子ども達の未来は本当に大丈夫か?ヨーロッパからコロナ禍で思うこと
コロナ自粛の中、オランダでは週明け5/11から条件付きではありますが、いよいよ小学校が再開されます。そのために例えば登校の仕方をビデオに撮ったり(通常と違って、人の流れが一方通行になるようにしたり)クラスの半分の子が、週2日づつ通うので兄弟が一緒になるような登校日の設定のために、曜日の割り振りをしたり、もちろん授業の内容も工夫したりと先生たちは準備に大忙し。
こうした対策は、オランダでも学校により違うと思うのですが、8週間(7週間)におよぶオンライン学習(そのうち2週間バカンスw)への対応とともに、先生たちは本当に大変だったと思います。本当にこの対応には、感謝、感謝です。(もちろん、医療関係者、警察、流通などなど、あげたらキリがないけど)
おそらくオランダの保護者たちは、こうした先生への感謝度合い?は非常に高いのではないか?と思います。少なくとも、我が家では先生に対しては感謝しかありません。
一方で日本でもオンライン学習への移行ができなくても、各先生ががんばっていると、いろいろなニュースで聞きますので、みなさんの先生への感謝度合いも高いのかもしれません。
でも、なんとなく違いがあるとするとオランダでは国全体 or システムとしての対応の仕方や、そのバックアップが適切に機能しているのに対して、日本はあくまでも先生個人の頑張りで、なんとか乗り越えようとしている、といった違いが感じられます。
もちろんオランダの状況を全部知っているわけでもないし、日本の状況も全部知っているわけでもないので、あくまでも個人の印象なのですが。
個人ががんばる日本
おそらく教育に関することだけではないのですが、海外から見た場合、今のコロナ禍においては、どうしても日本の硬直っぷりとか、システム的、社会的な弱点が目立ってきています。政府の機能というか、能力が著しく劣っているように感じます。
すでに読まれた方も多いかと思いますが、こんなニュースも目にしました。
『日本の指導者、国民評価で最下位 コロナ対策の国際比較』時事通信社
ここには
<政治、経済、地域社会、メディアの4分野でそれぞれの指導者の評価を指数化した。日本は全4分野のいずれも最下位で、総合指数も最低だった。>
と書かれています。
また「国がダメだから」、ということで自治体の首長ががんばっているエリアもあって、それは確かに良いことだと思うのです。思うのですが、ヨーロッパから見た場合「そんなに特別にすごくない」「むしろヨーロッパでは国として当たり前にやっている」みたいなことも結構あります。誤解なきように、繰り返しますが、もちろん各自治体ががんばっているのは良いのです。例えば、福岡市なんかは頑張っていると思います。市長自らが、上手に情報発信できているし。で、みんなが「福岡でよかった!」みたいなことも言ってます。確かに良いとは思うんですが、オランダだと「それ、国として普通にやってます」みたいなことも結構あります。
先の先生の話と同じで、大阪や、福岡、東京?も首長個人(or 自治体)の頑張りで、なんとかやっているだけであって、全体のシステムとか、社会とかでは全く対応できていない、ということがとても気になります。
そういえば、そもそも「自粛」だって、「要請」を受けた各個人が補償とかない中で「個人的にがんばっている」状態ですよね。(もちろん受け取りにくい10万円とか、待てど暮らせどこないand 「来たと思ったら汚れてた!」アベノマスクとか国としての対応施策もありますが)
オランダでは3ヶ月分の補償が、ネットで申請して、とっくにさっさと振り込まれてました。もちろん、ハンコもないし、ネットも繋がりにくいなんてこともなかったし。申請自体もシンプルでした。
つまり、外から見たら、「システムとか社会が、組織として全く機能していない中で、個人でなんとか頑張っているのが今の日本」だということなのです。
先に引用したニュースでも、本来は感染者数も死者数も(もはや実態は分からないものの)、ヨーロッパなんかに比べたら、明らかに少ないにも関わらず、最低ランクになってしまうっていうのは、そもそもおかしな話ですよね。
で、こういうことって確実に子どもの教育にも影響を与えると思います。というか、今までの教育の結果が、今の状態を作っているのかもしれません。これは「鶏と卵」の関係っぽいのですが…。「日本人は学力が高い」というのは、今まで世界で言われてきたことです。実際に、海外に暮らしていて、今でも自分は、そう思っています。しかし残念ながらその「学力」が全く役に立っていないように見えるのが、今の日本の状態です。少なとくとも「国を引っ張っていく」という意味においては。
教育とは「未来」への投資であって、唯一、「未来を作るもの」でもあると思います。そこに対して、日本は投資を惜しみ、お金を削ってきたツケが、まざまざと現れていると思うわけです。
我々、大人は、真剣に「子どものこと」=「国の未来」を考えないと、このままでは沈没してしまうのではないか?と結構、本気で思っています。今回のコロナでは、こんなことまで明らかになってしまったと感じます。
ということで、今度、こんなことやります。個人的には「子どものこと」=「国の未来」に本当に危機感を持っています。よろしければぜひ皆さんのお話もお聞かせください。
初めまして、安井隆と申します。嫁に教えてもらい、記事を読まさせて頂き、共感できるところが多々あり、コメントせずにはいられませんでした。
特に、教育とは唯一未来を創るもの。
教育への投資、お金を削ったツケ。
子どものこと=国の未来。日本沈没。
日本で10年教員をやっていたので、非常に強く感じている部分です。残念ながら、教員でも危機感を感じている人はほとんどいませんでしたが。
吉田さんが感じている危機感や不安感。また、違う記事で書かれていた、日本のシステム的な脆弱性を非常も感じています。
別のオランダの学校では、今回のコロナ対策で、水道の蛇口を自動に変えたという話も聞きました。日本では考えられません。スピーディかつ、予算的な面で。
ヨーロッパが国として、子どもを育てる。社会を支える。という意識が強く感じられ、そういった考え方がどのようにして育まれていっているのかを知りたいと思っています。
拙い文章で申し訳ありませんが、また次の記事も楽しみにしています。ありがとうございました。
安井さま
わざわざコメントありがとうございます。「子どもが世界一幸せ」と言われる、このオランダでさえ、先生の待遇はあまり良くなく、人不足になりつつあります。そんな中、現役の先生は、非常によくやってくれていて、感謝しかありません。
ただ、ブログにも書いたように先生の置かれている状況はまったく違っています。日本でも子どものため、いや、先生自身のためにも、オランダの制度などは取り入れられると良いのでは?と思っています。
奥様にもぜひよろしくお伝えください。