7658268052_13aaf66e0b_b夏休みに入った子どもも多いのではないでしょうか。個人的には、夏休みの思い出は、なぜか宿題や受験、逆に遊びの思い出はあまりありません。

考えてみれば、夏休みは、”学びと遊び”という、相反する2つのもので成り立っている気がします。

うちの長男は今年まで幼稚園生なので、年中遊び、ですが、小学生になると、とたんに、”学び”という要素が入ってきますよね。

”小1プロブレム”の原因の一つは、幼稚園(保育園)からの突然の変化にある、とも言われています。

 

■”ブラタモリ”こそ、最高の学び

buratamori-650x345

さて、今回は、みなさんご存知、花まる学習会を率いる高濱さんの話を聞いてきました。

ちなみに、花まる学習会や、高濱さんのことは、このブログでも、過去にも何度か取り上げています。(『自分が受けた「勉強」や「教育」を子どもにさせますか?』)

花まる学習会は、長野県の公立小学校や、佐賀県武雄市の公立小学校の授業を行ったりと、官民一体型の公教育改革をトップで推進している民間の塾です。

個人的にはその一番の特徴は、”花まるの子どもたちは、勉強が楽しくて楽しくてしょうがない、という状態になること”と思っており、単純に”成績が上がる塾”ではないと思っています。

ということで、まずは、高濱さんに、”遊びと学びの境界は存在するのか?”と質問したところ、表題の答えが返ってきました。「ブラタモリこそ、学びは楽しい、ということを表現している最高の例ですよね」と言うのです。

台本を非常に重視するNHKには珍しく、タモリさんが街を散歩しながら、自身の知識からくるアドリブを炸裂させ、視聴者も”学び”と意識せずに、自然とその土地の歴史や、そこから派生する出来事などを、様々な知識と結びつけながら学べるNHKのヒット番組です。(生番組ではないけど)

ちなみに、昨晩(2015年7月20日)もブラタモリのスペシャル番組の放送がありましたが、番組の中で発見したことが、こんなニュースにもなっていました。もちろん、NHKですが。笑。「東京駅地下に謎の巨大空洞 地下トンネルの一部か

 

■人には”知らないことを学びたい”という根源的な欲求がある

IMG_3645

高濱さんの活動の根源は、”知らないことを学びたい”という、人間の根源的な欲求を満たし、しかも、それは”めちゃくちゃ楽しい”ということを子どもに伝えたい、経験させたい、というところからスタートしていると感じました。

「だって学ぶことって、めちゃくちゃ面白いじゃないですか?」と高濱さんは言います。

そして、こうした経験こそが、大人として自立して生きるために必要だというのです。

でも、塾、というのは、もともと入試を突破する、あるいは、難関校に入るための存在ではないのか?という質問をしたところ、「入試などは、どの社会にもある、”しがらみ”みたいなもので、これなどは物事の本質さえ学んでいすれば、いとも簡単に乗り越えられる」と言います。

ところが、今の学校での勉強は入試をパスすることだけが目的となっており、その教え方にも大きな問題があるというのです。

ここでは、「”知らないことを学びたい”、そしてそれは楽しいことだ、という人間の知的欲求の本質からは、かなり遠ざかってしまっている」と言うのです。

 

■遊びと学びは地続きである

「遊びと学びは地続きです。社会に出てから生きていくために重要な力である、見えないものを見る力、イメージ力、空間認識力、論理的思考などは、すべてが遊びの中にあります。

正直、どっから遊びで、どっから勉強か?分からないですよね。ちなみに、学校で教えていることだって、全部遊びじゃないですか?」

「でも学校の授業ってつまらないんじゃないでしょうか…。」と聞くと、「例えば、同じことでも違う先生から習うと、めちゃくちゃ面白い!って経験ないですか?」と逆に聞かれました。

なるほど、それは確かにある気がします…。実際、花まるの授業風景をTVなどでも、見たことある人は多いと思いますが、子どもたちの授業への熱狂ぶりがすごいですよね。(その結果、もちろん成績も伸びる)

自分は、あれを見て、子どもにとっては遊びなんだな、と思いました。そして、実は、そうさせるために、はなまるの先生は、覚悟と責任をもって教え方に創意工夫を凝らし、子どもたちに臨んでいる、ということでした。

花まるの授業が、”遊びと学びが地続き”というのは納得です。”学ぶことは楽しい”ということを実感できるのでしょう。

ここには、学びと遊びの区別が全くないのです。

 

ということで、自分も学生のころに、花まる的な学習方法に出会っていれば、夏休みの思い出(どころか、学生生活すべて)も完全に遊び一色になっていた気がします。

というか、勉強をしない、という意味では遊び一色で、そのために6年も学生生活を送りましたが。ちなみに、高濱さんの学生生活は8年だそうで、そこでも勝てなかった…という。笑。

遊びと学びが地続きの環境を作ってあげると、子どもの能力は飛躍的にアップするかもしれませんね。高濱さんの話、夏休みの過ごし方や小1プロブレムの解決にも、大きなヒントになる気がしました。

「やらなきゃいけないこと。つまり、勉めて強いる=勉強になったとたに、すべて面白くなくなりますよね。」と話す、学習塾の先生の話。刺激的でした!

CollegeDegrees360

【参考】

※ 「花まる学習会」は、公教育をどう変えるのか?- 東洋経済ON LINE

※ 日本の公立を「結果責任制」で変えよ! – 東洋経済ON LINE

※ 「地域のおばあちゃん」参画で学校は変わる! – 東洋経済ON LINE