伝いに参加したがっていた)7歳の長男は、意外としっかりしているところを見せてくれました。

おそらく、「パパは全然何もやってくれない、自分がなんとかしないと」と思ったのでしょう。せっかく準備したBBQセットの一部を完全に家に忘れて来てしまったこともあり、逆に帰るときには、「忘れ物ないようにしてよ!」「車に全部入れた?」とか言ってましたので…。

ということで、自分のようなダメ親だと、しっかりとした子が育つかもしれません。