【番外篇No.3】「休校はしません!」ついにオランダでも緊急コロナ対策へ(2020/3/12)
すいません。ここのところコロナ関連の番外編エントリーが続いおります。が、本日(2020/3/12)、ついにオランダでも、ルッテ首相、ブラインス医療大臣、オランダ国立公衆衛生環境研究所所長から緊急コロナ対策が発表されました。というのも、ここ数日は、オランダでも1日100人単位で発症者数が増えており、この勢いは、イタリアと同じ伸び方をみせています。
オランダは、日本と比べると非常に小さな国で面積では九州と同じほど。人口は1700万人。東京より少し多いくらいしかいません。その国で、2020/3/12現在で614人。死者は5人。そして、伸び率がハイペースです。
緊急コロナ対策への対応が迅速
ということで、数日前の「握手は禁止。手洗いをすること」みたいな少し緩い雰囲気の対策から一転。少しでも疑わしい症状がある場合は、自宅待機。症状が悪化するまで病院へも行かない。3月中の100人を超えるイベントは中止。美術館やコンサートホール、その他サッカーやスポーツなど、全て中止。自宅勤務の推奨。不要な外出、ミーティングを避ける。そして高齢者への訪問は控えるように。社会的な交流を控えよ、とのことが通告されました。
ここで日本と違うのは、小学校の休校はしないとのこと。なぜなら親が困るだろうから、と。なんか日本人としてはちょっと耳の痛い、もっともな指摘ですよね。さらに大学や専門学校などではオンライン授業の推奨もされています。
実は、オランダはもともとヨーロッパで一番ネットも安定している国。またワークシェアも世界で一番進んでいるので、リモートワークなども普通に取り入れられていることもあり、こちらの混乱はあまりなさそう。もっとも、リモートワークができる業種などに限られる話ではありますが。
と、まあこんな感じの対策が発表されたのですが、それが発表されるが否や、各種ミーティング、学校、サッカー関係など、一斉にそれに対応した連絡がありました。いやはや、なんというか全体の対応力というか、実行力はすごいなあと感じました。まあ、これが基本的には「何かをする」という話ではなく、「しない」という方向だから、というのもあるかと思いますが。
ということで街は結構静かですが、何か特別な混乱やパニックはないように見えます。それでもエリアにもよるのですが、いわゆる買い占めが起こったりはしています。大きなスーパーの棚が嘘のようにからっっぽということも起こっています。幸い休校じゃないことが、まだ日常生活を維持させているようにも感じますが。
アジア人差別どころではなくなった
さて、イタリアを筆頭に、ヨーロッパのコロナはかなり急拡大中です。例えばイタリアでは検査数は多いものの、対応する病床、医療スタッフが完全に不足しており、医療崩壊が起きているといいます。実際、今、一緒に働いているイタリア人のデザイナー(フィレンツェ出身、ミラノ育ち、そして現在はオランダ在住)が言うには、イタリアは、もうかなり悲惨な状況だと。友人やファミリーにもコロナを発症している人もおり、中には、奨学金でオランダの学校へ留学が決まっていたけど、コロナにかかったおかげで奨学金もパーになってしまったとか、封鎖されているので、そこから出ようにも出れないとか。重症化してるけど入院もできない、とか。まさに武漢状態なようです。
そのほかヨーロッパには緊急事態宣言を出している都市もありますし、患者数だけ見ても、オランダでさえ普通に日本より多くなってきています。(検査をしてるから、という話も聞こえてきますが)フランス、スペイン、ドイツなども患者数が急増しています。
それでもイタリアで最初に流行した街は、いち早く封鎖をしたおかげか、新規の発症者はなくなったということを言ってました。
そして、ここまでヨーロッパで広がってしまうと、幸か不幸か、今度はさっぱりとアジア人差別の問題はなくなりました。コロナは、今やすっかりヨーロッパの問題になっており、ご存知のようにアメリカは、さっそくヨーロッパからの入国を禁止にしましたね。
ここまで広がってしまった要因を一生活者の目線で考えてみますと、ヨーロッパ人には手を洗う習慣がない、うがいの習慣もない、マスクもしない(予防効果はないとしても)全体的に、一般の日本人のほうがより衛生的な環境にいるように感じます。また、挨拶も握手、ハグ、キスなど、アジア人より濃厚接触が多いと感じます。
さらに、日本ではあまり知られていないのですが、ヨーロッパでは2月の下旬に、ちょっとしたお休みがありました。キリスト教のカーニバルが各地で行われたり、多くの人がスキーに出かけたりしました。(スキー休暇とも言われている)
実は、我が家もその時、オーストリアのチロル地方(イタリアの北に隣接)のアルプスにスキーに出かけていました。現地に滞在した時に、そのエリアで初の感染者が出たことが大きなニュースになったこともあり(イタリアからの渡航者が発症)スキー場では、結構、明からさまな差別を受けたものです。当時は、まだコロナ=アジア人だったのです。
しかし、その後、その休暇でイタリアに滞在していた人が自国に戻り、発症したケースが多く見られました。オランダでも最初のまだカウントできる頃は、ほぼイタリア帰りの人、またはその家族などの濃厚接触者だけでした。
ご存知のように、陸で繋がっているヨーロッパで、特にオランダのようにスーパーオープンな国は、なかなかこういう時にブロックすることができません。これは歴史的な国民性にも反映されている感じもあり、ブロックという概念自体、あまりないように思えます。もちろん、飛行機は日本便も減便したりしていたりしてますが、今や、オランダやヨーロッパが、他国から入国制限される側になっているので、あまり意味がないようにも見えます。
ということで、アジア人差別の期間はすでに終わり、自国のでパニック時期に突入しています。軒並みイベントは中止され、夏のバケーション前に行われる大きなイベントも中止の声が聞こえてきました。
さて、オリンピックはどうなるのでしょうか?現状のままだと、仮に日本で発症が落ち着いてきたとしても、ヨーロッパでは、そんなに急に落ち着くような気配は見られません。ということは、選手も含めて、日本に行かれないということがあるのではないか?と感じています。観客ももちろんですが。
早く世界の英知を結集して、有効な対策が取れると良いのですが。。。ということで、今回も番外編的にヨーロッパコロナ状況のご報告でした。
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