ぼちぼち学校再開のニュースが日本からも聞こえてきました。オランダでも、すでに2週間前から部分的に再開していますが、6月中旬からの全面再開も決まりました。

さて、このコロナの自粛中、みなさんの生活にもいろいろな変化があったことと思います。しかし、オランダにいる自分としては、そこまで大きな変化はありませんでした。

たとえばリモートワーク。自分はもともと全部リモートワークでした。海外にいるので、日本とのやりとりはもともとリモートワークでした。オフィスが縮小する? オランダの場合は300人の従業員がいても、もともと200人しか入らないオフィスとかざらです。効率重視で、リモートワークや在宅ワークが盛ん、世界一のワークシェアの国ですから、全員が一気に出社するオフィスキャパは要らないからです。通勤のための満員電車?もともと、そんなにありません。(もちろん、出社時、退社寺ともにそれなりのラッシュ&渋滞はありますけどね)

と、まあ一部だけを取り上げてはいますが、そもそも無駄なことが大嫌いなオランダ人が合理的に考えて、改良していった社会システムです。

となると、さて、学校はどうでしょうか?

 

オンラインも使用

はい。学校は、もともとオンラインを使用してました。もともと週ごとの時間割も、自分たちで作っていました。もともと成績も「成長率」を図るもので、偏差値主義ではないので「遅れる」「進んでいる」という発想がありませんでした。(その上で飛び級や、逆に遅らせたり、特別な補講もあり)もともとチョーク&トークの授業はほぼありませんでした。もともと「人生の楽しみを見つける場」でした。また、もともと先生は「教える人」ではなく、生徒の背中をちょっと押してあげる「コーチ」でした。(毎回、書きますが、これは学校によって違います。あしからず)

ということで、実はオンラインになっても、そこまで内容が激変した、生活が激変したか?というとそうでもなかったです。いや、もちろん変わった点もありますし、全部の学校が、そうだとは限りません。

そういう意味では、このコロナ自粛の経験を活かして、良かった点は、そのままどんどん取り入れそうです。

それもこれも普段から無駄なことを省き、本質的に大事なことを追求している国民性の結果かもしれません。

 

教育は社会の鏡

こう考えると、やっぱり「教育というのは社会に直結している」のではないか?ということです。社会が求めていることが、教育に現れる。もしかしたら逆かもしれません。教育されたことが、そのまま社会に反映される。

少なくともオランダでは、この教育と社会との繋がりをハッキリと意識していると感じます。

少し前にオランダは「子どもが世界一幸せな国」というユニセフの調査がありました。この時に、あるリサーチで訪問したユトレヒト大学の女性の教授に言われたことが今でもハッキリと記憶に残っています。

「みなさん、オランダは『子どもが世界一幸せな国』と言われますが、それがどういう意味だか分かりますか? それは『ママが世界一幸せな国』という意味なんですよ」と。

子どもが幸せ=ママが幸せ。実際、比較的最近行われた調査でも、オランダ人の幸福度は世界で5位か、6位か忘れたけど、結構ランキングの高い位置にあった記憶があります。(しかも、ランキングを上げていたような…)

で、話がちょっと逸れましたが、要は幸せな社会、未来へ向けて明るい社会、前向きな社会だと、それが教育にそのまま現れる。その社会を反映したものが教育になって現れる。ひょっとしたら逆かもしれません。未来志向の教育、前向きな教育が、そうした社会を作っていく。その教育を受けた子どもたちが、未来の社会を作っていくのですから。

なので、子どもたちがコロナ中、また学校再開されて、再び取り組む教育はどんなもので、それは社会にどう結びついているのか? 社会のどういったことが反映されているのか?というのを、今一度考えてみる良いタイミングかもしれません。

 

未来に繋がる教育

昨年、突然にお亡くなりになった瀧本哲史さん。彼の著書「ミライの授業」の中でこんなことを書かれています。

<未来には、ひとつだけいいところがある。それは、「未来は、つくることができる」という点だ。誰が未来を作るのか?きみたちだ。過去に生きる大人たちに、未来をつくる力はない。21世紀の第一世代として、きみたちの手で、きみたちだけの未来を作っていくのだ。>

つまり「教育は未来をつくる手段」だということだと思います。そして、だからこそ、教育には昔の社会ではなく今の社会が反映されているべき、そしてもっと言うと新しい社会を作っていくヒント(今の社会のダメな点が反映されていたら反面教師にして)がないとダメ。そういうところを、今の教育を通して子どもたち自らが見つけていくのだ、ということだと思いました。

その他にも、

<日常にある「小さな違和感」を掘り下げ、冒険の扉を開けよう>

など書かれています。

 

教育は社会と繋がっています。今、お子さんが受けている教育は、社会と繋がっていますでしょうか?もちろん、社会と人との繋がりは、人それぞれであるのと同じように、教育と社会との繋がりをどこに見つけるか?どの接着点に興味を持つのか?は、子どもたちそれぞれです。だから不登校の子とかは、一生懸命、「社会との接点をどう見つけるのか?」という、より彼らにとっての本質的な問題を解いているかもしれません。

逆に大人たちは教育が繋がっているべき社会は、今、どうなっているのか? このコロナのタイミングには、ちょうどそんなことを考えるのも良いかもしれません。

そう考えると、ほら、もう子どもの勉強の「遅れ」とか全く気にならないでしょう?w

 

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